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なぜNTTe-Sportsは大学対抗eスポーツ大会に協賛したのか 「VALORANT CAMPUS SUMMIT 2024」大会レポート&インタビュー

全員が学生で構成されたeスポーツコミュニティ「esports campus summit(ecs)」による『VALORANT』の大学対抗の大会「VALORANT CAMPUS SUMMIT 2024」が開催されました。

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なぜNTTe-Sportsは大学対抗eスポーツ大会に協賛したのか 「VALORANT CAMPUS SUMMIT 2024」大会レポート&インタビュー
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全員が学生で構成されたeスポーツコミュニティ「esports campus summit(ecs)」による『VALORANT』の大学対抗の大会「VALORANT CAMPUS SUMMIT 2024」が開催されました。

今回は3月19日に高田馬場で実施された、決勝戦&表彰式を現地取材。ecsの代表および、大会に協賛した株式会社NTTe-Sports担当者にインタビューしました。

「VALORANT CAMPUS SUMMIT 2024」について

「VALORANT CAMPUS SUMMIT 2024」は、全国の大学生を対象とした、eスポーツサークルの頂点を決める『VALORANT』大学対抗戦です。

学生主体の団体「esports campus summit(ecs)」が主催する本大会は、昨年の初開催に続く第2回であり、今年は株式会社NTTe-Sportsが特別協賛しています。

オンライン予選は2月23日と24日に実施され、予選を勝ち進んだ4大学が3月18日と19日に高田馬場のASH WINDER Esports ARENAで行われたプレーオフに出場しました。

プレーオフ出場校は「Meiji esports Club(明治大学)」「早稲田esportsサークル(早稲田大学)」「OECU esports project A(大阪電気通信大学)」「tΣch(東京科学大学)」の4校。「Meiji esports Club」は前回の優勝チームです。

試合ダイジェスト:3月18日~19日

UPPER FINAL:Meiji esports Club(明治大学)VS 早稲田esportsサークル(早稲田大学)

tarkun選手とようすけちゃぁん選手による一騎打ちではtarkun選手が勝利

1マップ目のスプリットでは、早稲田esportsサークル(WEC)がMeiji esports Club(MeC)を13-9で下し、先制ポイントを獲得しました。

続く2マップ目のロータスでもWECが13-9で勝利。見事2-0でWECが前回王者のMeCを退け、GRAND FINALに駒を進めました。

LOWER SEMI FINAL:tΣch(東京科学大学) VS OECU esports project A(大阪電気通信大学)

stablebean選手がalune選手を撃ち取り勝利

1マップ目のフラクチャーでは、OECU esports project A(OEP)がtΣchを13-10で抑え込み、先制ポイントを獲得しました。

続く2マップ目のアセントではtΣchが反撃し、13-5という大差で勝利。最終決戦となった3マップ目のヘイヴンでもtΣchが13-10で勝ち切り、2-1の逆転勝利を収めました。この勝利によりtΣchはLOWER FINAL進出の切符を手にしました。

LOWER FINAL:tΣch(東京科学大学) VS Meiji esports Club(明治大学)

GianOtter選手が2人取り切るも、横で待ち構えていたぱとらっしゅ選手に撃たれる

1マップ目のパールでは、MeCがtΣchを13-10で競り勝ち、先制ポイントを獲得しました。続く2マップ目のスプリットでもMeCが13-8で勝利。

見事2-0のストレート勝ちを収め、GRAND FINALに進出。UPPER FINALで敗れたMeCが見事に復活し、決勝の舞台に駒を進めることに成功しました。

GRAND FINAL&表彰式

早稲田esportsサークル(早稲田大学)

ここからは、決勝戦の様子をお届けします。

LOWER FINALを勝ち上がったMeiji esports Club(明治大学)と、UPPER FINALで勝利して進出した早稲田esportsサークル(早稲田大学)による決勝戦。

Meiji esports Club(明治大学)

両校が激突するのは、今大会では2度目。

前日に行われたUPPER FINALで早稲田esportsサークル(早稲田大学)が勝利しており、Meiji esports Club(明治大学)にとってはリベンジマッチです。

1試合目(序盤):驚愕のACE!taimai選手の圧倒的スキル

1マップ目のヘイヴンでは、早稲田esportsサークル(WeC)が13-10で勝利を収めました。その中でも印象的だったのは、WeCのtaimai選手が見せた鮮やかなACE(※1)です。

※1 同一の選手が1ラウンドで5キルすること

ロックダウン(キルジョイのスキル)の発動によって一度サイトを明け渡さざるを得ない状況に追い込まれたものの、taimai選手の素早いリアクションと正確なエイムが光りました。一瞬の隙も逃さない集中力で敵を倒し、見事なACEを達成しました。

