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「野田ゲー」がAI時代に革命を起こす!?『もじぴったん』の生みの親・後藤裕之氏の「ゲーム作り」を野田クリスタルさんが根掘り葉掘り聞いてみた!

遂に始動した「スーパー野田ゲーPARTY」製作に向け、ゲームクリエイターの後藤裕之氏さんに野田さん自らお話を伺いました。

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「野田ゲー」がAI時代に革命を起こす!?『もじぴったん』の生みの親・後藤裕之氏の「ゲーム作り」を野田クリスタルさんが根掘り葉掘り聞いてみた!
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どこかで聞いたタイトルに詰め込まれた独自の世界観とユーモアが光る、お笑いコンビ・マヂカルラブリーの野田クリスタルさんによる自主制作ゲーム、通称「野田ゲー」はお笑い賞レースをきっかけに注目度が急上昇中。

インサイドでもこれまでに何度も「野田ゲー」について取り上げて参りましたが、この度なんと新たなる野田ゲー開発のためのクラウドファンディングが始動。

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そして、野田さんとタッグを組んでこの一大プロジェクトをバックアップする頼もしい存在こそ、「面白法人カヤック」と同社所属で『もじぴったん』シリーズの生みの親としても知られるゲームクリエイター・後藤裕之氏。

こんなビッグネームがサポートしてくださるのだから、折角の機会だし「ゲーム作り」についてもっと知りたい!という事で今回は、野田さんが自らが後藤氏に対談形式でゲームのことを色々と聞いちゃいました。

ハイパーイントロクリエイターとしての一面や名作パズルゲーム『もじぴったん』シリーズの生みの親として知られる後藤氏と、コンビでもピンでも活躍する芸人でありクリエイターの顔も持つ野田さん。化学反応が生まれること必至の対談をたっぷりとお楽しみください。

◆一番「楽しい」ゲーム作りと『もじぴったん』


――今日はお二方、よろしくお願いします。

後藤裕之氏(以下、後藤)よろしくお願いします。通話ではよくお話していますが、生の野田さんは更に盛り上がると聞いてます。

野田クリスタルさん(以下、野田)リモートでは本来の力が発揮できないので、今日は楽しみです。

――最初に簡単な自己紹介をお願いいたします。

野田マヂカルラブリーというお笑いコンビをやっております。ゲームが好きで、ゲームを作るという革命的なお笑いを生み出し、R-1ぐらんぷりというこの世で一番でかい大会で見事チャンピオンになりました。そんな人間です。

野田クリスタルさん

後藤見てましたよ(笑)。

野田ありがとうございます。

――続いて後藤さんお願いします。

後藤後藤裕之と申します。今はカヤックというIT企業に所属しておりますが、昔はバンダイナムコというゲーム会社でゲームを作っておりまして、ゲーム作り一筋20年になりますね。入る前から趣味でもゲームを作っていたので、ひたすらゲームを作ってばかりの人生です。

後藤裕之氏

野田趣味で作っていたっていうのは、どのレベルですか?

後藤一番最初のきっかけは小学生の頃にパソコンを買ってもらったことですね。それこそ、今の野田さんが作られているくらいのものを作っていました。

野田え?今の俺が作っているものを小学校の時に作ってたんすか?じゃあ俺ちゃんちゃらおかしいじゃないですか。

後藤いやいや(笑) 野田さんのR-1ぐらんぷりは「ゲームでこの舞台に立てるんだ」という衝撃を受けました。披露されていた『もも鉄』は中学生の頃に作ったゲームに似ていて、当時の記憶を思い出しました。思えばあの頃は好きにゲームを作っていて一番楽しかったかも知れませんね。

野田すげぇな……。でも自分も、今が一番楽しい時期だっていう自覚はあります、これ以上のものを作ろうとすると、大変さが増えて楽しくなくなるんじゃないか、みたいな。

後藤そうですね、社会人として会社でゲームを作るのも楽しいんですが、趣味で作っている時とは楽しさの種類が違います。

野田普段遊ぶゲームって、当然ですけど言ってしまえば完成されたものばかりじゃないですか。なので実感が無かったんですが、自分で作るようになって「ゲームって無限に何でも作れるんだな、手作りなんだな」って思い知らされました。

でも後藤さんはそんな僕のレベルに既に30年前に到達されているんですよね。じゃあ今はどうなっちゃってるんですか?僕の30年後ってことですよね?

