■『真・女神転生』派生作には珍しい、悪魔を使役する“アクションRPG”

事件解決の進行は共通点がありつつも、悪魔を使役する捜査という独自性を持つ『RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』。その異なる点と言えば、悪魔たちと戦う戦闘システムが最たるものでしょう。
『真・女神転生』や『ペルソナ』のバトルは、基本的にターン制のRPGです。作品によってパーティメンバーの行動をAIに任せる場合もありますが、プレイヤーが主人公や悪魔の行動を決定し、攻撃や回復、防御などの命令を下すのが一般的です。
一方『RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』では、リアルタイムのアクションバトルが展開します。ライドウを直接動かし、移動・攻撃・防御・回避を駆使しながら、敵悪魔の討伐を目指します。

もちろん、アクションバトルでも悪魔の使役が可能です。本作では、最大2体の仲魔を同時に呼び出すことができ、彼らと一緒に敵悪魔に立ち向かいます。仲魔の動きは基本的にAIに担当させつつ、要所要所でプレイヤーが命令を下すような形です。
プレイヤーが主に操作するライドウのアクションは豊富で、2種類の通常攻撃、足止めに役立つ銃撃、特別な効果を備える「神剣特技」、強力な「殺魔一閃」、溜めたゲージを消費して発動する「スピリット剣」と、攻撃手段だけでも実に多彩です。

通常攻撃には、「ダメージは低いが、MAGを奪える」弱攻撃と、「ダメージは大きいが、MAGを奪えない」強攻撃があります。MAGとは、特技を使うために必要なリソースのこと。ファンタジー系RPGにおける「MP」に近いものと考えれば、想像しやすいかと思います。
MAGは仲魔とも共有するため、MAGがなければ仲魔も特技を使えません。強力な攻撃はもちろん、HPや状態異常の回復、バフにデバフなど、特技の恩恵は幅広く効果も大きいため、MAGの獲得・維持は非常に重要です。
プレイヤーの心理としては大ダメージを直接与えたくなりますが、MAGがなければ仲魔は十全に戦えません。ダメージをとるかMAGを獲得するか、状況に応じて的確に判断することが、デビルサマナーたる主人公の役目と言えるかもしれません。
■賢く立ち回り、仲魔を活かせ!

本作において、MAGを用いた攻撃手段は非常に重要な役目を持ちます。敵味方ともに、悪魔は弱点となる属性相性を持っており、弱点を突かれると「弱点硬直」状態に陥ります。
「弱点硬直」中に受ける攻撃は全て「会心」となり、受けるダメージは1.5倍に。また、敵が「弱点硬直」の時は、奪えるMAGも2倍になります。通常の攻撃だけでは倒しにくい悪魔も多いので、弱点を突く立ち回りが基本かつ最も重要な攻略法と言えるでしょう。

ライドウも「神剣特技」で弱点属性を突くことができますが、「神剣特技」発動後は一定のクールタイムがあり、連打はできません。弱点を突く攻撃が多いほどダメージを与えやすくなるため、ライドウだけでなく仲魔の特技にも頼ることになります。
また、手ごわい強敵は「弱点シールド」を貼っている場合があり、このままでは「弱点硬直」が発生しません。この「弱点シールド」の破壊にも、弱点属性の攻撃が有効です。
ターン制のコマンドバトルで戦う『真・女神転生』や『ペルソナ』と、リアルタイムのアクションバトルを繰り広げる『RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』は、まったく違うジャンルと言えます。

しかし、弱点を突いて戦闘を有利に運ぶ要素は、シリーズ後期の『真・女神転生』や『ペルソナ』にも取り入れられており、仲魔やペルソナにできるだけ多くの属性攻撃を覚えさせた方が攻略も楽になります。
全く違うゲーム性かと思えば、戦略の要は共通するなど、意外なところでもアトラスらしさを感じることができる作品です。