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『FFCCリマスター』はソロプレイでも楽しめる? 情緒深い物語にハクスラ要素、 一人でじっくり楽しみたい人へ贈るクリスタルキャラバンの勧め

『FFCC』は友達がいるとすごく楽しいだろうけど、一人でもきっと楽しめる。

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『FFCCリマスター』はソロプレイでも楽しめる? 情緒深い物語にハクスラ要素、 一人でじっくり楽しみたい人へ贈るクリスタルキャラバンの勧め
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8月28日にリリースされた『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リマスター(以下、FFCCR)』。本作は、オンラインマルチプレイの要素が前面に押し出された作品です。オンラインで複数人と遊べるRPGということで、多くの人がその要素を楽しみながらプレイしていることでしょう。

一方で「ゲームってのは他人に気を使わずに、家で孤独にコソコソやるものでしょう!」という考えの人も少なくないはずです。ちなみに筆者もその一人です。


そんなちょっと前時代的な考え方のゲーマーにとって、本作はスルーすべき作品なのでしょうか。前評判を見ると、ソロプレイヤーには向かないゲームに見えます。しかし、一人でプレイしても楽しめる要素が探せばきっとあるはずです。

本記事では、ソロプレイヤーにこそ味わってほしい『FFCCR』の魅力を紹介。そして、オンラインプレイを苦手としている人にもおススメできる楽しみ方をお伝えしたいと思います。

悲劇的でありながら牧歌的でもある世界を楽しむ


『FFCCR』の一番の魅力は、作品世界の構造とそこに暮らす人々の生き様に他なりません。物語の舞台は瘴気に包まれた世界。人々は瘴気から身を守ってくれるクリスタルの周囲に集まって居を構え、そのクリスタルの効力を保つために定期的に「ミルラのしずく」を集める日々を送っています。このしずくを集めることができなかった場合、クリスタルは力を失い、その集落は瘴気に蝕まれ滅んでしまうことになります。


常に命の危機と隣り合わせの暮らし。しずくを集める役割の「クリスタル・キャラバン」が、どこかの土地で全滅していたら…と考えると夜も眠れなくなりそうな話です。しかし一方で、この世界の住人はいたってのんびりしたもの。街の人々の会話からは、悲壮感はあまり感じられず、他愛もない言葉を交わしている様子を見ることができます。


世界は寒気を催すような状況にさらされているにも関わらず、末端に暮らす人々はそれぞれの普通の日常を謳歌している。この奇妙なバランスが、本作独特の牧歌的な雰囲気を醸し出しているように思います。現実の私たちの暮らしとも通じるものがあるのかもしれません。


また、旅の途中では他の「クリスタル・キャラバン」たちとの交流も描かれます。「ミルラのしずく」を集める使命を帯びた一団ともなれば、その志は高く、故郷を背負う責任感は強く、自分の命も顧みない利他的な行動を信条とする人々の集まりに違いありません。


しかしその実態は、農業のコツをのんびり語り合うクラヴァットや、道中で他のキャラバンの馬車と離合して喧嘩するリルティ、詐欺師に騙されるようなちょっと抜けてるユークなど、人間臭さのある人々ばかり。とても命がけの旅にでている集団には見えません。




ここにもまた環境と、実際の人々の行動のズレが見えます。可笑しみやコミカルさが生まれ、そして同時に本当にそこに人が生きているようなリアリティにまで繋がっているような気がします。

この物語は、「自分のペースでじっくりプレイすること」を大切にしている人ほどより楽しむことができる要素だと感じます。テキストは良く練られ、端的なのに味わい深いものばかり。字面だけさらっとなぞっても内容はよくわかりますが、しっかり読み込むことでこの世界の背景をより深く知る一助になります。


イベントの後に挿入される日記も重要。筆者は最初のころは読むのがめんどくさくてスキップしていました。しかし、後から読み返してみると、この日記の中から世界の人々の考え方や価値観を感じ取ることができ、一層物語への没入度を高めてくれます。

主人公の日記から、この世界におけるリルティの立ち位置がわかります。

個人的には、プレイステーションのソフト『聖剣伝説Legend of Mana』に非常に近いと感じました。この作品が大好きだという人ならば、オンラインプレイをせずとも本作を存分に楽しむことができるに違いありません。

幻想的であり実在感のあるロケーションを楽しむ


本作の楽しみの一つに各地の情景を味わうというものもあります。登場するダンジョンや街は、どれもファンタジー色豊かでありながらどことなく実在感のあるものばかり。主人公の住む村は穏やかでのんびりした空気の流れる様が非常に美しい土地。まさにRPGの最初の街という風体です。そのほかにも、リルティの要塞都市、クラヴァットの大農場、ユークの魔法都市、セルキーの村、それぞれが独自の特徴を持っています。


