任天堂は、4月2日に配信した特別番組「Nintendo Direct: Nintendo Switch 2 - 2025.4.2」にて、新型ゲーム機「Nintendo Switch 2」(以下、スイッチ2)の最新情報を公開しました。
数多くの対応ソフトや発売日(2025年6月5日)の発表などが相次ぎ、また価格も明らかになりました。また、本体は2つのバージョンがありますが、そのセット内容は「どちらも同じ」とのこと。しかし一部の違いによって、その価格は大きく異なっています。
■「多言語対応」版のスイッチ2って、なに?

今回発表されたスイッチ2の希望小売価格は、49,980円(税込)です。ただしこちらの価格は、「日本語・国内専用」版のもの。本体の対応言語は「日本語」に限られており、「国/地域」が「日本」に設定されているニンテンドーアカウントのみ連携できるバージョンです。
また、「日本語・国内専用」版は、マイニンテンドーストアのほか、日本全国のゲーム取扱店でも購入できます。

もうひとつのバージョンとなる「多言語対応」版ですが、本体のスペックや同梱内容などはまったくの同一ですが、価格は69,980円(税込)と、2万円もの差があります。
そして、機能面で唯一異なるのは、対応言語が「日本語以外の言語も選択可能」なこと。また、すべての「国/地域」のニンテンドーアカウントと連携できますが、性能面ではこれ以外の違いは全くありません。
くわえて、取扱店舗はマイニンテンドーストアのみに限定されており、一般の店舗では購入できません。
■2バージョンの展開が、転売防止に期待できる二重策に

「日本語・国内専用」と「多言語対応」に分かれた2バージョンが同時に、またこれだけの価格差があって登場するのは、少なくともゲーム業界ではかなり珍しい事態です。
こうした展開に踏み切った任天堂の真意は明かされていませんが、ゲームファンの間では「これが一つの転売対策ではないか」といった意見がSNSなどで多数持ち上がっており、任天堂の判断に好意的な反応を示しています。
転売とは、購入した価格以上の金額で再販売する行為を指す言葉で、個人レベルから組織だって取り組む場合まで、そのスケールは様々です。また昨今では、安く購入できる日本国内で購入し、高く売れる海外へ持ち出す転売も増えている模様で、ジャンルを問わず問題視されています。
直近のゲーム業界では、PlayStation 5の転売問題が大きく持ち上がりました。まだ抽選でしか購入できなかった頃、転売目的の購入者が増えた関係から当選確率がさらに下がり、結果的にユーザーの購買意欲の削ぐといった悪影響も及ぼしたほどです。
そのため転売による海外流出も問題となっていましたが、今回「日本語・国内専用」が用意されたことで、海外向けの転売対象になりづらくなりました。この点から、「転売対策なのでは」と広く囁かれています。

また「多言語対応」版の購入は、マイニンテンドーストアでの抽選販売になり、「2025年2月28日(金)時点で、Nintendo Switchソフトのプレイ時間が50時間以上であること(体験版ソフト、無料ソフトは除く)」「応募時点で「Nintendo Switch Online」に累積1年以上の加入期間があり、応募時にも加入していること」といった条件のクリアも必須です。この条件を今から満たすのは不可能なので、転売対策としてこちらも有効です。
■言語設定の限定は、他業種でも

言語設定による販売形態は、実は他業種で既に行われています。一例ですが、富士フイルムイメージングシステムズ株式会社は、対象とするカメラの本体内メニュー言語を限定すると、2025年2月26日に発表しました。
対象となったのは、ミラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM X-T5」、「FUJIFILM X-T50」、「FUJIFILM X-H2」、「FUJIFILM X-H2S」の計4機種。これらのカメラは、2025年3月出荷分以降、言語が「日本語・英語」のみになります。
転売問題に頭を悩ませる業界は多いため、こうした施策が海外流出に影響を与えて転売を抑制するのでは、といった期待も高まっています。
ちなみに上記の4機種は「言語追加サービス」の対象製品になっており、料金5,500円で言語を追加できます。他国の正規ユーザーへの対応も抜かりない模様です。
■転売対策で日本ユーザーにもらたす恩恵に期待

ゲーム業界でも、転売問題は長年の課題になっていました。スイッチ2の前世代機である「Nintendo Switch」も、発売当初や巣ごもり需要時に品薄となり、転売の対象になった時期もあります。
購入しにくい事態を招く転売がスイッチ2でも横行するのではと、ゲームファンの一部は以前から心配する声をあげていましたが、今回行われた任天堂の発表と施策は、一定の安心感をもたらしたと思われます。
2バージョンの発売で「日本語・国内専用」版の海外流出を極力防ぎ、「多言語対応」版は厳しい条件で購入可能者を絞るという二段構え。しかも、「日本語・国内専用」版は2万円も安く、国内ユーザーにとって嬉しいことづくめの展開といえるでしょう。
任天堂が今回打ち出した「多言語対応」版という手法が、果たしてどれほどの効果を発揮するのか。今後の動向にも注目が集まります。