なにもかも投げ出して、気ままに旅をして生活したい……。行く場所でいろんな人に物を売ったりしながら人生を過ごしたい……。数多くの人間が企業に（正規であれ非正規であれ）所属し、仕事で時間を縛られ、体力を削り取られながら毎日を過ごしています。そんな真綿で首を絞めるような日々から脱出しようと自由を求める夢として、ノマドとして働くとか、会社を辞めて飲食店を起業するとか、YouTuberもしくはVTuberになって過ごしたいとかいろいろあるのでしょう。
だが実際に自由を求め、いきなり会社を辞めて独立するといってもいばらの道だというのもよく言われる話です。たいていの飲食店でもYouTuberでも何でも即死ルートが待ち受けており、自由を求めた死屍累々が見えないかたちで横たわっています。地獄から抜けようとすると別の地獄がある。
じゃあせめて……せめて夢だけでも見させてくれよ。夢を見るにはビデオゲームが一番だ！ もう疲れた人々のなかで仕事したくないよ！ かわいいキャラと夢の生活を送りたいよ。そんな夢の独立生活にうってつけのゲームがあります。それがフードトラックを運転し、各地で料理を提供して生活する『Fruitbus』なのです。ビデオゲーム夢の祭典たる東京ゲームショウ2023のノルウェーブースにてそんな夢を体験できたので、ちょっくらそんな夢がどんなものか紹介しましょう。
料理を売ってゆっくり生活していきたい
試遊ではまず船でフードトラックとともに移動しているシーンから始まります。プレイヤーはいよいよ独立し、料理人として旅立とうってところなわけですね。船内ではサラダを欲しがる人たちがおり、まずは彼らに料理を作ってあげ、販売していくことからゲームが始まります。船のシーンはいわばチュートリアルみたいなもので、簡単な操作方法を覚えていく作りでした。
本作は一人称視点で両手を操作しながら素材を拾ったり、フードトラック内のキッチンで料理をしたりするゲームデザインとなっております。この両手の操作によって、リンゴやバナナを使ったフルーツのサラダを作ったりする実感が生まれているんですね。
作った料理はフードトラックのカウンターから人々に売ることができます。料理が期待通りなら、その場で食べつくしてメロメロになる反応が見れて楽しいんですね。いや、料理をもらっていきなり全部食うというのはヤベー客だなとと思うんですが、まあゲームなので……。夢なので……。
さあ新天地へトラックを運転し、まだ見ぬお客さんたちに料理を
ひととおり船で素材集めや料理の方法を覚えたら、いよいよ新天地にてトラックを走らせ、自由な料理人としての生活がスタートします。街には色々なかわいいキャラがいろんな料理を求めており、彼らが食べたい料理を作るために素材集めに奔走したりしていきます。
わりと忙しそうなところもあるゲームでしたが、なにより大事なのはゲームプレイから感じられるスローな生活感でしょう。穏やかな場所で、ほのぼのした人たちに向けてゆっくり料理を作って暮らしてゆく。その雰囲気にTGS会場にあってわずかな安らぎを得ることができました。そんな夢の料理と旅の生活ができそうな『Fruitbus』は、2024年のリリース予定です。