リルティの都市であるアルフィタリアの規模は圧巻の一言。まごうことなき大都市です。ポケモンで言えばヤマブキシティ、ドラクエでいえばラダトーム、ロマサガで言うならばローザリアと言ったところでしょうか。この街を目にすることで、かつてはリルティがこの大陸を制していたという歴史が実感として伝わってきます。


対するユークの都市はまさに魔法を使う人々の住む街の様相。魔法で橋を架けないと、街に入れないという独自の防衛手段をとっています。同じ都市でも、武の民リルティと、知の民ユークとでここまで違うものかと驚かされます。


街だけでなくダンジョンも魅力的なものばかり。序盤にありがちな街道をはじめ、巨大キノコの森、ゴブリンの住む洞窟、火山島などファンタジーの定番をしっかり押さえています。個人的な一押しは「ヴェオ・ル水門」。水辺と陸地のバランスが良く、非常に美しいダンジョンです。歩いているだけでも楽しいと感じる土地でした。


また、実際に「ミルラのしずく」を集め損ねて滅んだ街もダンジョンとして登場。自分たちの旅の失敗がどのような結末をもたらすかを、ちゃんと視覚的に提示してくれます。のどかな主人公の村がこのような風景に変わると思うとぞっとします。


オンラインプレイでダンジョンをみんなでバリバリ攻略するのも良いですが、一人で時間をかけてじっくり回るのもまた醍醐味。デフォルメ調のダンジョンは、時間をかけて見て回るほどに、細かい作り込みに気づかされます。そのような探検と発見の楽しみは、ソロプレイならではのもの。時間を気にせず各地を回って、気になるポイントをチェックしたり、好きなロケーションを探してみるとよりこの世界を楽しめることでしょう。

ダンジョンに入るときの冒頭の語りは、どれも情緒豊かなものばかり。
じっくり聞いて冒険に乗り出すと、より楽しめること請け合い。

自分の技量に合わせて楽しみ方を選べる 戦闘や育成のシステム


本作がのんびりじっくり楽しめる作品であることは伝わったでしょうか。一方で、ゲームは戦闘や育成の刺激が重要だと考えるプレイヤーも多いはず。そんな人にとっても本作は楽しめるものとなっています。特に、何度もダンジョンを周回して育成を重ねていく、ハクスラゲー好きの人にも勧められる作品となっています。


本作の戦闘は基本的にマルチプレイを前提としています。そのため、一人旅では少々敵は固め。ヒットアンドアウェイで、攻撃しては距離をとって、また攻撃してという戦いを繰り返すことになります。特に敵に囲まれると苦しくなるため、うまく敵を一匹ずつ誘い出すことが重要。攻撃のパターンをよく見て覚えて、それに合わせて攻撃のタイミングを変えていく必要があります。

一人旅だと、複数の敵に絡まれてピンチに陥ることも頻繁に起こります。

プレイの方法を理解できていない序盤でのソロプレイでは敵に蹂躙されることもしばしば。一方で戦い方のコツをつかむと急速にプレイが楽になるため、自分の上達を実感しやすい作りだとも言えます。

また、本作は成長システムがユニーク。レベルの概念は無く、ダンジョン攻略後に道中で入手した「アーティファクト」とよばれるアイテムの中から一つを選ぶことで能力が成長します。基礎ステータスの成長がダンジョン攻略後のみに限られるという点で、『アンリミテッド・サガ』の成長システムに近いものがあります。

そもそもダンジョンクリア後にのみ成長するというシステムは、
RPGの原点でもあるTRPGで採用されていたもの。その部分を踏襲していると言えます。

また敵の強さや難易度の変化はダンジョンの攻略に合わせて上昇するという、「ロマサガ」シリーズに似た仕組み。単純に言えば、新しいダンジョンを攻略すると敵のレベルが上がり、同じダンジョンを周回しているうちは敵のレベルは上がらないがキャラの育成は可能、という構造になっています。(正確には「ミルラのしずく」の入手したかどうかに関係していますが、詳細は割愛します。)

ミルラの木が暗くなっているダンジョンは、この後何度周回しても敵レベルは上がりません。
他のダンジョンを複数回クリアすると、またしずくが復活します。

そのため、ゲームが苦手な人はひたすら低レベルの同じダンジョンを周回してキャラクターを強くすることで、その後の攻略を容易にすることが可能。一方で腕に自信のある人は、周回をせずにどんどん新しいダンジョンに挑戦することで、高難易度のアクションゲームとして楽しむことができる、ということです。それぞれのプレイヤーごとに、自分に合った楽しみ方を選択することができるようになっています。

ワールドマップを見ると、各ダンジョンが今どの難易度レベルにあるのかを把握できます。

また、今回のリマスター版では、シナリオ攻略後の高難易度ダンジョンも登場し、さらに強い装備も実装。何度も何度もダンジョンに潜って、より長く楽しむことができるようになっています。オンラインで複数人とプレイすることで面白さが広がるのはもちろんですが、一人で黙々と周回しやり込むタイプのプレイヤーにとっても手ごたえ十分の作品です。

