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―――大久保さんはこれまでどんなゲームに携わられてきたのでしょうか?
大久保です。よろしくおねがいします。私は『ソウルエッジ』の頃からソウルキャリバーシリーズには一通り関わってきていて、あとは鉄拳シリーズの『3』などに関わってきました。元々レベルデザインをやってきましたので弊社の様々な製品、主に業務用の製品に関わってきました。今回の作品はプロデューサーとして担当しています。
―――なるほど。今回アクションゲームとして生まれ変わったのにはどんな理由があるのでしょうか?
実は元々「ソウルキャリバー」というフランチャイズでアクションゲームを遊んでみたいというユーザーの皆様からの要望は第一作目の頃からありました。プロジェクトとしても、「ソウルキャリバー」の可能性を広げていきたいというのは常にあって、格闘ゲームに留まらず、アクションゲームにも手を出したいと考えていました。開発メンバーの都合もあってなかなか踏み出せずにいたんですが、ちょうど『3』が終わった後に、アクションゲームを研究出来る機会がありまして、ハードを限定せずに研究を始めました。
そこでWiiも時期を同じくして登場してきて、Wiiリモコンを振る事で誰もが直感的な操作を楽しむことが出来る、そういった部分と、「ソウルキャリバー」で難しいコマンドを覚えずとも、剣に見立てたWiiリモコンを振ることで誰にでも直感的に楽しめるアクションゲームを制作していけるのではないかというところが上手く合致して、GO!と踏み出したわけです。
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―――アクションゲームになりましたが、ここは譲れないソウルとしての魂という拘りはあったのですか?
「ソウルキャリバー」は特に北米欧州では人気が高くて、沢山の人に遊んでもらっているシリーズです。中でもアクション部分に非常に力を入れていますので、誰もが気持ちよく、かっこいいアクションを楽しめるというのは、ジャンルが格闘であれアクションであれ絶対に死守すべき点であると思いますね。
また、元々心がけている点としては、プレイヤーが業務用ならジョイスティック、家庭用ならコントローラーで、単にボタンを押しているだけでも、気持ちいい!楽しい!、と思える操作性という面にとても気を使っています。今回Wiiで出すに当たっても、Wiiリモコンを上手く使って、気持ちよく操作が出来る、そういうことがちゃんとできるのか、Wiiリモコンを振って楽しく思えるものができるのか、という技術研究を進めて、これなら大丈夫、という確信を得てから、実際の開発の作業に入っていきました。
―――期間としてはどのくらいだったのでしょうか?
『ソウルキャリバーIII ARCADE EDITION』の頃から技術研究は始めていましたが、本制作期間としては1年から、もうすこしくらいの期間になります。
―――Wiiリモコンの手触りの部分ではかなり苦労があったと思いますが、いかがでしょうか?
苦労だらけでしたね。リモコンの振り方一つとっても人それぞれ全然違います。誰が振っても気持ちよく遊べるポイントを、ここ、と決めて、それを実現するために技術的な試行錯誤もありましたし、それで溜まったノウハウもあります。また、操作に関しては振る人に合わせてチューニングができるようになっていて、少し突きが出し難いなという場合には、突きが出しやすい設定にしたり、お子様など力の弱い方は軽い振りで大丈夫なように設定したりすることができますので、有効に使っていただければより気持ちよくプレイしていただけるのではないかと思います。
―――今回、ストーリーも力を入れられていますがどのような内容になるのでしょうか?
『ソウルエッジ』の物語が終ったあと、なぜジークフリートはナイトメアになってしまったのかということを描いたストーリーで、基本的には「ソウルキャリバー」シリーズの流れに乗った話です。アクションゲームを楽しんでいく中でちゃんと物語を楽しめるようになっていて、気持ちよく遊んでいけるかなと思っています。
―――物語を伝えるという意味ではムービーなんかも?
