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PCエンジン版『イースI・II』本日12月21日で30周年─衝撃的だった“リリアの振り向き”! 名作をより広めた立役者─「PCエンジン普及率が高くなった」など読者の声も

PCエンジン CD-ROM2版『イースI・II』が、本日30周年を迎えました。今続く名シリーズの原点が、初めてセットになって登場した本作。その魅力や特徴を振り返ってみたいと思います。

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シリーズ展開を続けているアクションRPGは数あれど、同一人物が主人公を務め続けている作品となると、案外数が少なくなるもの。しかし、ナンバリングを9作品も重ねながら、主人公が変わることのない『イース』シリーズのような稀有な例もあります。

時代と共にグラフィックやゲーム性を進化させ、プラットフォームを変更させながら展開してきた『イース』シリーズ。しかし、アクションが持つ楽しさを追求する姿勢や、主人公であるアドル・クリスティンの活躍を描く切り口は変わることなく、記念すべき1作目から今年発売された『IX』まで一貫しています。

初代『イース』が発売されたのは、1987年。家庭用ゲーム機で言うと、ようやくPCエンジンが発売された頃です。当時はまだ、パソコンと家庭用ゲーム機の性能差が大きく、自宅で楽しめるリッチなゲーム体験はパソコンに分がありました。1988年にファミコン版『イース』が登場しましたが、ビジュアル面を始め、様々な違いが見られます。

当時のゲームハードの性能では、アーケードやPCゲームの忠実移植は難しく、アレンジされるケースが多々ありました。それでも、当時パソコンに手が出なかった方にとっては、家庭用ゲーム機で遊べる『イース』は貴重な存在でした。


そんな折りに登場したのが、PCエンジン CD-ROM2版『イースI・II』です。忠実な移植も難しかった時代に、ビジュアルやプレイ体験をパワーアップさせ、声優陣のボイスも収録、2作品を繋げるために作品を再構成するなど、移植の上を行く作品となった『イースI・II』は当然大きな注目を集め、『イース』の存在をより広める立役者となりました。

この『イースI・II』が発売されたのは、1989年12月21日。本日でちょうど30周年を迎える形となりました。このアニバーサリーを記念し、本作について振り返ってみたいと思います。

◆プレイ体験、ビジュアル、音楽、ボイス・・・全てが素晴らしい『イースI・II』! アドルの声は、プレイヤーの声だ!(独断)



『イース』シリーズには様々な特徴があり、前述した“主人公が同一”というのもそのひとつ。そもそもこのシリーズは、冒険家として名を馳せたアドル・クリスティンが遺した冒険の記録を元に、彼の冒険の再現や追体験する形となっています(派生作や『イース・オリジン』などは除く)。

また、常にアドルが主人公となりますが、各作品の直接的な繋がりは薄く、物語はそれぞれで完結しています。そのため、過去作を経験していないから分からない、といった点はほとんどなく、シリーズ未経験の人がどの作品を遊んでも基本的に問題ありません。

ですがこの繋がりに関して、一作目に当たる『イースI』と続編の『II』のみ、例外的な存在と言えます。この2作品は物語が直接繋がっており、『イースI』のエンディング直後に『II』の舞台へ辿り着くため、時系列も連続しているのです。

『イース』シリーズの原点を余すところなく楽しむには、この2作品を遊ばなければなりません。当時、家庭用ゲーム機に展開していたのは、ファミコン版『イースI』のみ(ファミコン版『イースII』は、1990年に発売)。シリーズ黎明期の物語を全て味わうには、パソコンしか選択肢がない時代でした。『イース』は遊びたい、でもパソコン一式買うのは難しい・・・そんな悩みに翻弄されていたゲームファンに訪れたのが、PCエンジン CD-ROM2に登場した『イースI・II』でした。


CD-ROMの大容量を活かし、2本分のゲームをまとめただけでなく、連続する1本のゲームとして再構成。PC版の『イースII』は、いわゆる引き継ぎなどはなく、1からの育て直しでしたが、『イースI・II』はステータスや所持金などを引き継いでおり、連続性のあるプレイが可能に。もちろん、しっかりとバランス調整も行われているので、物語とゲーム性がともに地続きで楽しめる作品へと生まれ変わりました。

大きく変化したのは、ゲームの構成だけではありません。ビジュアル面にも力を入れ、ゲームシーンにおける動きも向上。キャラクタービジュアルはプレイヤー個々人で好みが分かれるので一概に言えませんが、PC版に劣らぬ美麗さを備えているだけでなく、アニメ表現も強化されました。

特に必見なのは、『イースII』ヒロインのリリアが、冒頭で振り向くシーン。PC版でも話題になったこのシーンは、『イースI・II』でもしっかり再現。また、PC版よりもキャラクターを大きめに表示しているので、見応えも増しています。

この画像は、PCエンジンアーカイブスのものです

さらに、初対面となるアドルに向かって、リリアがボイス付きで喋る! TV画面にバストアップで映るリリアは、(TVのサイズにもよりますが)実物に近いサイズ感を伴っており、存在感も満点。「大丈夫?」と声をかけられると、こちらもつい返事をしたくなってしまいます。

ちなみにPCエンジン CD-ROM2版『イースI・II』は、このリリアを含め、声優陣がボイスを担当していますが、主人公であるアドルの声はありません。このリリアと初対面の場面も、アドルの台詞は字幕で出るのみ。アドルはゲーム内であまり喋らないキャラなので、あえて声を付けなかったのでしょう。