1試合目(中盤):Meiji esports Clubの底力でPERFECTラウンドを獲得

ただ、Meiji esports Club(MeC)も負けてはいません。見事なチームワークを発揮し、PERFECTラウンド(※2)を獲得する場面がありました。

※2 自チームが1人も倒されずにラウンドを制すること

MeCの稟選手がハンターズフューリー(ソーヴァのスキル)で果敢に攻め、壁越しで敵1人を倒して別の敵の体力も削る活躍を見せました。続いてmira選手も1人を撃破し、5対3の有利な状況を作り出します。

さらにようすけちゃぁん選手が連続で2人を倒し、最後はmira選手がナイフキルで華麗にフィニッシュ。ほとんどダメージを受けることなく完璧な勝利を収めた瞬間でした。

1試合目(終盤):武器差がある中でカバーを取らせなかった早稲田esportsサークル

クレジットが厳しい状況に立たされたWECですが、冷静な判断により勝利を掴みます。

まずMeCはCサイトに攻め入りますが、撃ち合いとなったため、攻めをやり直すことに。次にA進行を試みますが、WEC側がフロム・ザ・シャドウズ(オーメンのスキル)を使用して圧力をかけたことで、MeCのA進行を阻止しました。

3対3の互角の状況で、MeCは再びCサイトへの侵攻を開始します。しかし、MeCの稟選手がキルを取られ、mira選手のカバーも間に合わず、一気にWECの流れとなりました。武器的不利を感じさせないWECのプレーが光った場面でした。

2試合目(序盤):taimai&tarkun選手の息の合ったコンビネーション

ダークカヴァー(オーメンのスキル)によるスモークが焚かれていたことで、両チームともになかなか進行できず、にらみ合いの状況が続いていました。しかし、そのスモークが消えた後のtaimai選手の素早い反応が勝利への流れを作ります。

スモークが晴れた一瞬で、taimai選手の優れたフリックショット(※3)により、一気に2キルを取ります。それに続いてtarkun選手が3キルを決めるという息の合ったコンビネーションで勝利を掴みました。

※3 フリックとは、「敵が見えた瞬間にその敵に対して素早くエイムを合わせて撃つ」技術

2試合目(終盤):決勝を締めくくる緊迫のマッチポイント

スコア6-12のマッチポイントを迎えた緊張感漂うラウンド。WECが1ラウンド取れば優勝が決まるという重要な局面でした。

WECのSerenado選手がファーストブラッドを獲得し、続いてtaimai選手もキルに成功します。さらに、Serenado選手とt4ct選手がそれぞれ1キルを取り、MeCは選手が残り1人という盤面まで追い込まれます。

劣勢の中でも残ったぱとらっしゅ選手は2キルを取る活躍を見せましたが、tarkun選手に撃破され、WECが勝利しました。

表彰式:優勝は早稲田esportsサークル

1マップ目は13-10、2マップ目は13-6でWECが優勝しました。

「これまでMeCになかなか勝てない状況が続いていました。去年の本大会ではオフラインにすら進出できなかったのですが、今年は日本一になれて本当に嬉しいです」と優勝の喜びを語るリーダーのtaimai選手。

続けて「今大会はチームとして冷静なプレーを心がけてきた」と話し、その戦略が実を結び、見事優勝を勝ち取りました。

NTTe-Sports 金様、学生代表者へのインタビュー

コミュニティの学生代表および、協賛したNTTe-Sports担当者にインタビューしました。

NTTe-Sports 金様

──「VALORANT CAMPUS SUMMIT」に協賛をおこなうことになった背景を教えてください。

NTTe-Sportsは、eスポーツを競技として発展させるために必要な「文化普及」と「競技力向上」について取り組んでいかなければならないと強く感じています。これはメンバー個人としての想いと企業としての成長戦略の両面から重要だと考えています。

2年前から、NASEF JAPAN(全日本高校eスポーツ選手権)に特別協賛し、高校生のeスポーツキャリア形成の場づくりに取り組んできました。

そこでeスポーツ全体を見回してみたところ、eスポーツの課題として、高校でeスポーツの部活に所属していた学生が大学に進学した後、活動の場が限られている点がありました。大学ではeスポーツのサークル活動はあるものの部活動がなく、継続的な活動が難しいのが現状です。

当初は自社で大会開催を検討していましたが、esports campus summit(ECS)の代表者の記事を見つけたことがきっかけで連絡を取りました。高額な賞金ではなく、選手が努力の成果を発揮できる場や、定期的な競技機会の提供という点で目指す方向が一致し、協賛が実現しました。

──GRAND FINALを終えて、現在の率直な感想も頂きたいです。

選手たちの姿からは日々の練習の積み重ねが伝わってきました。駅伝や甲子園のように、選手の努力を応援し一緒に楽しめる可能性がeスポーツにもあると実感しました。この取り組みはさらに認知されるべきだと感じています。

認知拡大のためには、関係者や企業の参加を増やすことが重要です。競技シーンの広がりによって、なぜeスポーツを応援すべきかが理解されていくでしょう。

私個人の見解ですが、eスポーツは時代にふさわしい選択肢です。ダイバーシティの観点から、運動や発声が苦手な子どもたちにもキャプテンシーやリーダーシップ、チームワーク、コミュニケーションを学べる場としての価値があります。

ただし、高額な賞金やゲーミングPC提供といった華美な報酬に傾きすぎないよう注意も必要です。一回そのような道に入ってしまうと、競技運営自体がどんどん消費されてしまいます。そのため、他のスポーツと比較しながら、選手が本当に求めているものを見極めることが大切です。

──協賛を通じてイベント運営のハード面およびソフト面等の支援をおこなうとのことですが、具体的に今回はどのような点でサポートをおこなったのでしょうか?

