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『RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』は、『真・女神転生』と『ペルソナ』とどう違うの? アトラスの異色作ながら、馴染み深い共通点も【プレイレポ】

PS2時代のアクションRPGが『RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』となって蘇る! その特徴や魅力をプレイレポートでお届けします。

ゲーム プレイレポート
『RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』は、『真・女神転生』と『ペルソナ』とどう違うの? アトラスの異色作ながら、馴染み深い共通点も【プレイレポ】
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『RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』のバトルは、テンポよく忙しめ

仲魔も存分に戦えるようにMAGの獲得に励みつつ、使い過ぎと感じた時には特技の使用をON/OFFで切り替え、敵が強力な範囲攻撃を繰り出す時には「隠し身」で一時的に退避させる。こうした判断を適時下しながら、ライドウ自身を操作して立ち向かうのが、『RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』におけるバトルとなります。

こちらは最大3人(ライドウ+仲魔2体)ですが、敵も群れを成すことが多く、しばしば乱戦になります。ライドウの動きはもたつきもなく軽快ですが、敵も素早く動くため、戦闘フィールドをあちこち移動することもしばしばあります。

そのため、バトルのテンポは結構速く、弱・強攻撃のコンボに的確な回避、仲魔への指示、発動条件を満たした「殺魔一閃」と「スピリット剣」の使用など、コントローラーを握る手はかなり忙しなく動きます。

難易度的に難しいというほどではないものの、手を抜いて勝てるほどヌルくないのも事実。その意味では、適度な遊び応えがあるバランスになっています。設定で難易度を下げることで忙しさは軽減されるので、自分の好みに合わせて調整するのもアリでしょう。

また1戦1戦は忙しないものの、レベルは比較的上げやすく、戦闘回数そのものはある程度抑えられます。特に、敵が待ち構えている「ザクロ」で得られる経験値は4倍、もらえるお金は8倍なので、育成や強化を大いに助けてくれます。

「ザクロ」はフィールドの各地に点在しており、クリアすると消えるものの、ゲーム内時間(月齢)が進行すると復活するので、何度でも挑戦できます。この「ザクロ」を活用すれば少ない戦闘回数で戦力を上げられるため、道中の敵はできるだけ避け、「ザクロ」やボス戦といった密度の濃い戦闘だけを楽しむのもアリでしょう。

独自色が強めながら、馴染み深いアトラスらしさも

大正時代を舞台に、事件の捜査に悪魔の手を借り、仲魔と一緒に戦いながら時には指示を下すアクションバトルに挑む『RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』は、『真・女神転生』および派生作の中でも、類似した作品がない異色作と言えます。

こうした独自のプレイ感を構築しつつも、物語の全体形態は『真・女神転生』のスタイルを踏襲しているため、仲魔と肩を並べて戦う共闘感や敵の弱点を突く要素など、他の作品のファンにとってお馴染みの要素もあり、遊べばすぐに馴染む親しみやすさがあります。

また、オリジナル版の『デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 超力兵団』のバトルは不評な部分もあったため、改善して好評を博したシリーズ2作目『デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 アバドン王』の戦闘システムをベースに、現代のプレイ感に合わせた改良が加えられています。

そのため、“『葛葉ライドウ 対 超力兵団』の物語を『葛葉ライドウ対 アバドン王』+αのバトルで楽しめる”という、オリジナル版の経験者にとっても初めての組み合わせを味わうことができます。

ただし、この令和に生まれ変わった『RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』をプレイして、気になる点が全くなかったとは言えません。例えば、捜査中に仲魔の特技を使いたい場合、その悪魔が実際に能力を行使する演出が入るため、テンポが少し悪くなります。

特に、仲魔を切り替えて特技を使うと再召喚の演出も入るため、若干ですが間延びする印象を受けます。とはいえ、仮に演出なしに結果だけ表示されたら、悪魔を使役するという実感がなくなり、本作らしい味わいが失われるのも確か。演出のテンポの折り合いは、塩梅が難しいところでしょう。

また、バトルは敵の弱点を突くことが重要なので、召喚済みの仲魔が適していなかった場合、その都度メニューを開いて再編成する手間が入ります。戦闘のテンポ自体はスピーディなのに、アクションバトルの開幕早々にメニュー画面と向き合う機会が多いのは少々残念です。

加えて、戦闘中は乱戦になりやすく、カメラアングルの都合で敵の多くが画面に収まらない場合もしばしばあります。その状態で仕掛けられる攻撃はどうしても避けにくく、ささやかながらストレスに感じます。

画面外からの攻撃は、事前に矢印の表示が出るため、対応自体は可能です。とはいえ、その予兆だけでは避けにくいため、一度態勢を立て直すこともしばしばありました。壁際に逃げた敵を追いかける時にこの状態になりやすいため、カメラアングルの自動補正や、敵の移動先に一定の調整を加えるなど、システム面でのフォローが欲しいところです。

とはいえ、こうした問題がありつつも、悪魔を使役する手応え、自分のテクニックと判断が戦局を左右するアクションバトル、オカルトと科学がせめぎ合う絶妙な舞台設定、その帝都を守るデビルサマナーの実感など、本作ならではの魅力が大きいのも間違いありません。

異色作ながらアトラスらしさも感じられる『RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』。改善点の多さで当時のファンも存分に楽しめますが、未経験のアトラスファンにも力強くお勧めしたい1作です。

※「葛」の字は異体字が正しい表記となります。



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《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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