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【インタビュー】「ルールを自分で作れる人材を育てたい」CAグループ若手が語るこれからの日本に必要なスキルとは

インターネットテレビ局「AbemaTV」の運営やインターネット広告事業を展開しているサイバーエージェントは、2月19日・渋谷マークシティにて小学生向けオンラインプログラミング学習サービス「QUREO(キュレオ)」の事業者向け導入説明会を行いました。

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インターネットテレビ局「AbemaTV」の運営やインターネット広告事業を展開しているサイバーエージェントは、2月19日・渋谷マークシティにて小学生向けオンラインプログラミング学習サービス「QUREO(キュレオ)」の事業者向け導入説明会を行いました。

今回、弊誌では「キュレオ」開発担当のアプリボット社 新規事業部 事業責任者の高橋 悠介氏にインタビューを敢行。「キュレオ」の魅力を語ってもらうと同時にこれからの時代に必要なスキルについて語って頂きました。


―――本日は宜しくお願いします。まずは高橋さんのご経歴を教えてください

高橋氏:サイバーエージェントに2017年に入社しまして、現在勤めているアプリボットという会社に2016年に内定者としてジョインしました。アプリボットが所属している主にスマートフォンゲームを開発する子会社が所属しているサイバーエージェントのゲーム・エンターテイメント事業部(SGE)で新規事業コンテストがありまして、その事業コンテストで「キュレオ」の元となるオンラインプログラミングサービス事業を提案し優勝しました。そのまま「キュレオ」事業の事業責任者になり、今に至っています。

―――アプリボット社はスマートフォンアプリ・ゲーム会社ですが、高橋さんは、もともとゲームはお好きだったんですか

高橋氏:ゲームは非常に好きですね。どちらかというとコンシューマーゲームのほうが好きでした。PlayStationやPSP(プレイステーション・ポータブル)などをやりこんでいました。

―――新規事業の部署ではどのようなことを担当しているのでしょうか

高橋氏:「キュレオ」の開発責任者として、「キュレオ」の事業戦略、新機能等々の企画や開発のディレクションを行っています。「キュレオ」の法人向けの営業なども一部担当しています。

―――事業コンテストで「キュレオ」というサービスの構想を発表されたと思うのですが、もともと「こういうのがやりたい」という気持ちはあったのでしょうか



高橋氏:事業を興したいという想いはずっと抱いていたのですが、その中で「教育」というドメインに絞って考えてはいませんでした。ただ「開発」を通じてモノを創る経験はすごくやりたかったですね。

―――その中で「プログラミング教育」を選択した理由というのは

高橋氏:ちょうど2016年夏頃だったのですが、当時2020年にプログラミングの必修化が決まったタイミングでした。市場規模も当時は10億円くらいしかない市場ではあったのですが、前年度比150%とか200%ぐらいの成長を続けていたので、2020年には大きな市場になっている可能性があるというところでプログラミング教育での挑戦を決めました。

―――開発をしていくなかで、難しかったことや壁にぶち当たったことは?

高橋氏:子供向けのサービスということもあって、今は小学生の子供を持つパパのエンジニアもいるのですが、当時の立ち上げメンバーは全員子供がいなかったので、チーム全員で、「子供目線」の認識を合わせていくのが難しかったですね。

―――全員大人ですもんね

高橋氏:本当にそれが大変でいろいろと苦戦をしたのですが、今はその経験を踏まえて、同じサイバーエージェントグループの株式会社CA Tech Kids が運営する「Tech Kids School」に通うお子さんにレビューを都度もらいながら、UXのほうを磨いていくというようにしています。また、カリキュラム自体も実際に子供に教えた経験のあるメンバーが作っているので、かなり子供目線に寄り添った設計を重視しています。

―――高橋さんの構想の中では、CA Tech Kidsと組むというのは入っていたのですか

高橋氏:CA Tech Kidsは2013年から小学生向けプログラミング教育事業を始め今までで延べ約3万人の子供たちにプログラミングを教えているという実績もあったので、当初から一緒にやりたいと考えていました。

プログラミング的思考を身につけて欲しい


―――「キュレオ」がリリースとなりましたが、着想段階と実際のアウトプットの段階で、変更した部分はありますか


高橋氏:そうですね、正直着想からは大きく変わったなと思います。最初の着想は、どちらかというと初めてプログラミングに触る子が初見で「すごい楽しい!」と感じてくれるような、学習寄りというよりも少し単発の体験寄りに近いものを考えていました。ただCA Tech Kidsと一緒にサービスをつくるという点と、2020年のプログラミング必修化などいろいろ見据えて、単発の体験で終わるのではなく、継続的にプログラミングの概念をしっかり学べる方針にシフトしました。且つ「アプリボットが開発している」というゲーム会社の強みを生かして、ゲームの要素を取り入れながら楽しく継続的に学べるように変更しました。

―――レッスン数は300程度でしょうか

高橋氏:はい、レッスン数は480です。1年から2年以上は学習できるコンテンツになっています。

レッスンの内訳は、基礎を学ぶメインレッスンが300レッスン、応用復習のレッスンが180あるので、延べでいうと480レッスンあります。

―――「キュレオ」を通してどういったスキルが身につくのでしょうか

高橋氏:一言で言うと「プログラミング的思考を身につけて欲しい」ですかね。分解すると、プログラミングを行う上での、思考方法を訓練し、その思考を実現するためのツールとしてプログラミング概念を理解し身につけるということです。「キュレオ」では一つのレッスンを通じて、一つのゲームを作り上げる設計になっています。まず最初に、そのゲームがどのようにできているのか、たとえば、主人公、敵、ステージの動きをを分解して考えてもらいます。それがゲームの設計図になります。その後に、その"設計図"をもとにプログラミング概念を学び、使いながらゲームを完成させる流れになっています。そのため楽しく身近なゲームを作る中で、自然と何度もモノの設計を考えるクセと、プログラミング概念を身につけることができます。

