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マルチプラットフォーム開発の難しさを『戦国BASARA2 英雄外伝』開発チームに聞きました

『戦国BASARA2 英雄外伝(HEROES)』(2007年11月29日発売)は、爽快なゲームプレイが人気のスタイリッシュ英雄(HERO)アクションの最新作で、PS2と Wiiのマルチプラットフォームで発売された作品です。本作ではCRI・ミドルウェアのADXとSofdecという2つのミドルウェアが採用されています。そこも含めて、マルチプラットフォームでのゲーム開発で苦労された点や得られたものについて、カプコンにお邪魔して聞いてきました。

任天堂 Wii

―――片倉とお市の最終ステージは主題歌が流れますよね

高野: はい。 今はアニメなどでよくあるように、芝居の最後の場面からスタッフロールに繋がって進行していくような形を実現したくて、プログラマーの島守にもお願いしました。ただ、この演出は全キャラクターのエンディングにはさすがに難しいということで、お市だけ、という形になっています。エンディングムービーにスタッフロールが直結する1個のムービーで処理しています。ですので、残念ながら「ギャラリー」ではエンディングムービーとスタッフロールを別々に鑑賞することができなくなっています。

高野: ちょっと考えたのは、エンディングの芝居とスタッフロールで上手く何小節目で切り替えるという計算をすれば、シームレスに再生できるんじゃないかということです。ただ、検討はしましたが、制作スケジュール的に厳しかったので、実現できませんでした。

―――なるほど、そうだったのですね。実は「CRI Sofdec」では1つのムービーデータの特定のポイントから再生することができます。今回のような場合もムービーデータを分けなくても、あたかも2つのコンテンツがあるかのように見せることができます。

島守: では次回作はぜひ(笑)。

―――ボイスも豪華な役者ばかりで、人数も多いですよね

小林: キャラクターは今回31人が登場しますが、その中で喋らないキャラクターや同じ人が喋っているものもあるので、役者さんは合計28人でした。収録は東京で行うので、担当の浜は毎作収録のために長期出張に行ってますね。

―――役者さんのチョイスはどんな風に?

小林: まず武将の性格やイメージを考えて、それを元に土林というデザイナーが絵を起こします。それを見ながら役者さんをチョイスしていきます。僕が知っている役者さんの中からイメージに合うものをディレクターの山本に提案して決めます。当然、役者さんがOKであればということですけど。開発の一番最後の段階で声が組み込まれるので、チームの中でどんな反響があるかいつも楽しみですね。

※土林誠氏・・・戦国BASARAシリーズのデザイナー
※山本真氏・・・戦国BASARAシリーズのディレクター

―――今回の収録はどうでしたか?

浜: 今回の収録は10日間くらいで、シリーズの中でたぶん一番短かったですね。1日に何人もの役者さんを連続で収録していきました。あまりこういう場に立ち会う機会はないので、自分でも楽しめました。

小林: 役柄を明確にしている28人以外の方の演技力も実は凄いんです。兵士やザビー教信者や一揆衆の声などが縁の下の力持ちになっていて、評判も良かったりします。個性的な方も多いです。その分、声の種類は膨大な数になっていて、組み込んでいく作業は大変ですが・・・。

―――本シリーズでは、口パク(リップシンク)はやっていませんよね?

《土本学》
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