今回の運転資金は私たちが提供しましたが、ハード面では実際のサポートはほとんどありませんでした。会場設営や配信設備などは、ECSが自主的に行っており、想定していた機材提供や技術的なアドバイスも不要でした。

特に驚いたのは、ゲーム内カメラのオブザーバーなど、通常は費用が発生する作業も学生が成長の機会として楽しみながら担当していたことです。企業がうまくサポートすればさらに発展する可能性を感じました。

そのため、今回主に貢献したのはソフト面でした。本大会の成功も重要ですが、今後も大会を発展させることが重要であるため、大学eスポーツのキャリア形成を長期的に見据え、将来の発展に必要なデータ収集や調査を主導しました。

──「esports campus sammit」へ協賛してよかった、と感じたポイントを教えてください。

大学eスポーツの潜在力を知れたことは、協賛してよかったと感じた大きなポイントです。大会当日だけでなく、準備期間を通じた学生たちとの関わりから、学生たちの考え方や能力を知ることができました。大学eスポーツの将来を左右する出来事だったんじゃないかという手応えもあります。

話し合いの中で興味深かったのは、企業側の認識と学生の実際のニーズにギャップがあることです。多くの企業主催のeスポーツ大会では、賞金や商品といった外部的な報酬でモチベーションを高めようとしています。しかし、大学生に実際の希望を聞いてみると、彼らが求めているものは別にあるようでした。

動機づけには外発的なものと内発的なものがありますが、賞金などは明らかに外発的なものです。スポーツを長く続ける人々は内発的動機づけによって支えられており、学生たちも同様のものを求めていると気づきました。

そのため、内発的な動機づけが生まれる環境を整える必要があります。具体的には、大会のタイトルや実施タイミング、頻度などの調整が考えられます。

今回も学びが多かったですが、eスポーツ業界ではまだまだ学ぶべきことが多いと思います。

「esports campus summit」学生代表

──「esports campus sammit」を設立した背景、組織体制(人数など)、具体的にどういった活動をしているか教えてください。

「esports campus summit」は「eスポーツ早慶戦」という団体が前身となっています。当初は早稲田と慶應だけの対抗戦でしたが、前任の代表が他の大学も巻き込んでより大きな大会を開催したいという思いから「esports campus summit」を結成しました。

組織体制については、加入している大学の中で大会運営に興味のある学生や、各サークルの代表などがメインメンバーとして活動しています。日常的な活動としては、サークル同士の課題について話し合い、またこのような大会を定期的に企画・開催しています。

設立からは2年目になります。スタッフは有志で集まっており、前回の大会には参加していなかったものの、今回から新たに加わってくれたメンバーもいます。約20校が参加しており、そのうち8~9校が本大会の運営に関わってくれました。

──GRAND FINALを迎えて、現在の率直な感想を頂きたいです。

嬉しいの一言に尽きます。実は、今年の大会は開催しない方向で進んでいました。去年も大会を開催しましたが、私たちが目指していたのは東京六大学野球や箱根駅伝のような伝統ある大会で、去年の大会はその理想には届かなかったと感じていたからです。

去年の10~11月頃に「やりたい」という声を他のメンバーと一緒に上げ、開催に向けて動き出しました。そこから他の大学にも声をかけ、運営メンバーを募集しました。資金面の話を進める中で、NTTe-Sportsさんとのつながりができ、そのおかげで大会開催を実現できました。

──「esports campus sammit」の今後の展開を教えてください。

僕個人としては、大学生のeスポーツ大会の規模をもっと拡大し、より多くの大学サークルに参加いただきたいと考えています。現在も多くの大学に参加いただいていますが、まだ参加していない大学も少なくありません。大会の規模を大きくして、参加校を増やし、観客も増やしていきたいです。

そのためにも、できるだけ早い段階で大会を計画し、告知する必要があります。eスポーツの大会は開催ギリギリになって学生に告知されることが多いので、4~5月頃には大会の開催時期を決めて準備を進めていきたいです。

「VALORANT CAMPUS SUMMIT」は名誉を目標に頑張ってほしいという趣旨で開催しており、特に優勝賞金は設けていません。他の企業が主催する大会には賞金がついているため、たとえ早い段階で開催時期を告知しても「賞金のある大会に参加者が流れてしまうのでは」と不安はあります。ただ、選手たちの考えは完全に把握できていませんが、今年も多くの大学が出場してくれたことから、来年も多くの大学が参加してくれることを信じています。

《Ogawa Shota》
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