今回のTGSバージョンでもドラゴンとの戦いがプレイできるのですが、ドラゴンとの戦いに苦戦する中、アイヴィーが割って入るといったイベントシーンが挿入されます。ゲームを進めていく中で仲間との出会いであるとか、強力な武器を集めていくとか、そういった物語を体感していく中でプレイヤーの気持ちを盛り上げるような仕掛けをしています。
―――ステージでは2人のキャラクターを使いわけてプレイするようですが
ええ。好きなキャラクターを二人選んでプレイします。キャラクター毎に有利不利とか、持っている武器など様々な要因が絡んできますので、その場その場の状況に合わせて使い分けてプレイしていきます。キャラクターごとの必殺技を組み合わせてみたりすると面白いかもしれませんね。
―――2人プレイはどのようなものになるのでしょうか?
今回のゲームショウではエジプトのステージで、2人で協力してプレイしてボスを倒すというものを用意しています。今回のは一例で、お互いで協力していくタイプだけでなく、お互いでどちらが多くの敵を倒したかだとか、どちらが先にボスを倒したかなど競争的要素を持ったものもありますし、実際にお互いに戦って優劣をつける、というような遊びを「パーティモード」では遊ぶことができます。
今までの格闘ゲームとはちょっと雰囲気の違った楽しみ方ができると思います
―――ステージは専用のものが用意されるんでしょうか?
はい。一人用での「クエストモード」で遊ぶステージは一人で遊んだ際に一番楽しめるように作ってありますので、そこを二人で遊ぶとなると敵が弱過ぎたり、ステージの長さが短過ぎたりだとか、色々な要素が変わってきます。一人用と同じようなステージもありますが、基本的には二人用で遊んで一番楽しい形にチューニングしたものが入っています。
―――公式サイトで紹介されているキャラクター以外にも登場キャラはいるのでしょうか
それは乞うご期待ということで(笑)。
―――ゲームキューブでも開発されましたが、今回のWiiを比較するとどうでしたか? 非常に答え難い質問だとは思いますが…
一つ言うと、非常に作りやすかったというのはあります。作りやすかったというのは、ゲームの面白さの部分に注力して作ることができたということです。スペックに合わせての作り込みとかという部分に力を割くよりも、ゲームの本質的な部分に集中して作業ができました。そういう意味では非常に良いハードではないかなと思います。それぞれのハードにはそれぞれの良い点があるので、特性に合ったハードなりの使い方をしてあげれば、良い所が出していけるのかなあと思いますね。
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―――プロデューサーとしてゲームのここを見て欲しい、というおすすめポイントがあれば教えてください
「ソウルキャリバー」シリーズはずっとそうですが、プレイヤーがゲームを遊ぶ中でキャラクターになりきって遊ぶことができるという点です。誰もが難しい操作を覚えることなく、思ったとおりに攻撃を出して、ソウルキャリバーの世界の中に浸って遊ぶことができる、それが一番かなと思います。
リモコンの操作には非常に力を入れて作っているので、実際に触っていただければ、こんなにも気持ちよく振って遊ぶことが出来るんだ、というのを感じてもらえるかなと思います。
―――今後アクションのソウルキャリバーをシリーズ展開するような事は考えられていますか?
そういうことができたら面白いなあと思いますね。今のところ具体的な話はありませんが、今後の展開として機会があればやってみたいなあと思いますね。
(広報さん) まずはゲームが売れてからの話ですよね(笑)。
―――それでは最後に期待している読者さんに一言お願いします
ソウルキャリバーがアクションゲームへと踏み出しまして、実際にどこまでいけるのかという不安もありましたが、ここまで作ってきて、きちんと自信を持ってお贈りできるものになりましたので、実際に手にとって楽しんでいただければ幸いです。
―――ちなみにWiiで本編は……?
えっ、それは、それは秘密ですね(笑)。
(広報さん)『ソウルキャリバーIV』は大久保とは違うチームが作ってますので…。
分かんないですけどね(笑)。
―――(笑) どうもありがとうございました!