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「ストグラ」「LEGENDUS」「LTK」…大手配信者によるイベントが豊富な“今”の日本配信シーンについて、Twitch幹部インタビュー

「もっと海外に日本のストリーマーを呼びたい」――Lewis Mitchell氏はそう語ります。TGS2025で感じたという、日本市場が持つ“熱意”とは。

配信者 インタビュー
「ストグラ」「LEGENDUS」「LTK」…大手配信者によるイベントが豊富な“今”の日本配信シーンについて、Twitch幹部インタビュー
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2017年にTwitch Japanが設立されてからはや8年。TGS2025にもZETA DIVISIONとTwitchパートナー向けのブースをブースを出展し、ミート&グリートエリアを設ける、k4senさん、SHAKAさんなどが登壇するトークイベントを行っていました。

今回はそんなTwitchより、スポークスパーソン(広報担当)であるLewis Mitchell氏、Mary Kish氏にインタビューを実施。Twitchという企業にとって、日本という市場はどう見えているのかなど、お話を伺いました。

◆Twitchは“ハブ”。「ストグラ」などで、配信者たちをつなげる存在に

――本日はよろしくお願いします。まず、おふたりがどういった領域を担当されているのかをお聞きしてもよろしいでしょうか。

Lewis Mitchell氏(以下、Lewis):APAC地域におけるコンテンツディレクターをしています。基本的にはクリエイターの皆様をサポートすることが仕事ですね。その中でも“Twitchパートナー”(各種条件を満たしたTwitchストリーマー)の方々に必要なアドバイスをしたり、教育的なプログラムをサポートしたり。そういったことが私たちの仕事になります。

Mary Kish氏(以下、Mary):私はTwitchコミュニティの責任者です。ストリーマー陣というより、視聴者層のコミュニティ全般のサポートですね。とくにプログラムを企画、実行することをやっていまして、ちょうど今夜(※取材実施日は9月26日)にも“Go Live Tokyo 第2回コミュニティミートアップ”を開催予定です。

もちろんストリーマーの方々にも様々な施策を行っています。ストリーマーを支援するためのコミュニティ“Twitch Unity Guild”には50人以上の女性ストリーマーに加入していただきましたし、ほかには“Twitchクリエイターキャンプ”という形でストリーマーの方々がより成長するための情報を提供しています。

Lewis Mitchell氏
Mary Kish氏

――ありがとうございます! おふたりから見て、日本という市場はどういったものなのでしょうか。

Lewis:熱意がある、情熱的な場所ですね。TGS2025でも、SHAKAさんやk4senさんなどが登壇されるステージにはビジネスデイにも関わらずたくさんの人が押しかけていました。

市場としての傾向は大きく違うということはなく、むしろ類似点は多いです。多少日本独自のタイトルなどもありますが、ストリーマーを中心とした発展の仕方や人気なゲームなどは似通っていますね。

Mary:日本はほかのアジア・パシフィック地域に比べて市場の成長が著しいですね。それだけ熱意があるということだと思います。特に伸びているのはVTuberで、Twitch上での視聴時間は前年比30%増、配信時間は23%増と大きく伸びています。

――個人的な感覚として、Twitchというプラットフォームが日本に馴染むまでは時間がかかったと思うんです。本当にここ数年で一気に台頭してきたような感覚があります。

Lewis:そのために、いろいろな努力はしてきましたね。それこそTGSへの出展だってそうですし。ストリーマーの皆様をサポートできるツールの開発だったり、コミュニティとストリーマーをつないだり……視聴者と配信者、それぞれが相互作用できる“エコシステム”の一員であるということを感じてもらえるよう、様々なことをやってきました。

Mary:Twitch自体、すごく視聴者の関心が高いコンテンツが多いと思います。なのでそういった方々の熱意に応えられるよう、視聴者とストリーマー間をつなげられるようなツールをたくさん提供してきました。アンケート機能やクリップをシェアする機能が代表的でしょうか。

先ほどお伝えしたように今年のTGSでの展示やミートアップなど、オフラインでの取り組みもたくさん行ってきました。

Lewis:Twitchは“ハブ”なんです。例えば“ストグラ”やLazさんのDiscordサーバーなどのイベントがあったときに、コミュニティの皆さんが集まるための場所になれていると思います。

――なるほど、ハブ。繋がる中核の場所としてTwitchがあると。

Lewis:そうですね。点と点をつなげるような……例えば「ストグラ」など、多数のストリーマーが参加できるようなコンテンツがあったとき「ストリーマー同士直接の面識はないが、Twitchの社員はそれぞれのことを良く知っている」といった状況では、双方をつなげるように動くこともあります。

Mary:「ストグラ」のような『GTAV』を使ったロールプレイサーバーは、どのプラットフォームでも爆発的にヒットする可能性がありました。そんな中、Twitchで大きく跳ねた理由としては、ひとえにストリーマー同士がお互いを認識しやすいような環境があったからだと思います。誰でもコラボしようと思えばできるような、「ストグラ」というコンテンツと噛み合ったのでしょうね。

