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バーチャルシンガー「花譜」とコラボした歌声合成ソフトが発売中止に…倫理観のない使い方や悪用を危惧か

統括プロデューサーのPIEDPIPER氏は、「表現の仕方がとても難しいのですが、素晴らしすぎて今回は発売することが出来ませんでした」と説明しています。

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歌声合成ソフトウェア「Synthesizer V AI」と、バーチャルシンガー「花譜」さんによるコラボ商品「音楽的同位体 可不(KAFU) collaboration with Synthesizer V AI / The Right Stuff ver.」の発売中止が発表されました。

◆花譜さんの歌声合成ソフトウェア、延期を経て発売中止に…

本商品は、音声の提供元であるバーチャルシンガー「花譜」さんにより近い歌声を再現できる音声合成ソフトウェアです。当初は2024年1月15日に発売予定でしたが、2023年12月下旬に時期未定の発売延期が発表。そして今回、発売中止となることが発表されました。

発売延期時の花譜さんの投稿

本商品の開発にあたっては、花譜さんと事前の進捗確認や合意形成を重ねながら進めてきたとのこと。その中で、2023年12月にサンプルムービー「フォニイ」が公開された際、花譜さんの中に違和感が浮かんだほか、動画に寄せられた様々な反応を見て、「喜んで様々な人のもとに送り出すことはできない」と改めて思ってしまったといいます。

開発側も、花譜さんが心から納得できない製品を発売することはできないとし、発売を延期して、試行錯誤を重ねながら再リリースに向けての調整を進めてきました。しかし、検証・開発・協議を重ねる中で、花譜さん本人の動向や当初の目的を満たすことが困難となり、発売中止の決断に至ったといいます。

◆悪用を危惧か?

また、本商品の「The Right Stuff(正しい資質)」という名称は、Synthesizer V AIの非常に高い技術力への深い敬意と、活動しているアーティストと連動する性質を持ったプロダクトであるため、「正しい資質を持った方々に活用していただきたい」という少しの願いを込めて付けたと説明。

この他にも「本人と見分けがつかないレベル」や「完全に“本人そのもの”にはならないようにしようと、丁寧にやり取りを重ねてきた」といった説明が見られるほか、統括プロデューサー・PIEDPIPER氏の公式X(旧Twitter)では「表現の仕方がとても難しいのですが、素晴らしすぎて今回は発売することが出来ませんでした」と説明されています。

これらの説明に、SNS上では「悪用を危惧したのではないか」「昨今のAI問題を顧みると、倫理観のない使い方をされる懸念もあるからそれを考慮したのかも」「花譜さんの活動の妨げになるリスクは確かにある」などと推察する声が寄せられています。


花譜さんのSynthesizer V AIは発売中止となったものの、PIEDPIPER氏は音声合成領域でのプロダクトとバーチャルシンガーとの親和性には大きな可能性を感じており、アーテイストやクリエイターと向き合った上で音楽的同位体プロダクトに引き続き取り組んでいきたいと語っています。


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《茶っプリン》

ゲームライター 茶っプリン

「ゲームの新情報を一番に知りたい、そして色んな人に広めたい」そんな思いからゲームライターに。インサイドではニュースライター、時々特集ライターとして活動。関係者、ユーザーから生まれるネットブームにも興味あり。

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