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『ユニコーンオーバーロード』は、SRPGの歴代作品に負けない注目作! 刺激的な“時短”バトル、なのに時間泥棒で止められない【プレイレポ】

ヴァニラウェア渾身の『ユニコーンオーバーロード』は、早くも50万本を突破する売り上げを達成。その人気に裏付けられた、確かな魅力へと迫ります。

ゲーム 特集
『ユニコーンオーバーロード』は、SRPGの歴代作品に負けない注目作! 刺激的な“時短”バトル、なのに時間泥棒で止められない【プレイレポ】
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■クラスの特性と見極め、より大きなシナジーを引き出せ!

「自動で進むのは便利かもしれないが、楽な分だけ面白さが犠牲になっているのでは?」と疑問に思うかもしれません。本作に限らずですが、ゲームの面白さは相性に左右される面も大きめ。この『ユニコーンオーバーロード』も例外ではなく、そして本作のゲーム性は万人向けとまでは言えない内容です。

しかしこれは、「楽なゲームなので、奥深さを求める人には合わない」という意味ではありません。「試行錯誤が楽し過ぎる骨太なゲームだから、SRPG好きにこそお勧めしたい作品」に仕上がっているのが、この『ユニコーンオーバーロード』なのです。

戦闘に参加するキャラクターには、兵種である「クラス」が設定されており、戦いの立ち回りや得意とする能力、装備できる武具などそれぞれ異なります。攻撃に特化したクラスもあれば、仲間の盾になるクラス、回復や支援に長けているクラスなど、その種類は多種多彩。こちらも量が多くて説明しきれませんが、いずれも特徴的です。

クラスには特性があり、例えば「グリフォンナイト」は、地上にいる敵の近接攻撃を避けやすく、その命中率を半減させられます。そのため、アタッカーながら部隊を守る盾としても活躍しますし、回避率を上げる支援を受ければさらに盤石。「向かうところ敵なしでは!?」と、プレイヤーが意気込みたくなるほどの頼もしさです。

しかし、そこまで美味い話はありません。「グリフォンナイト」の回避戦術が有効なのは確かですが、弓に弱いという弱点を持っており、弓からの被ダメージは2倍に増加。しかも、弓を愛用する「ハンター」は必中効果のあるスキルを所持しているので、回避を許さず大ダメージを与えるという、「グリフォンナイト」の天敵とも言うべき存在です。

この一例のように、各クラスには戦場で活躍できる特性があり、そして相性による得手不得手を持ちます。しかも本作は、キャラ同士を組み合わせて1部隊を「編成」するため、様々なクラスが入り乱れる戦いが基本です。

「グリフォンナイト」だけだと心もとないので、「アーチャー」に強い「ファイター」も一緒に編成させる……こうした手段を講じるだけで、一方的にやられる状況はかなり減ります。しかし、互いの弱点を補うばかりの編成だと、今度は火力に欠けやすくなるのがもどかしいところ。この試行錯誤が実に奥深く、ともすればステージ攻略の何倍もの時間をかけて取り組んでしまいます。

また、シナジーの高いクラス同士の編成は、火力や防御力を飛躍的に跳ね上げるので、試行錯誤の結果が文字通り目に見えます。成果が視覚的に分かりやすいのも、癖になる要因のひとつでしょう。

■「作戦」で行動を組み立てる、奥深い戦略性

『ユニコーンオーバーロード』で試行錯誤するのは、クラスの相性やシナジーの組み合わせだけではありません。戦闘中の行動はオートで進むと前述しましたが、プレイヤーはその行動条件をあらかじめ決めることが可能です。

攻撃やHP回復、支援にデバフといった戦闘中に行う行動は全て、各キャラクターが所持している「スキル」を使用する形になります。このスキルは、成長や武具の装備によって増えていくので、スキルの使い分けも重要な戦術です。

オートバトルなのに、スキルをどう使い分けるのか。それは、事前に設定できる「作戦」で発動条件を決めるだけ。例えば、特に指定のない攻撃スキルは正面の敵を狙いがちですが、「HPが最も低い敵」と設定しておけば倒しやすい敵を優先的に狙ってくれるので、敵の数を減らしやすくなります。

こうした条件を全てのスキルに指定できるので、クラス相性の組み合わせと結びつければ、戦術の幅は無限大と思えるほど。「作戦」を通して有利な状況への道筋を自ら発想し、そのアイデアが結実する結果をオートバトルで確かめる。この繰り返しが本作の奥深さに繋がり、思考が止まらない面白さを生み出すのです。

「作戦」と「編成」の相乗効果を引き出すため、戦闘前の試行錯誤は楽しく、そして時間がかかりがち。一方、いざステージに立ち向かえば、移動先の指定や戦力投入のタイミング、敵部隊との相性比較を行うくらいで、あとは移動から戦闘までオートでサクサクと進みます。

SRPGなのに、1戦1戦のバトルが意外なほど軽く、しかし戦力を構築する選択肢は途方もなく枝分かれし、前準備の段階で何手も先を読む戦略性にも富んでいます。一般的なSRPGと大きく異なる構成ですが、戦略を練る楽しさはまちがいなく感じられる『ユニコーンオーバーロード』。個人的には、SRPGの新たな可能性を切り開いたと賞賛したいほどの作品です。



《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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