――ちなみに『GTAV』は、“ストグラ”の影響でどれぐらい視聴時間が伸びたりしたのでしょう。

Mary:日本の『GTAV』に限って、という話になりますと、しっかり調べてみないとわかりませんが……昨年の『GTAV』は、日本で最も視聴されたゲームのトップ3に入ります。そのほか、日本におけるTwitchの総視聴時間は前年比17%増。『GTAV』自体の視聴時間は昨年で全世界累計14億時間で、『リーグ・オブ・レジェンド』を抑えて最も視聴されたコンテンツにもなっていますね。

具体的なデータはこの場で出せないものの、『GTA』というコンテンツのありかたそのものを大きく変えたと思っています。つぎの『GTA6』はもっと大きな動きになるのではないでしょうか。

◆「LTK」はeスポーツシーンにふたたび火をつける存在になるか?

――ストリーマーシーンについてはいろいろとお話を伺いましたが、近年のeスポーツ市場についてはどう見ているでしょう。

Lewis:『VALORANT』を中心に、意識が少し変わってきているのかなと思います。ウォッチパーティーなんかが代表的な例ですが、ストリーマーの方たちとコラボレーションをすることが増えましたよね。実際にこれから成長していくにあたっても、そういった協力は不可欠になってくるんじゃないかと。

――最近日本では「League The k4sen(LTK)」などの、“配信者が競技シーンのような長期のリーグ戦をやる”といったイベントが行われています。こういったイベントがeスポーツシーン自体の発展に結びつくような可能性はどれぐらいあるでしょう。

Mary:そうですね……このイベントが直接結び付くかどうかというのは、一言ではお答えできないかなと。eスポーツシーン自体が草の根的に広がっていったものですし、人を中心に大きくなっていくというのは一貫していくかなと思います。

Lewis:eスポーツの定義自体も曖昧ですからね。友人同士でやる草野球も“野球”であることに変わりないように、“どこからがeスポーツなのか”はとても難しい話になると思います。

いずれにせよ、大きなムーブメントになるには、それが大好きなコミュニティがあって、そういうところで新たなインスピレーションが生まれて行かなくてはいけない。それが生まれるための“種”が別の角度から入ってくるようなことが必要ですね。

Mary:そういった観戦体験の一助になるよう、私たちも“Stream Together”や“統合チャット”機能などをリリースしています。誰かと一緒に話して、同じチームを応援したりするようなことができますので、こういった取り組みからムーブメントが生まれる可能性もあるんじゃないかなと。

◆海外に日本のストリーマーを招待したい

――最近は“kick”など新たな配信サービスも勢いを増してきています。そうした競合の成長は、おふたりにとってどう映っているのでしょう。

Mary:まず、Twtichは、日本においても、世界においても“No.1”のストリーミングサービスです。長くずっとストリーマーさんたちの成長を支えて、つぎの大きなものをいっしょに見つけるようなことをやってきました。

そのうえで、我々にとっての競合がどういうものかと言いますと……余暇に見るものすべてがそうなんですね。Netflixやテレビも、視聴者の方が貴重な時間を削って見ているものなので、そういったものも私たちの競合であると。かなり広めに見ていますね。

――なるほど、No.1らしい大局的な視点ですね。では今後、そんなTwitchが日本のファンに向けてどういったイベントを展開していくのかなどをお聞きできれば。2027年にはTwitch Japanオフィスも10周年を迎えますし、そこにむけてのイベントも予定されていたりするんでしょうか。

Lewis:今後は日本に海外のイベントを持ってくるのではなく、日本のストリーマーを海外で行っているイベントに連れていくようなことをやりたいですね。もっとグローバルに、日本の市場を広げていきたいです。

2027年というのも、日本法人設立から10周年ではあるんですが……“10周年だから”というわけではなく、いままでと同じように様々なサポートを続けていきたいと思います。

Mary:10周年という1回限りのイベントよりも、どちらかというとずっとやっていけること、そしてとても価値があることをやっていきたいと思っています。それこそ、ミートアップなんかがいい例ですね。このまま規模を広げていきつつ、ずっと続けられるような取り組みとしてやっていければと。

ミートアップは、いわゆるTwitch公認のオフ会です。なので、誰でも自分で作るということができるというのがすばらしいところなんですよ。同じ“ゲームが好き”という同志を見つけるというのはとてもすごくいい、嬉しい体験だと思いますので、そういう体験をもっと提供できるよう、サービスを続けていきたいと思います。

――ありがとうございました!


今日も、感謝します。
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《オクドス熊田》

オクドス熊田

1998年生まれ。川に潜って魚を捕ったりゲームしたりテキストサイトを読んだりしていたらいつのまにかフリーライターになっていた。現在は紙面、web問わずいろいろと活動中。好きなレーンはTOPレーン。ソウルチャンピオンはタム・ケンチ。

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