任天堂が入力パーツの交換が可能なハードウェアの特許を申請したというニュースはご覧いただいたでしょうか。「この話、なにか覚えがあるような……」と思った方はかなりの通。実は3DS公式ホームページの社長が訊く『ニンテンドー3DS』 本体コンセプト篇で、その実機写真が公開されていたのです。早々にタネ明かしをしますと、これは開発当時の試作機の写真。社内でスライドパッドと十字キーの配置を検討するために取り外しできる仕様になっていたそうです。でも、特許を申請したくらいなら商品化も検討しているのかも……?
次に期待されるのは、ニンテンドーネットワークID(NNID)によるアカウント単位でのプレイヤー管理です。NNIDは昨年12月から3DSにも対応を開始し、Wii Uと3DS間でニンテンドーeショップの残高共有ができるようになったり、3DSからでも任天堂が運営するSNS「Miiverse」の利用ができるようになりました。とはいえ、3DSは本体リリース後間が空いてからの導入ということもあり、紛失してしまった際のダウンロード購入したゲームの再ダウンロードなどはできません。ですが、次の世代は当初からNNIDが導入されている初の携帯ゲーム機。より行き届いたサービスや仕組みの実装が期待されます。
任天堂が中長期的展望として掲げているプラットフォームの統合にもご注目。統合という表現を見て「据え置きゲーム機と携帯ゲーム機が1つになる」と想像してしまうかもしれませんが、岩田聡社長によるとフォームファクターや性能が異なっても、ソフトをつくるための作法が揃い、ソフト資産を相互に転用したり、OSや内蔵ソフトの移植性を高めたりすることを目的とするとのこと。ゲーム機間での移植が容易になれば、発売直後のソフト不足の解消につながったり、むしろプラットフォームを増やしやすくなる側面があるというのです。アップルのスマートデバイスに「iOS」が搭載されているように、「ニンテンドーOS」と消費者向けに名称が付いたOSがお目見えする日も遠くないのかもしれません。
発表されている事実に基づいてあれこれと推察してみましたが、こちらが想像できないような遊びや仕掛けてくるのが任天堂。岩田社長自身が言っていることでもありますが、DSのようなデュアルスクリーンの携帯ゲーム機や、慣れ親しんだコントローラーから操作を一新したWiiのような方向性をあらかじめ想像できた人はほとんどいないでしょう。堅実な面を備えつつも、まったく新しい方向性を提示してくれるハードウェアの登場に期待してしまいますね。
(C) Nintendo
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