■開拓や物語進行、成長に恋愛まで、全てが快適過ぎる『龍の国 ルーンファクトリー』

作物の育成や収穫、特定の素材収集など、住人の助けを借りれば負担が大きく減りますが、物語を進めることはもちろん、クエストの達成や貴重な素材の収集などは主人公が果たすべき役目です。しかし、随所に用意された手厚いサポートが、重大な仕事を担うプレイヤーを助けてくれます。
まず、メインクエストやサブクエストを「追跡状態」にすると、オレンジ色の目的地マーカーが視覚化されます。この目印を辿れば、次にどこへ行けばいいのか迷うことはありません。

討伐クエストなど特定の目的地がない場合は、討伐対象がどこにいるか「魔物図鑑」で調べましょう。また、前述の通りフィールド探索も時間制限があるものの、各地にある「竜神像」と絆を結ぶことでファストトラベルが可能になり、移動時間を大幅に短縮可能。ダンジョンの中にある「竜神像」にも飛べるため、再戦可能なボスとの戦いも、面倒な道中抜きで挑めます。
「奥義」などの武器スキルやステータスアップ、また日常に役立つ数々のスキルなどは、カテゴリーごとに分かれている「スキルツリー」を介して獲得します。スキルの解放には一定のスキルポイントが必要ですが、専用のスキルポイントとは別に、「汎用スキルポイント」が用意されています。

専用のスキルポイントは、関連する行動を通して獲得することができ、特定のカテゴリーでのみ使えます。一方、「汎用スキルポイント」は文字通り汎用で、どのカテゴリーでも使用可能。日々の生活を送る中で獲得し、自由に使えます。
例えば、「両手剣」をまったく使っていなくとも、「汎用スキルポイント」でスキルを取得し、使いやすい状態にしてから遊ぶ……というスタイルも可能です。敵によって使いやすい武器が変わる場合もありますが、「汎用スキルポイント」を活用すれば「ステップ攻撃」や「奥義」などを始めから使えるため、プレイヤーに嬉しい機能のひとつです。


戦闘面での嬉しい話といえば、里の住人と交流して仲良くなることで一緒に冒険へ出かけられる点も見逃せません。複数の敵が相手だったり、強敵と戦う場合、仲間がいればその分狙われる機会が減るため、戦いやすさは格段に変わります。
また効率面だけでなく、好きなキャラと一緒にいられるのは誰にとっても喜ばしい話でしょう。主人公を含め最大4人でパーティを組めるため、賑やかな冒険を味わうことができます。


ちなみに、仲良くなる相手に性別の違いはありません。主人公は男女の選択ができますが、親密な仲になって結婚する相手に性別の障壁はなく、男性同士や女性同士でもなんら問題ありません。
しかも、別の世界へと渡る「世界渡ノ法」を行えば、現在の結婚相手などの状況を保存したまま、別の相手と結ばれる未来を味わうことも可能です。保存された世界は損なわれませんしいつでも戻れるため、何ひとつ失うことなく、分岐する世界をそれぞれ楽しめます。

小さなポイントから大きな特徴まで述べましたが、敢えてまとめるなら、『龍の国 ルーンファクトリー』は丁寧に積み上げられた包容力により、自由なプレイが楽しめるゲームだと強く感じました。
時間制限はあるものの、期限に制限はないため、急ぐのものんびりするのも自由。バトルはシンプルながらも必要十分なシステムが揃っており、好みの武器で戦う楽しさと、仲間と一緒にいられる嬉しさがあります。
軸となる農作業は「俯瞰モード」でやりやすく、住人に任せて負担も減らせます。複数の里やフィールドを行き来する機会が多いものの、ファストトラベルで行き来は自由自在。目的地マーカーのおかげで、行き先を見失うこともないでしょう。

「汎用スキルポイント」を使えば、注力したいカテゴリーのスキルを早く極められます。使いにくい状態の武器を使い続けるといった物足りない時間を、極力減らすことも可能です。そして交流に性別の垣根はなく、結ばれたい相手もひとりに絞る必要もありません。「世界渡ノ法」を駆使して、様々な未来を全てご堪能いただけます。
“日々の行動”という取捨選択を楽しみながら、長期的には何も捨てず、全てがプラスに転じていく『龍の国 ルーンファクトリー』。操作感も全般的に軽快で、プレイ時間と楽しいひとときがひたすら右肩上がりになったプレイ体験でした。

シリーズファンには世界観が目新しく、新規ユーザーには丁寧な作りがシリーズの入門用として最適な作品として、迷いなく薦められる一作です。
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