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なぜ?リメイク発表で『ToHeart』が話題になる理由とは─現世代が知らない“四半世紀越えの名作”が与えた影響

四半世紀も前の作品が、令和を迎えた今、なぜトレンド入りするほど盛り上がったのか。名作が及ぼした影響などを振り返ります。

ゲーム 特集
なぜ?リメイク発表で『ToHeart』が話題になる理由とは─現世代が知らない“四半世紀越えの名作”が与えた影響
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■青春、学園、恋愛を丁寧に描き、ユーザーの心を揺さぶった『ToHeart』

『ToHeart』は開発規模も広がり、より多くのスタッフが関わりましたが、これまでと同じく高橋氏と水無月氏が中心となり、鮮やかな青春物語を作り上げました。

各ルートの素晴らしさを解説すると膨大になってしまいますが、魅力的なヒロインと学園モノに相応しい瑞々しい展開は、実生活では既に学校を卒業したユーザーたちの心を瞬時に掴み、クリアまで捉えて離しません。(※PC版は成人向けのため、この時のユーザーは18歳以上)

本作が紡いだ物語面の素晴らしさは、学生時代の男女の機微や学生生活を丁寧に描き、眩しくも地に足の着いた描写で描いた点にあります。奇をてらわず、正面から青春を描き切った筆致と展開に、共感を覚えたユーザーたちが心を震わせます。

『ToHeart』が後に影響を与えた分かりやすい一例が、ヒロインのひとり「マルチ」の存在です。正確な本名は、「HMX-12マルチ」。彼女は人間ではなく、一般家庭の生活をサポートするメイドロボの試作機でした。人と交流を図る実証実験のため、主人公のいる学校へとやってきます。

主人に奉仕する「メイド」や、作られた存在である「ロボット」は、創作上でも長く人気を持つモチーフです。ただし、そのふたつを組み合わせる「メイドロボ」というキャラクターは当時珍しく、椎名高志氏による漫画「電化製品に乾杯!」に登場した「ミソッカス90F」などがいましたが、近しい存在はまだまだ少なく希少でした。

そんな時代に登場した「マルチ」はドジでミスも多く、完璧なメイドロボとはかけ離れたキャラでした。しかし、一途で健気な振る舞いや、常に誰かを思いやる姿勢は、見る者にとって人間以上の優しさや温かみを感じさせ、エンディングではユーザーたちの涙腺を大いに刺激します。

この「マルチ」の人気は凄まじく、ゲーム雑誌やアニメ雑誌(後にアニメ化されたため)の人気キャラランキングでは、首位や上位を飾ることもしばしば。作品の枠を超えて圧倒的な支持を得た「マルチ」は、サブカルチャー史に名を刻むほどの存在として広まりました。



《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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