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【ゲームニュース一週間】各社業績発表にみる国内と海外ゲーム市場

今週は各社の業績にまつわるニュースが集まりました。

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今週は各社の業績にまつわるニュースが集まりました。

まずは国内を見ていきましょう。

任天堂の平成21年3月期第3四半期の売上高は1兆5363億円で、前年比16.7%増。海外でのWiiの売上が伸びるも為替差損が発生、経常利益は3524億円とされています。

コーエーの売上高は201億8100万円で第3四半期としては過去最高。株価下落により純利益は10億2700万円の純損失を計上するも、まずは好調といったところでしょう。

ハドソンの売上高は142億4700万円。『桃太郎電鉄 20周年』『DECA SPORTA』などが好調で前年度から約12億5900万円の増収となります。

カプコンの売上高は472億2300万円。純利益は前年度95.0%減で、大型タイトルが第4四半期に発売予定であることやアミューズメント施設の不振が原因とのこと。

日本一ソフトウェアの売上高は13億1800万円で、純損失は1億1000万円。ニンテンドーDSのタイトルは高評価だったものの売上が期待通りにはいかなかったことが理由とされています。

コナミの売上高は2340億1100万円で、前年比 5.1%増。純利益は17.2%増の178億2600万円。『METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS』『METAL GEAR ONLINE』に加え『WORLD SOCCER Winning Eleven 2009』や音楽ゲームが好調で、販売本数も前年同期の1781万本から2235万本に伸びています。


次に海外です。

EA(エレクトロニック・アーツ)の売上高は16億5000万ドル(約1468億円)で、6億4100万ドル(約570億円)の赤字。昨年の同期よりも更に損失が拡大しています。

THQの売上高は3億5730万ドル(約317億円)で、1億9180万ドル(約170億円)の損失となっています。

連日のマスコミ報道からすると、海外ゲーム市場ばかりが景気がいいように思えますが、実際は日本ばかりが苦しいわけではないようです。

特に海外ではリストラやスタジオの閉鎖、統廃合が相次いでいます。EAは2002年に購入したEA Black Boxを閉鎖。1100名の削減、12のスタジオを閉鎖、発売タイトルを30%絞り込むとしています。THQは1億2000万ドルのコスト削減を目指し、スタジオの閉鎖と600人の削減、タイトルの絞り込みとカジュアル路線の拡大などを行っていくとのこと。

ディズニー・インタラクティブ・スタジオはPropaganda Gamesから70名をレイオフ、Avalanche SoftwareとFall Line Studiosを統合。Factor 5はスタジオの半分に当たる37人をリストラ。Kuju EntertainmentもZoe Mode、Kuju America、Chemistryなどの人員を削減すると発表しています。

日本だから、海外だからと言うわけではなく、大艦巨砲主義やリソース配分の誤りが減益や損失として現れているといっても良さそうです。

今後は各社共に販売タイトルの絞り込みとカジュアル路線への注力を進めていくでしょう。EAは『Dead Space』などコアなIPをWiiへ移植。THQは子供向けブランドの利益拡大とカジュアル路線の強化などを行うとしています。今年はWiiのコア層向けゲームと子供向け、カジュアル路線に要注目といえそうです。

任天堂の岩田聡社長は第三四半期の決算説明会で、路線変更を行いたいと考えるソフトハウスが出てきていると前置きした上で「私どもとソフトメーカーさんの関係は、以前に比べて改善の方向にあると認識していますので、中期的な考え方として、私たちはソフトメーカーさんからより多くの魅力的なタイトルを供給いただけるようになるだろうと考えています」とコメント。日本の据置ゲーム機市場が「世界一元気がない」し、現在の売上に関して「何かが間違っている」とするも「現状に甘んじるべきだとはまったく思いませんし、もっと方法があるはずだと思います」と改善へ取り組んでいく考え方を明らかにしています。
《水口真》
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