一期一会なオンラインマルチプレイが生みだす、特別な体験


ソロプレイヤーでもちゃんと楽しめるようにできている『FFCCR』。この作品のオンラインマルチプレイについても最後に少し述べておきます。


今作のオンラインマルチプレイは、他プレイヤーとマッチングして準備を整えて冒険に出る、という仕組みではありません。ダンジョン内で合流しクリア時には解散するという、言うなれば「現地集合・現地解散」のシステムとなっています。攻略の途中から参戦することも可能です。


本作はそもそも「クリスタル・キャラバン」として、みんなで各地を旅し、一緒に冒険して思い出を積み重ねていくという要素を持っていました。今回のリマスター版の、「ダンジョン内でのみ集合・解散する」というシステムは、作品自体のコンセプトから若干外れているのではないか、と個人的に思っていました。

せっかくの「キャラバン」なのだから、イベントシーンでも
複数人でわらわら旅するところが見たかったという思いもあります。

しかし、プレイを重ねるうちに、この「現地集合・現地解散」ならではのドラマや刺激が生まれることがある、ということに気づきました。

筆者がオンラインで「カトゥリゲス鉱山」にユークを使って初挑戦していたときのこと。回線の問題か、相手の環境のせいかケージを持った他プレイヤーの挙動がおかしなことに。左右にじわじわと動くばかりではっきりと移動せず、やがてその場に静止して動かなくなってしまいます。ケージを持ったプレイヤーが移動しないと全員が動けなくなってしまうため、業を煮やした他のプレイヤーは次々と接続を切って離脱。やがてケージを持った問題の原因たるプレイヤーも姿を消し、筆者はダンジョンに一人取り残されてしまいました。

※ここから先の画像は、この事件当時の画像とは無関係です。

未知のダンジョンに、使い慣れないキャラでケージと一緒に取り残された筆者はショックを受けながら、そのあとも一人心細い思いをしながら進んでいました。そんな中、突如クラヴァットの女性が合流。何も知らない彼女は筆者に向かって「よろしく!」と挨拶をして旅に同行してくれました。その時は、彼女の姿がまばゆい救いの女神に見えたものです。


筆者はあまりにうれしくて、「よろしく!」と返事を返したあとに、何度も何度も「ありがとう」とチャットを送信。事情を知らない彼女は、「何もしてないのにお礼を連呼してくる気持ち悪い人だな」と思ったことでしょうが、こっちは本当に救われた気持ちだったのですから仕方ありません。

とっさの時のために、チャットを使いやすいようにメンテしておきましょう。

最終的に筆者は数回戦闘不能になるなどして、散々足を引っ張ったものの、そのクラヴァットの女性と共に無事にボスを倒すことに成功しました。相手の方は普通にオンラインマルチプレイをしただけのことでしょうが、筆者にとっては非常にドラマチックな体験となりました。


ダンジョンの途中から合流できるというオンラインマルチプレイは、思いがけない展開を生みます。ピンチの時に上級者が入ってきて敵を一掃してくれることもあれば、道に迷っているときに詳しい人が現れて導いてくれることもあるでしょう。逆に、苦戦しているときに初心者が合流してきて、足を引っ張られる、ということも起こるでしょう。


良いこともあれば悪いこともある予想できない体験に満ちています。一期一会だからこそ生まれる驚きに満ちた冒険を楽しみたい、という人にはうってつけのゲームになっていると感じました。

オンラインプレイが苦手だという人にこそ、本作はおススメです。オンラインはあくまでサブ要素と捉えて、基本はソロプレイで物語を堪能し、ダンジョンの潜って黙々と育成を進める。そして、時々新しいドラマを求めてオンラインに臨む。そのくらいのバランスでプレイすると、程よい刺激に満ちた冒険を長く楽しむことができるように思います。



『FFCCR』は、「ゲームは一人で楽しむ」派の人でも楽しめる要素が充実しています。単純な話のようでありながら意外と奥深い物語世界。美しかったり、おどろおどろしかったりと、表情豊かな各地のロケーション。一人でひたすらやり込めるハクスラ要素。そして、一期一会であるが故に肩ひじ張らずに飛び込めるオンラインプレイ。


オリジナル版の「キャラバン」を組んでみんなで思い出を積み重ねていく、という作風とは全く異なるものになってしまったことは事実です。思い入れが強いほど、これを改悪と捉えることになるでしょうが、筆者はむしろ新鮮な楽しみを与えてくれる作品に生まれ変わった、と感じました。

ソロプレイ派の人も、オンラインプレイ派の人も、オリジナル版とは一線を画す全く新しい作品として本作を楽しんでみてはいかがでしょうか。
《竜神橋わたる》
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