年齢こそ違うものの、ゲーム作りに関しての意見や体験では共通点も多い

後藤そうとも言えますね(笑)でも今は当時に比べてパソコンを持ってる人も多いし、機材も素材も充実してますから、今の時代に生まれていたらもっと色々作っていただろうなって思いますけどね。

野田ゲーム会社に入ってからは、後藤さんは自分が作りたいゲーム作れているんですか?

後藤『もじぴったん』は本当に心から作りたいものが企画を通って作れたという稀有なケースだと思いますから、幸せなことですね。仕事として、自分の作りたいもの以外にも取り組まなければいけない事も多い世界ですから。

野田もう散々お話されてきたことだとは思うんですが、僕あまり聞いてないので改めて後藤さんが『もじぴったん』というゲームを具体的にどこまで作られたか聞いても良いですか?

後藤最初の着想から、ルールのようなゲームシステムの所もそうですね。あと一番手間の掛かった部分としては、言葉のゲームなので辞書のデータが必要になるんですね。

野田あの構造を知りたいんですけど、全部打ち込んでるんですか?

後藤 全部です。今だったら辞書のデータを直接入れるとかも出来るんですけど、当時はトータル8年くらいかけて手打ちで辞書を完成させました。

野田8年!? やば(笑)

後藤『もじぴったん』は最初はゲームセンター用のタイトルとして始まって、その後に色々なハードに展開されていったんですけど、その間の8年くらいかかりましたね。会社で辞書をならべて、ひらすら内容を自分なりに要約して入れていくっていう作業でした。

野田後藤さんは「ひたすら系」が好きですよね。円周率もひたすら暗記されていますし、何桁でしたっけ?

後藤42,195桁です。
(※)1995年、当時の世界記録としてギネスブックにも掲載

野田どうかしてますよね(笑)

後藤元々オタクで目立たない性格だったので、人と違うことをやらなきゃ目立てないという強迫観念みたいなものがあったんです。それで「ギネスに乗ったらみんな注目するだろう」と思って。

野田いや、もっと他にも楽な方法があったでしょうよ。昔、アイドルがでっかいフラフープを回してギネス載ってましたよ。

後藤何か一人でやることに意味を感じていて、でも4万桁を丸暗記する必要はなかったかもしれませんね(笑)。

野田でも『もじぴったん』っていうゲーム自体の構想を思いついた時点では、8年もその作業がかかると思ってなかったですよね。

後藤思ってないです。

野田自分が作ってるゲームって、バグがあろうがクソゲーだろうが、完成さえすれば人前に出したら誰かがツッコんでくれるので良いんです。でも8年がかりでゲームを作って大失敗したらどうしよう。みたいな怖さはなかったですか?

後藤最初は辞書が中途半端な、意味のある言葉を作っても一部が認識されない状態でリリースされていたので丸8年の準備期間という訳では無いんですが、逆にその段階でも「面白い!」と言っていただけたんです。その声に励まされて「何年かけても完成させよう」と、どんどん辞書を追加していきました。最終的に辞書が完成したのはWiiで発売した頃ですね。

野田色々なゲームを作られてますけど、その『もじぴったん』のアイデア自体はいつからあったんですかね。

後藤あれは社会人になってから最初に作ったゲームなんですが、一番最初に思いついたのは中学校の頃ですね。

野田えっ、中学からアイデアがあって?それを社会に出て最初に作ったらあれだけヒットしたんですか?ヤバ人生じゃないですか。

後藤ラッキーでしたね。そのキッカケも結構偶然で、音楽の時間にノートにクロスワード作ってて「凄い楽しいな」と思っていたら隣の席に座っていた子が、まぁ当時好きだった子なんですけど。