そのため、このリリアとのやり取りは「声→台詞表示→声→台詞表示」という流れ。この形に違和感を覚える方もいるかもしれませんが、当時のユーザー・・・はともかく、筆者個人は“字幕=プレイヤー側の台本”と考えました。自分が字幕に合わせて声を出すことで、プレイヤーとリリアが会話する・・・「つまり、アドル=俺か!」と閃いたのです。バカでしょうか。そうかもしれません。

ともあれ、それまでパソコンでしか遊べなかった『イースII』も内包し、2本のゲームを1本化。ゲームバランスの調整やビジュアルの強化、臨場感を後押しするボイスの実装、美しいアニメシーンなど、数多くの魅力を加えた『イースI・II』は、PC版からのファンも納得する完成度を誇り、名作のひとつとしてシリーズに名を連ねました。

1本化したことで『イースI』のエンディングがなくなるなどの点こそあれ、名作の移植+パワーアップを実現させた『イースI・II』。作品自体に問題などはなかったものの、遊ぶには少々難しい面もありました。というのも、PCエンジンの希望小売価格は24,800円。そして、性能を拡張する周辺機器「CD-ROM2」は、インターフェースユニットと合わせて59,800円。プレイの必須環境を整えるだけで、ざっと85,000円ほどかかる計算となります。

ですが、当時の基本的なパソコンよりは安く、そしてゲーム体験は向上しているとくれば、PCエンジン CD-ROM2版『イースI・II』の評価は自ずと高まるというもの。中にはハードごと購入するユーザーもいたほど、本作は多くのゲームファンを魅了しました。

当時は価格面でも少々リッチな体験でしたが、PCエンジン CD-ROM2版『イースI・II』は今やかなりお手軽に楽しめます。PS3/PSP/PS Vitaを持っていれば、PCエンジンアーカイブスとして『イースI・II』をプレイ可能。価格も838円(税込)とお手頃なので、今プレイするならこちらがお勧めです。


また、PCエンジンのゲームを全般的に楽しみたいという人は、2020年3月19日に発売される「PCエンジン mini」を視野に入れてみては。このPCエンジン miniには、『天外魔境II 卍MARU』や『ワルキューレの伝説』、『スプリガン mark2』など、多数のタイトルが収録。もちろん『イースI・II』も含まれており、価格は10,500円(税抜)です。

今も輝きを失わず、ゲーム業界の最前線を走り続けている『イース』シリーズ。その名を、より広めたPCエンジン CD-ROM2版『イースI・II』もまた、その名が語り続けられることでしょう。

◆懐かしい思い出から、ユニークな体験まで! 読者から届いた生の声をご紹介



『イースI・II』30周年に向けてアンケートを実施したところ、読者の方々から多くのコメントが届きました。回答者の男女比は、男性87.5%に対し、女性12.5%。男性がメインを占めるものの、女性からもしっかりと支持されている様子が窺えます。

オリジナル版も同様ですが、『イースI・II』の攻撃方法は体当たり。武器や防具、そしてアドルのLVが重要となり、敵とのLV差がありすぎるとあっという間に体力を削られてしまいます。ですが、プレイヤーのテクニックが介在する余地もしっかりとあり、それが「半キャラずらし」です。

敵に対して半分身体をズラして当たると、与ダメージ/被ダメージが有利に働くので、これが攻略の鍵となります。敵と自分の位置を把握し、有利なポジションを取り、隙を逃さず突撃! シンプルながらついハマってしまうアクション性は、効果音の演出と相まって心地よい手応えが得られました。アンケートのコメントにも、「半キャラずらしと地下室で壁に向かってファイアボール撃ちまくってた日々が懐かしいです」と、ゲームシステムに言及する声が。また、「黒真珠がPC版よりもかなり強くなっていた」といったPC版との違いに触れるコメントがあるのも、移植作ならではでしょう。


『イース』シリーズに限らずですが、日本ファルコムは音楽にも力を入れているため、今回のコメントには音楽面に触れた方も。「ファルコムの曲が好きになって、サントラを集める様になりましたが、その過程で買いました。ゲームも良いですが、あの少ない容量にとても熱い曲が凝縮されているのは凄いと思います」と、当時ならではの事情を伺う意見も届いています。

このほかにも、「1990年8月26日に行われたハドソンスーパースターソルジャーキャラバン東京大会2日目では、ドギ役の声優・屋良有作氏がゲストに招かれ、イースI・IIを題材にしたアフレコ指導が行われた。その際にリリア役は、屋良氏との窓口だったハドソン宣伝部の某男性社員が担当した(笑)」といったユニークな体験を思い出す方も。

また、「当時約6万円もしたCD-ROM2ですが、学校の友達にこのゲームを遊んで見せたら皆が衝撃を受け、自分の周りのPCエンジン普及率はものすごく高くなった。まだファミコンしか知らない時代に、CD-ROMでバリバリ動くアニメーション・生の音楽と音声は本当に衝撃的だったし、その凄さを最大級で体験させてくれるゲームでした」など、当時の状況を振り返る生の声も届いています。

名作を振り返った読者の声は、その作品が更に語り継がれる一因となることでしょう。アンケートへのご協力、誠にありがとうございました!

※ゲーム画像は、注釈があるものを除き、「PCエンジン mini」版のものです。


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