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正体は○○ザメ!『あつまれ どうぶつの森』で釣れる「サメ」ってこんな魚【平坂寛の『あつ森』博物誌】

『あつまれ どうぶつの森』に登場する生き物を、生物ライターが解説!第59回は「サメ」です。

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正体は○○ザメ!『あつまれ どうぶつの森』で釣れる「サメ」ってこんな魚【平坂寛の『あつ森』博物誌】
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※リアルの生物の写真が出てきます。苦手な方はご注意ください!

いよいよ夏本番。海開きも間近となってまいりました。
海水浴といえば、しばしば話題にのぼるのが『あつまれ どうぶつの森(以下、あつ森)』でも釣れるこの魚。

そう。サメです。
『あつ森』では海岸からふつうに釣れてしまうサメですが、種類によっては現実にもこうして岸近くまで回遊してくることがままあります。
それゆえ、よりにもよって海水浴場などに出現すると「危険だ!」ということで遊泳禁止措置がとられたり、盛んに報道されたりと大騒ぎになるわけです。
しかし、そうしたケースは実際にはおとなしいドチザメや若く小さいシュモクザメといった危険性の低いものであることがほとんどです。
遊泳禁止措置は「万が一」「念のため」の対応といえます。

▲本州の海岸でよく見つかり騒ぎになるドチザメ。小型で大人しい種類です。

『あつ森』のサメは「ホホジロザメ」!

そう。一口にサメといってもたくさんの種類があり、本当に危険なのは「イタチザメ」や「ホホジロザメ」といったごく一部の大型種のみなのです。


では『あつ森』のサメはなんという種なのか?
背側が暗色、腹側が白にくっきり色分けされたツートンカラー!
これは……ホホジロザメですね。
映画「ジョーズ」のモデルにもなった、「人喰い」事故も国内外から報告されている猛者です。
『あつ森』の島ってこんなのが岸ギリギリにウヨウヨしてる世界観なんですねえ…。
でもまあジンベエザメまで釣れてしまうくらいですから、ホホジロザメくらいいたってなんの不思議もないのかもしれませんが…。

コバンザメはサメじゃない!

ちなみに、『あつ森』では魚を釣る際に水面へ映る魚影で魚を探しますが、サメ類の場合はその魚影に「背びれ」が生えています。


そうした「サメ型魚影」の正体は「サメ(ホホジロザメ)」「ジンベエザメ」「ノコギリザメ」「シュモクザメ」「コバンザメ」のいずれかなのですが…。

▲ジンベエザメ
▲ノコギリザメ

この中には仲間はずれが混じっているのがわかりますか?
はい。コバンザメは名前にサメとついていますが、実際はサメの仲間ではありません。

▲コバンザメ

シルエットがサメっぽいというだけで、むしろサメよりもスズキに近い魚なのです。
また、コバンザメには大型の遊泳性生物にくっついて泳ぐことで外敵からの捕食をまぬがれるというユニークな習性があります。
サメに随伴していることも多いため、それらと同族とみなされてこの名がつけられた面もあるかもしれません。
また、コバンザメは背面にある小判のような形をした部位で他の生物にとりつきます。
そのため、背中は付着の邪魔にならぬよう、余計な突起のないフラットな構造になっています。

▲コバンザメの「小判」。実は背びれが変化したもの。

背びれも主張の外見であり、実際には『あつ森』内の表現のような、水面に突き出るいかにも「サメっぽい」ものではないのです。
このように「サメ」と名のつく魚には本物のサメも含めいろいろなものがいます(○○ザメという名のエイや巻貝なども!)。
調べてみると非常に奥の深い生物であり、海のある地域ならば案外に身近な存在でもあります。
この夏は、ゲームの合間にサメにもハマってみてはいかがでしょう。

『あつ森』博物誌バックナンバー
■著者紹介:平坂寛

Webメディアや書籍、TV等で生き物の魅力を語る生物ライター。生き物を“五感で楽しむ”ことを信条に、国内・国外問わず様々な生物を捕獲・調査している。現在は「公益財団法人 黒潮生物研究所」の客員研究員として深海魚の研究にも取り組んでいる。著書に「食ったらヤバいいきもの(主婦と生活社)」「外来魚のレシピ(地人書館)」など。

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《平坂寛》
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