野田そんな恋愛話までは聞いてないです(笑)。

後藤その子に「こいつ何やってんだ」みたいな目で見られちゃって、それで「いや、これは暇つぶしじゃなくて、ちゃんとゲームを考えてるのに」って思った悔しさをよく覚えてますね。ちなみにその子にはゲームが世に出てから同窓会で会ったので、この話をしたんです。そしたら「へぇそうなんだ」って。

野田脈無しじゃないですか。

後藤まぁそれは余談ですが、でも実はその子も「ミスインターナショナル」の日本代表になってた、というドラマティックなエピソードなんですよ。やはり小中学生の頃のピュアな気持ちから生まれたものって、ピュアな楽しさに繋がるのかなと。

後藤氏のエピソードはスケールが大きなものばかり

野田それ凄い話ですよね。僕も小学校の頃に「RPG作りたいな」って思っていたことありますけど、それはあくまで「既存のゲームみたいなもの」を作ろうとしていたので、そんな斬新な発想に行かないですよね。

後藤僕も当時流行っていた『ドラクエ』みたいなゲームを作ったこともありましたけど、だんだん「これなら誰でも同じようなものが作れちゃうな」って思って。

野田普通、小中学生なら「最強のファイナルファンタジー」を作ろうとしません?僕がプログラミングを始めたのも「オープンワールドのスーパー自由度高いRPGをいつか作るんだ」と思ってのことでしたよ。まぁ自分の技術じゃどうやっても「作れないんかい」ってなって、今みたいなゲームを作っているんですが。

後藤やっぱり人と違うことを、という考えがあったんですかね。

野田33歳の僕を、中学生の時に経験してる訳ですからね。

後藤でも社会人になったばっかりの頃と今の自分を比べても、そんなに進歩してないですよ。

野田もう余生過ごしちゃってるじゃないですか(笑)

後藤でもこのまま枯れていくのは嫌なので、野田さんから刺激を受けて創作意欲を出さなきゃと。

野田その域に達するのが早すぎるんですよね……。

◆2人のゲーム作りに共通する、パズルと……


野田『もじぴったん』以外のゲームについても構想とかもあったりしたんですか

後藤色々作りましたね。今はもう販売されてないんですが、アプリで『LOVE LOVE KONCHI』っていうゲームをカヤックから出したりとか。

野田ラブラブコンチ?

後藤ちょっと逆から読んでみてください。

野田……ハハハ!最低じゃないですか!これ審査の段階で気付かれずにOK出てたんじゃないですか。

後藤それで後から気付かれてリジェクトを喰らったんですけど(笑)。上からそれらしいキャラクターが振ってきて、それを繋げて消していくゲームでした。結構世界中で売れて、意外に中東とか東南アジアの性に厳しいイメージのある国で反響が良かったんですよ。

野田後藤さんもう『もじぴったん』で成功し過ぎて、ちょっと感覚がおかしくなっちゃってたんじゃないですか。なんか勝手に「子供たちにもっと言葉を覚えてもらいたい」みたいな教育への意思のある人が作ったのかと思ってました。

後藤それもあったんですよ。ただ凄く「行儀の良いゲーム」なので、それしか作れない人と思われることへの反発もあったんですね。

野田もう「このネタ以外も作れるよ」って単独ライブで新ネタするお笑い芸人と一緒ですよ。でもそういう面が見られるのも良いですね。じゃあ絶対世に出せないですけど、アブない言葉ばっかり入った『もじぴったん』もやりたいですね。

後藤『闇もじぴったん』ですね(笑)。

野田パズルゲームの話で言えば、奇遇なことに僕も新しいゲームを作ろうと思って出したのが『組体操合戦』っていうパズルなんです。更に『めしパズル』っていう、また公開とかはしてないんですが「食べ合わせが合うものを消していく」っていうパズルゲームもあって、例えばスイカと塩は美味しいので消える、でもスイカとトマトは水分が多くて食べ合わせが悪いので腐って消せなくなっちゃう。

