英国の高等裁判所はマジコンの輸入・販売・広告が違法であるとの判決を下しました。マジコンは不正コピーしたゲームを起動させるほか、自作ソフトを動かすという用途がありますが、任天堂がニンテンドーDSに施したセキュリティを回避することに問題があるとの判断となっています。
米国著作権庁はDMCA(デジタルミレニアム著作権法)の見直しを発表。合法的に入手した非公認アプリを動かすために携帯電話のセキュリティを回避する、通称「脱獄(jailbreaking)」が同法の適用外に。
また、教育などの目的でDVDの暗号化を解除することや携帯電話を別のキャリアに接続するための改変、セキュリティを調査するためにゲームに施されたDRM(デジタル著作権管理)を解除すること、電子ブックについた読み上げ防止を無効化することなどが合法とされています。
米国は正規に入手したアプリを動かすためならセキュリティ回避は合法、英国はセキュリティ回避自体に問題ありと判断しています。
これは対照的な判断ではありません。両国が同じマジコン問題を論じている訳ではないからです。米国の判断は利用者の利便性を追求、個々のケースに対して柔軟な対応が行われています。
ゲームのDRM解除は「セキュリティ調査目的であり、それによって得られる情報が著作権侵害を容易にするものではないのなら」という条件付きですし、電子ブックの読み上げ防止の無効化は視覚障害者団体からの要望だったといいます。
決して無制限の自由を許しているわけではありませんし、マジコンに関しては一言も触れられていません。対して英国のマジコン違法化は不正コピー被害に関する裁判の結果ですから、判断に差が出るのは当然なのかも知れません。
学校では夏休みがスタートし、子供たちが街へ出ていきます。今も日本の電気街ではマジコンが売られており、これに触れる機会も増えることが予想されます。いくら裁判で違法化したとはいえ、こっそりと売られるものはなかなか根絶できません。
ですので、夏休みや冬休みにターゲットを絞り、電気街などで児童にマジコンの違法性を肉声で訴えていくような試みが有効なのではないでしょうか。
これは学校やPTAが行う非行防止の取り組みに近いところがあります。
非行防止の取り組みは親や父兄が繁華街などに分け入るという形でも行われます。
「あなたたちを見ていますよ」という姿勢を示す、その距離感の近さが重要なのです。マジコン問題でもこれは同様でしょう。「禁止されていても、自分だけはどうせ見つからないだろう」と思っている所に、親世代からの肉声が届く。100%ではないにしろ、マジコン購入を躊躇させる効果はあるのではないでしょうか。マジコン問題に関しては、うるさいくらいで丁度良いのかも知れません。
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