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女神アリアと共に人の強さを知る『ヴィーナス&ブレイブス』はPS2屈指の名作だった

雇った団員同士を戦闘時の隊列で近くに配置し、カップリングを成立させるのも楽しいゲームでした。

ゲーム コラム
女神アリアと共に人の強さを知る『ヴィーナス&ブレイブス』はPS2屈指の名作だった
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2011年に発売されたPSP移植版のパッケージ
さまざまなゲームに登場するヒロインの魅力をあらためて掘り下げる連載「僕たちのゲームヒロイン録」。第27回はPlayStation 2のRPG『ヴィーナス&ブレイブス ~魔女と女神と滅びの予言~』の女神アリアを紹介します。

「100年間戦い続けなさい。あなたの部隊を率いて――」

ヴィーナス&ブレイブス~魔女と女神と滅びの予言~』は、2003年にナムコ(現 バンダイナムコエンターテインメント)から発売されたPlayStation 2用RPGです。不老不死の青年ブラッドが自らの部隊を率い、100年後に訪れるという滅びの予言を回避するために戦い続ける物語が描かれます。

今回紹介するアリアブラッドに自らの血を与えてその身を不老不死とさせた女神で、『ラブプラス』の姉ヶ崎寧々役や『ドラゴンボール』のビーデル役、パン役でおなじみの皆口裕子さんが演じています。

皆口さんはその柔らかな声質から優しさ、慈愛、母性などを持った女性キャラを演じることが多い方ですが、アリアはそうしたイメージとは対極にいる女神。「人類が滅ぶ未来を確実に回避するためなら、常に効率的な判断をすべき」と考えており、ブラッドとたびたび意見を衝突させます。

具体的には「戦う意欲はあるが、そもそも戦闘力が大きく劣る」団員の処遇や、「予言回避のための行動を優先して、目の前の困っている人を見捨てるかどうか」などが挙げられ、300年以上生きてきても人としての感情を捨てられないブラッドは、自らの使命と情の板挟みにあって苦悶します。

そんなアリアが、ブラッドや日々を懸命に生きる人間たちの生き方に触れることで少しずつ変わっていくのが本作の物語におけるハイライトで、「人の味方ではあるが、融通がきかない女神」が「人の未来を憂い、人を心から思いやる女神」に変わっていく姿は心を打つものがあります。

女神の下に集う、名もなき勇者たちの物語

本作は前述したように、ブラッドと彼の騎士団の100年にわたる戦いを描くゲームです。その過程で団に加入する仲間たちにはそれぞれ「成長期」「全盛期」「衰退期」が明確に設定されており、年を重ねて衰退期に入ったキャラは1年経つごとに全ステータスが大きく下がっていきます。

戦闘は前・中・後列で隊列を組み、ターンの経過とともに前列がうしろに下がり、中列が前に出る「ローテーションバトル」で展開。画面右のステータス欄で矢印が上向きに表示されているのは、成長期であることを示します

そうして戦えなくなった彼らは何らかの形や事情で騎士団を離れ、固有キャラに関してはその後の人生も垣間見られるようになっています。臆病だった仲間が愛する妻と共に人々を守るため戦って命を落としたり、団に所属していた時は無類の強さを誇った仲間が晩年は病に倒れたり……。

ブラッドは『ドラゴンクエスト』のようないわゆる無口主人公ではなく、顔や名前はもちろん、ボイスすら付いている主人公ですが、名もなき(=歴史に残ることはない)勇者たちの生きざまを見ているとプレイヤーは自然とブラッドに感情移入していき、効率最優先で仲間たちを軽んずるのは間違っていると感じられるようになります。

フィールド画面で右に表示される「予測安全値」は各地に魔物が出現すると減少し、倒せば回復。数値が0未満の状態で年を越すとゲームオーバーになります

だからこそ人の心の機微をなかなか理解してくれないアリアに抱くやるせなさも一層強くなるというもので、『ヴィーナス&ブレイブス』はこうした演出やストーリーテリングが実に巧みなゲームでした。

本作は2011年にPSP移植版がリリースされたので、PS Vitaを所有していればプレイできます。筆者は今も本作を「PS2で5本の指に入る傑作」のひとつだと思っていますので、機会があればぜひ遊んでみてほしいタイトルです。


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