食べ合わせとパズルを融合させた野田ゲー『めしパズル』(野田クリスタル【野田ゲー】YouTubeチャンネルより)

後藤 それは面白そうなゲームですね。

野田 実際に現場は盛り上がるんですが、自分が食に全然詳しくないので「トマトと塩は合うだろ!」とか、めっちゃツッコまれますね。

後藤 でもツッコミどころがあるゲームって良いですよ。『もじぴったん』でも「何でこの言葉入ってないの!」とか、対戦してると「何でそんな言葉知ってんだ?」とか、そういうコミュニケーションあってのゲームですから。

野田他に中学生の頃に作ったゲームってどんなのでした?

後藤通っていた学校にフジタ先生っていう物静かな先生がいたんですが、あまりに温厚なので生徒が授業中に騒いでいたら、遂にフジタ先生が怒ってチョークを投げたことがあったんです。で、それをネタにフジタ先生が主人公の横スクロールアクションを作りました。

野田マジで今の俺と同じですね。

自主制作ゲームに取り入れた「イジり」要素も共通点

後藤内容もフジタ先生がチョークと定規で敵を倒すというもので、友達に見せたら爆笑しながら遊んでくれました。なので野田ゲーでの芸人さんのイジり方にはシンパシーを感じます。

野田衝撃ですね、僕の中学にはそんな奴いなかったので。家に呼んでたんですか?

後藤そうですね、思えばそれが「自分の作ったゲームで喜んでもらう」ことの原体験になってます。人付き合いが得意な方ではなかったんですが、「後藤の家でパソコンゲームできるから」みたいなキッカケで遊んで友達が増えたりもしました。

野田僕も小学校の頃に「RPGツクール」とかやってましたけど、絶対途中で辞めちゃったり酷い仕上がりだったりしたので、当時から自分に作りきる才能がないのは気付いてました。

後藤僕もやりました。RPGなのに100個のステージから謎を解いていくゲームをコンテストに投稿したこともありました。当時は大学生で「こんな使い方でゲーム作ってる人いないだろう」と自信があったんですが、結果は箸にも棒にも掛からなかったっていう挫折もありますね。

野田でもツクールって、急に流行りだしましたよね。俺も小学校の頃に『青鬼』みたいなゲームのアイデアはあったので「あれは俺が先だ」と思って納得いってないんですよね。

後藤それはゲーム業界に限らずあるあるですね(笑)。

野田そうなんですよ。以前も女子がハマるガチの恋愛シミュレーションゲームを作りたいと思っていて、その内容が「枕が人間になっちゃう」っていうものなんです。主人公は寝るのが好きな女の子で、朝起きたら男の子が「僕があの枕だよ」っていうヤツを。もう1年以上構想していたんですけど、いざ調べたら既に「枕男子」ってのがあったんですよね。マジかよ、考えることってみんな同じだなって。

後藤実際、『もじぴったん』にもそういう声はありました。でも、出したもん勝ちですね。

野田そう思うと、完全に誰も考えたことのないゲームシステムって存在するんですかね。

後藤ほぼ出尽くしたと思いますね。新しいゲームシステムが生まれるなら、新たな技術が生まれた時かなと。

野田 新しく感じさせようとすると、一番簡単なのって例えば「恋愛ゲームとホラーゲーム」のようにジャンルを組み合わせることかなと思うんです。

後藤そうですね。

野田そうなると「全部組み合わせるしかないんじゃないかな」と思ったので、その一歩として「サウンドノベル×シューティング」を作ってみたんです。語り手がいるタイプのホラーゲームで、文字が出て来て喋るんですけど、その語り手を途中からシューティングで倒せるっていう。怖くなったら倒して「あぶねー、怖かったー」みたいな。

後藤それは……聞いてる限りでは凄く面白そうですけど。

野田僕のゲームは大体そうなんです。聞くと面白いのにやるとクソつまんないんですよ(笑)。ただ、こんな感じの新しさとゲームの面白さが噛み合った時にバズるんだなって、僕の中でそのルートは見えてます。ただ「やってて面白い」ゲームを作るのが本当に難しいです。その点、新しいしやってて面白いから『もじぴったん』バズったんだなって。

