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『The Matrix Awakens』の体験で揺らぐ“デジタルと現実”の境目─SNSでも話題の技術デモで味わう新たな衝撃【プレイレポ】

無料配信ながら、『The Matrix Awakens: An Unreal Engine 5 Experience』が描く圧倒的な描写力はハイレベルで、SNSの一部で大きな注目を集めたほど。そんな話題作に触れ、そこで味わった体験を直接お届けします。

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■「世界」を変革する技術デモの機能に感嘆

フリー移動の前に、Naniteの可視化などを実際に試せる下りがありましたが、システムを介した変更はフリー移動中でも実行可能。

「Nanite可視化」は、「プリミティブ」や「クラスター」などが指定でき、当然ながら視覚情報も一変。正しく技術デモであることが、改めて実感できます。ですが、プレイ中のユーザー視点で見ると、まるで世界そのものを改変させているような、奇妙な征服感にも駆られます。

この世界に大きな影響をもたらす変更は、Naniteの可視化だけではありません。例えば、「太陽の位置」を弄ることができます。

角度的に陽射しがビルに遮られている場所でも、太陽の方を動かせば……景色は一変。自分は一歩も動くことなく、正面や背後に太陽を移動させ、陽射しの方向を思うがままに操れます。

こういった干渉は太陽に限らず、例えば走行している車両の割合も瞬時に変更可能。信号待ちが多くて邪魔だな……と思えば、「トラフィック」を下げるだけで、前を塞いでいた車がたちまち消え失せます。

他の車に邪魔されず高速ドライブを楽しむことも、また多くの車両をすり抜けていく緊張感を味わうことも可能。また、走行中の車だけでなく、停車中の車や群衆の量も調整できます。

また、「マトリックス フィルター」をオフにすれば、マトリックスらしい絵作りがなくなり、より現実に近い描写になります。

■『The Matrix Awakens』のプレイ体験を通じて、デジタルの可能性と深淵に触れる

起動からフリー移動まで、『The Matrix Awakens』における体験のひとつひとつに迫ってみましたが、いかがだったでしょうか。このコンテンツを直接味わった実感としては、圧倒的な描画力にまず驚かされます。

細部を見たりじっくりと観察すれば、さすがに「現実とまったく同じレベル」とまでは言えません。ですが、“自由に移動できる3D空間”と“写実的な描写”を両立した上でこれだけハイレベルを維持し、技術デモとはいえ無料で配信といった点を鑑みると、桁違いのクオリティに他なりません。

そして、太陽の移動やフィルターのオン/オフなどで一変する景色は、アンリアルエンジン5が持つ実力の可視化、とも言い換えられます。ゲームを普通に遊んでいるだけだと、エンジンの存在まで意識する方はそう多くはありません。ですが、どれだけ大きな役割を果たしているのか、実感を伴う形で伝わる点も『The Matrix Awakens』の偉大な点のひとつでしょう。

「冒頭のカーチェイスシーンは短いので、もっとボリュームが欲しい」「フリー移動中の“遊び”がないので、一通り体験したらすぐ満足してしまう」といった気持ちもありますが、本作はゲームではないので、これはあくまで個人的な願望に過ぎません。

また、この願望とは正反対の意見となりますが、ゲーム的な面が充実していなくてよかった、と安堵する気持ちがどこかにあるのもまた事実です。もし仮に、これだけの描写力で、かつゲームとしても面白かったら、この世界の虜になっていた可能性があります。

その場合も、まだ“ゲームにハマる”という域で済む話かもしれません。しかし、描写力とゲーム性が高まり続け、それが想像を超えるレベルで融合したら……その世界こそを、“新たな現実”として自ら選んでしまう日が来るかもしれません。

「デジタルの世界が同じくらいリアルに感じられた時、現実とは何を意味するのでしょうか」──冒頭で突きつけられた言葉が、プレイを終えた後でも脳裏に過ぎります。

幸い、今はまだ、デジタルと現実の区別がつきます。ですが、この境界線が見えなくなった時、“今の現実”を果たして選べるのか。いや、その日が来たら、おそらく自分は。

今の話は益体もない想像に過ぎませんが、デジタルが持つ可能性の未来と深淵を、この『The Matrix Awakens』が覗かせてくれたように感じました。PS5かXbox Series X | Sをお持ちの方は、そんな本作を実際に体験してみるのもお勧めです。ただしその際は、“現実”への帰還もお忘れなく……。


《臥待 弦》
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