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食べられます!『あつまれ どうぶつの森』で釣れる「ザリガニ」ってこんな生き物【平坂寛の『あつ森』博物誌】

『あつまれ どうぶつの森』に登場する生き物を、生物ライターが解説!第48回は「ザリガニ」です。

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食べられます!『あつまれ どうぶつの森』で釣れる「ザリガニ」ってこんな生き物【平坂寛の『あつ森』博物誌】
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※リアルの生物の写真が出てきます。苦手な方はご注意ください!
いよいよ春本番。ポカポカと暖かい日が続き、現実でも『あつまれ どうぶつの森(※以下、あつ森)』世界でも、水辺にこの生物の姿が見られるようになってきました。



イエス!ザリガニですね。『あつ森』では川や池で釣りをしていると、魚に混じって釣れてくれます。

ちなみに『あつ森』ゲーム内では単に「ザリガニ」と表記のみですが、実際のところは「ザリガニ」にもいろいろと種類があります。なんと、世界には300種を超える多種多様なザリガニたちが分布しているといいますから、ザリガニ界も奥が深いものです。

▲北米の清浄な冷水域に棲むシグナルザリガニ。日本でも北海道や福島などに定着している。

▲世界最大のザリガニ、タスマニアオオザリガニ。体重6キロに達する個体もいるとか。

では、「あつ森」で釣れるあの赤いザリガニの正体は一体何者なのでしょうか?

お察しの方も多いでしょうが、赤黒い体色や顆粒状の突起が浮き出た大きなハサミなどから、この「ザリガニ」のモデルはかの有名な「アメリカザリガニ」だと推察できます。

▲アメリカザリガニ。アメリカ出身ですが、もはやわれわれ日本人にとってもっとも身近なザリガニでしょう。

アメリカザリガニはその名の通り、アメリカ合衆国原産のザリガニです。しかし、日本へも昭和初期に持ち込まれ、各地で繁殖・定着を繰り返してきました。今となっては南は沖縄、北は北海道まで幅広く分布する代表的な「外来生物」となっています。

なお、国内へ持ち込んだ理由は意外なもので、なんと「ウシガエルのエサとして」だったのだとか。

▲ウシガエル

当時、ウシガエルは容易に人工繁殖が可能なタンパク源として期待されており、国策として農村等での養殖を奨励していたといいます。原産地である米国で実際にウシガエル養殖用の餌料として利用されていたのがアメリカザリガニで、その部分までそっくりそのまま輸入したわけです。

…しかし、蓋を開けてみればウシガエルも食用として食卓へ定着することはなく、アメリカザリガニとともに全国へ仲良く分布を拡大してしまいました。

ところがその後、意外なことにアメリカザリガニはペットとしての地位を確立、現在では様々なカラーバリエーションの改良品種まで登場するなど、根強い人気を誇っています。

ただし、野生化すると元の生態系に影響を与えたり、水田に侵入して稲の苗を食べる、畔を掘り返すなどの害を及ぼす恐れがあるため、飼育する際は決して野外に逃してしまうことのないよう留意しなければなりません。

ザリガニは「食用」としても使われる!


そうそう。アメリカザリガニに限ったことではありませんが、ザリガニ類にはもう一つ、大きな利用法があります。そう、「食用」です!

▲ザリガニのエビチリ。…ザリチリ?

アメリカザリガニはルイジアナ州などではケイジャン料理の材料として盛んに食べられており、ヨーロッパ諸国ではヨーロッパザリガニが高級食材として珍重されています。

また、日本でも古くは在来種のニホンザリガニが食用とされた記録があるほか、現代では北海道や福島県に定着しているシグナルザリガニが「レイクロブスター」の名で洋食材料として利用されています。

さらに近年では中国でアメリカザリガニを使用したザリガニ料理が流行しているとか…。古今東西で食べられまくっているザリガニですが、実際に食べてみると、たしかにそれもうなずけるおいしさです。

機会があればぜひおためしあれ。

『あつ森』博物誌バックナンバー


■著者紹介:平坂寛

Webメディアや書籍、TV等で生き物の魅力を語る生物ライター。生き物を“五感で楽しむ”ことを信条に、国内・国外問わず様々な生物を捕獲・調査している。現在は「公益財団法人 黒潮生物研究所」の客員研究員として深海魚の研究にも取り組んでいる。著書に「食ったらヤバいいきもの(主婦と生活社)」「外来魚のレシピ(地人書館)」など。


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