◆後藤さんの考える、ゲームの分野で野田さんにしか出来ないこと


野田後藤さんの「やるからには誰もまだ作ってないものを作りたい」っていうのは間違いないですね。どれがいいですかね……やばい、この瞬間に革命的なアイデアが出るかも知れないと思うとワクワクしてきた。

後藤やるなら、アクションとかシューティングみたいな既存の枠じゃなく、全く違う次元の、例えば「ピーマン」みたいな次元のジャンルを打ち出していかないと。

野田「全くないものを作る」って、それはもう神への反発ですね。2次元の存在が3次元に気付くくらいの発想ですよ。

後藤ひたすらピーマンを色んな切り口でゲームにしてみるとか。

野田新しい技術が生まれたときに、という話がありましたけど、例えば3D技術が生まれたら3D格闘ゲームが出来るのは当然じゃないですか。でもそうじゃなくて、技術的にはスーファミでも出せるにも関わらず、全く新しいゲームが出せる可能性ありますよね。

後藤ありますね。ゲームに関する技術でなくても良いと思っていて、例えばSNSによる人のつながりって言う要素を盛り込むとか。

野田何をジャンルにするのが良いんだろう、適当に単語言ってくれたらそれがジャンルになりそうですけど……。

後藤良いゲームクリエイターの要素として、そういう「どれだけ関係ないものからでもアイデアを広げていけるか」っていうのがありますね。僕も町を歩きながら「あれでゲーム作るとしたらどうしよう」みたいなことを日頃から考えています。このクリエイター感覚はお笑いでネタを作る時に近いのかなと思いますけど、これを楽しめる人じゃないと作り切れないんですね。

野田でも新しいものにチャレンジしてる人ほど損をする世界ですよね。

後藤そうですね、流行ったモノから上手く儲ける人が賢いっていう世界になってきてます。でも、そうじゃなくて自分は新しいものを生み出したいんだ、っていう人たちも多いですから。

野田0から1を作るっていう人たちが支えている訳ですよね、大切にしたいです。この業界で個人で成功している人ってほぼ居なくて、大企業がお金をかけて作ったゲームが上位に並ぶじゃないですか。でもこの状態が一番の世知辛さだと思いますし、それを覆すのがこのクラウドファンディングなんじゃないですかね。

野田ゲーへのクラウドファンディングについて、なんだか壮大なテーマが見え隠れ

後藤僕も全く同じことを思っていました。そこに風穴を開けたいっていう気持ちが。

野田お、話がカッコよく繋がってきたぞ? 個人のクリエイターが大企業に牙をむく、そんな企画にしたいっすね。ちなみに最近で「新しいな」っていう印象を受けたゲームってありますか?

後藤そこまで最近じゃないですけど『スーパーマリオメーカー』は革新でしたね。ウチの子供って全然ゲームに興味が無かったのに、あれをやらせたら操作もすぐ覚えてコースを作ってました。

野田あれって、なんだか「別に俺も思いつけるし」っていう悔しさありません?全く持って予想外という訳じゃないアイデアが爆発的に流行って、イライラに近いものがあります。

後藤自分で作れるっていうゲームはファミコンの時代からありましたけど、やっぱりネットで世界中に繋がることで爆発を生んだんですね。

野田さっきの新しい技術っていう話ですね。勝手に作ってもらって、勝手に遊んでもらうっていうのは将来的にゲーム全般に広がるかも知れないですね。

後藤『野田ゲーメーカー』とかどうですかね、野田さんの思考やセンスをAIに学習させて作っちゃう。

野田それが完成したら小学校のプログラム必修に乗るかもしれない!皆が最初にやるプログラム『野田ゲーメーカー』あるぞこれ!