―――昔はゲーム機を分解したり、おもちゃを分解したり。いまはそういった体験は少なくなってきている気がします

高橋氏:たしかにいまは子供がゲームを分解して作るというよりも、比較的プレイする頻度の方が多くなっている気がしますね。

―――いろんなものを「消費」するだけで終わっている人が増えている気がして。生産する人が増えるためにはどうしたらよいですかね

高橋氏:21世紀という時代に関しては、たくさん情報がある中でそれをインプットして消化しているだけではなく、それをどう取捨選択して「正解を自分で定義」してモノを創れるかというのが重要な力になってくると思います。

よく「ルールを自分で作れる人材が必要だ」と言われていますが、それに近い話かと思います。その一番の入り口にこの「キュレオ」がなればいいと思っています。ゲームを作る過程の中で、いろんな子供の創造力を引き出すことができたらなと思っています。

―――大人でもゲームが好きで、自分でもゲームを作りたいと思っている人たちは、そういう人たちでもキュレオをやればゲームを作れるようになるのでしょうか

高橋氏:なれます。プログラミングも英語と同じだと思っていて、学ぶ時期や年齢などは関係ないです。「キュレオ」はプログラミングを誰でもどこでも学べるようにつくったサービスなので小学生向けではあるのですが、大人の方でもぜひ使っていただきたいです。


―――「プログラミング教育」といっても色々ありますが、最も重要視しているポイントはありますか

高橋氏:「プログラミング的思考を学んでもらうこと」、です。ただプログラミングの概念を学ぶこと、モノをつくる、という行為を引き出すために大事なのが「好奇心」だと考えています。なので、好奇心(キュリオシティ)と創造力(クリエイティビティ)を合わせて「キュレオ」というサービス名にしました。こういうことをやったら面白いんじゃないかな、というのをうまく引き出してあげることを大切にしているので、好奇心や創造力を引き出す設計を意識しています。


そのためにも子どもの好きなもの、好奇心・テンションの上がるものをより知るために、子供のレビューを通じてその感覚を深めていったというところと、プログラミングコースのゲームを作る中で、ゲームが完成した後の余白をうまく作ることにより、子供のアイデアを引き出す設計にしています。継続して学習するための好奇心を引き出してあげることが最重要なのかなと思います。

21世紀を生き抜ける人材を増やしたい


―――「キュレオ」を通して成し遂げたいことは

高橋氏:21世紀を生き抜くことのできる、”創り手”を増やしていきたいですし、そのためにもまずはモノを創ることの楽しさを学んでほしいです。プログラミング教育も盛り上がってきていますが、まだまだ地域格差などもあり、子供全員に行き届いているわけではないと思っています。そこで、オンラインだからどこでも学ぶことが可能で、質の高い約3万人の子供たちに教えたノウハウが詰まっているカリキュラムがある「キュレオ」を通じて、できるだけ多くの人ひいてはグローバルに、数千万人規模で、プログラミングの入り口を学んでもらえるようにしたいと思っています。最終的には、新しい21世紀型の教育サービスだねと言われるような状態を目指したいと思っています。

―――今回はCA Tech Kidsと連携してますが、CAグループ全体でほかに連携は?

高橋氏:もっと生かせるところはあるんじゃないかと思っています。例えばですが、SGEにはゲームクリエイター、イラストレーターがたくさんいるので、うまく「キュレオ」で学んでいる子供たちの作品のアウトプットと結びつけたりできたらいいなと思います。

―――今後の「キュレオ」としての計画など

高橋氏:2020年の必修化に向けて「教える人が少ない」「教材が少ない」という課題もあり、事業者の皆様からのニーズが高いので、まずはそこに応えられるということを目指しています。最終的な目標でいうと、より多くの子供たちの手に取ってもらえて学べるという状況を整えていきたいので、ニーズに応えながら「キュレオ」のプロダクトを子供がもっとハマるものにして、子供が小学校で「キュレオ」の話をしてくれるようなところまで持っていけたらなと思います。

―――高橋さんの夢を教えてください

高橋氏:学生の時からずっとモノづくりをしたいという気持ちが強くて。でも絵が描けたり、プログラミングができたわけではなかったので、実際に「キュレオ」のサービスづくりを通じて、モノやサービスなどを作ることってすごく楽しいなと実感しました。最終的に「キュレオ」で学んだ子供たちが大人になった時に「キュレオがきっかけで今モノづくりに携わっています」という子が出てきたら、開発者冥利に尽きますね。

―――最後にお子さんに向けてメッセージを。

高橋氏:これからの未来を作っていくのは君たちだし、そのために「キュレオ」を通じていろんなゲーム作りをしてほしい。そして世の中をあっと言わせるものを作ってほしいです。

―――ありがとうございました


さまざまなスキルが必要とされていくなかプログラミング的思考はこれからの時代を生き抜く上ではより大切になってきます。今後『キュレオ』がどういったサービスを展開していくか、注目です。
《森 元行》

森 元行

海外のゲームショウにてeスポーツの大会に出会い衝撃を受け、自身の連載「eスポーツの裏側」を企画・担当。プロプレイヤーはもちろん、制作会社や大会運営責任者、施設運営担当者など「eスポーツ」に携わるキーマンに多くのインタビューを実施。 2022年3月 立教大学大学院 ビジネスデザイン研究科 博士課程前期課程(修士/MBA)修了。

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