後藤やっぱり爆発を生むためにはお行儀が良いだけじゃなくて、野田ゲーにあるようなユーモアが必要だと思います。

野田その場でゲームを作る技術って結構出来上がっているじゃないですか。携帯で撮った写真から顔だけを取り込んで、みたいな。元は手でやっていたものがアプリで出来るようになっているので、将来的には今この場をゲームにすることが出来るようになるかも。そうなると夢広がりますけど、クリエイターは何をする存在になるんですかね。

後藤最終的にゲームのルールやプログラムはAIがやってくれるようになるので、じゃあクリエイターはそこで何をやるんだっていうと、やっぱりユーモアの部分ですよね。

野田はぁー、繋がった!

後藤これからAIが主流になっていくゲーム業界において、野田さんは特殊な能力を持っていますよね。この場だから持ち上げてるんじゃなくて。

受け取り側が人間である以上、機械が人間を笑わせるのってまだ相当難しいと思うので、そこに人間が考えるユーモアが必要になってくると思いますね。もっと先は分からないですけど。

野田いや、未来のゲームの話は楽しすぎますね!あと未来的なゲームの話だと、VRのゲームって広まるんですかね?

後藤既にかなり広まっていますよ。現状は既にあるゲームをVRにはめ込んでいるものが多いし、今後も沢山出てくると思います。ただ全然まだVRはブルーオーシャンだと思うので、それこそ「VR野田ゲー」はチャンスがありますね。

まだ見ぬゲームジャンル開拓への期待と夢が膨らむ対談に

野田まだ更地だから、掘れば色々と出てきますよね。

後藤VR版『ブロック崩して』で、実際に目の前でデッカチャンさんが大きくなっていくとか、それだけでも面白いですよね。誰もまだ作ってないところが良いですね、VR漫才ゲームとか。

野田VRに更なる効果があると面白いですよね。VRのゲームをしていると凄く暑く感じるとか。

後藤匂いがするとかもありますよね。今はVRにちょっと高いものっていう認識もあるので、そこが解決すれば爆発すると思います。

野田VR野田ゲーやろうかな。でも絶対オチが「VRゴーグルいらねぇじゃん」になりそうな気がする(笑)。ゴーグル邪魔だなってなるか、逆にゴーグル沢山持ってる方が有利なゲームとかにしようかな。

後藤最初は王道が流行るはずなので、そこで飽きてきたころに突拍子もないものが必要になりますよ。

野田色んなクリエイターさんがVRをどうイジるのかも興味ありますね。普通のものが出尽くした後にどうなるのかは見てみたい。

後藤見てみたいですし、作りたい。

野田作りたいですね~。後藤さんは出したいVRゲームってあります?VR板『もじぴったん』が出たらどうなるんだろう。

後藤そうですね……それなら例えば書いた文字が飛び出すとか。音声認識を組み合わせたら、喋った文字がそのまま飛び出してバトルするゲームとか出来そうですけどね。

野田喋るっていう機能は面白そうですね!VRラップバトルとか出来そうですね!!

後藤野田ゲーから、VR版『ディスリファイト』いけますね。

野田見えましたね。このクラウドファンディングを成功させて作りましょう、VR『ディスリファイト』を!

後藤成功させましょう。

――それでは最後に後藤さんから野田さんのクラウドファンディングに向けて、応援メッセージを頂けますか。

後藤いやーもう絶対成功すると思いますし、成功の暁には身を粉にして良いゲームに仕上げたいと意気込んでいます。

野田これは、大バズりの予感!……もしくは大失敗の予感。

後藤どっちかに振り切りたいですね(笑)。中途半端は嫌なので。

野田手を取り合ってAIをできないことをしていきましょう!

《ハル飯田》

よく遊び、よく喋る関西人 ハル飯田

1993年、大阪府生まれ。一旦は地元で公務員になったものの、ゲームが好きすぎて気付いたらフリーライターに。他メディアではeスポーツ選手や競技シーンの魅力を発信することに注力したり大会でキャスターを務めたりもするのだが、インサイド&ゲムスパではもっぱら好きなゲームについて語ることで安らかな気持ちになっている。

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