人生にゲームをプラスするメディア

新会社KADOKAWA・DWANGO設立を正式発表 、統合の要点をチェック

ドワンゴとKADOKAWAは、経営の統合契約書の締結し、両社の完全親会社となる新会社KADOKAWA・DWANGOを2014年10月1日に設立すると正式発表しました。

ゲームビジネス その他
ドワンゴとKADOKAWAは、経営の統合契約書の締結し、両社の完全親会社となる新会社KADOKAWA・DWANGOを2014年10月1日に設立すると正式発表しました。

ドワンゴは、モバイル端末向けコンテンツ配信サービスやゲームソフトの開発・販売、ライブイベントの運営、日本最大級の動画サービス「niconico」を展開し、その扱うコンテンツの独自性や特異性、ユーザー同士のコミュニケーションから生まれる創作文化の支持を受け、「ネット」と「リアル」が融合する次世代ネットワーク・エンタテインメント分野での事業展開を推進。「niconico」は、2014年3月末現在で登録会員数3,936万人、有料のプレミアム会員数223万人を有するプラットフォームに成長しており、今までにないユニークなサービスの創造に継続的に取り組んでいます。

KADOKAWAは、出版事業、映像事業、版権事業、デジタルコンテンツ事業等を行い、コンテンツ創出力とブランドを活かして、世界で通用するIP(知的財産)の創出と国内外での事業展開の強化に向けて邁進。2013年10月に、連結子会社9社を吸収合併し、事業会社としての強固な基盤を確立するとともに、IPを核とした多様な領域をカバーするメガコンテンツパブリッシャー、デジタルコンテンツプラットフォーマーとして、新たなサービスに挑戦しています。

◆両者の統合の経緯と目標・目的


■デジタルコンテンツの利用拡大を背景に
近年、外出時も大容量通信を利用できる環境が整備されたことで、スマートフォンやタブレット端末等の急速な普及とともに通信機能を備えたデバイスの進化と多様化が進んでいます。そのような中で、ドワンゴとKADOKAWAは、持続的な成長を図るために両社の得意分野を連携させ、より付加価値の高いコンテンツや新規サービスを提供することを目的に、2010年10月に包括的業務提携を行い、翌2011年5月に資本提携を行いました。また、2012年3月には新しい形の広告サービスを開発を目的にドワンゴの子会社であったスマイルエッジを合弁会社化しています。

これらの事業提携が順調に進み、両社のビジョン、経営方針及び両社を取り巻く環境を総合的に勘案した結果、両社の提携関係をより一層強化することが相互の経営戦略に合致するものであるとし、両社が経営統合を行うことでそれぞれの経営資源を有効活用することが、ユーザーを含めたあらゆるステークホルダーの期待に沿えるものとの認識に至り、ドワンゴとKADOKAWAにより統合持株会社を設立し、経営統合を行うことを決定したとしています。

■ネットとリアルを融合した世界に類のないコンテンツプラットフォーム
経営統合は、デジタル化とインターネット技術が進展するなかで、ドワンゴの有する技術力及びネットプラットフォームとKADOKAWAの有するコンテンツ及びリアルプラットフォームを融合させ、ネット時代の新たなビジネスモデルとなる“世界に類のないコンテンツプラットフォーム”を確立することを目指します。また、中期的には“進化したメガコンテンツパブリッシャー”として、ネット時代の新たなメディアを築くことを目標としています。

■見込まれる相乗効果
・ドワンゴのプラットフォームの更なるユーザー数増加と広告収入増加
ドワンゴのネットプラットフォームとKADOKAWAのコンテンツを融合させた新たなビジネスモデルのもとにプラットフォームを強化し、ドワンゴのプラットフォームの更なるユーザー数の増加・広告収入の増加という好循環を生み出します。

・KADOKAWAの編集力でドワンゴのプラットフォーム上のUGCをプレミアム化
KADOKAWAの優れたコンテンツ編集力を活かし、ドワンゴのプラットフォーム上でUser Generated Content(UGC=ユーザー生成コンテンツ)として創出される多様なコンテンツをプレミアム化し、メディアミックスを含めたKADOKAWAの販売・流通施策を通じてKADOKAWAにおけるコンテンツ販売事業を最大化します。

・ドワンゴの情報展開力とKADOKAWAの取材編集力による新しいメディアの構築
ドワンゴのネットプラットフォームにおける情報展開力とKADOKAWAの情報取材・編集力を活かし、他のマスメディアを補完するネット時代の新しいメディアを構築します。


◆新会社 KADOKAWA・DWANGOについて


名称:株式会社KADOKAWA・DWANGO
英文社名:KADOKAWA DWANGO CORPORATION
所在地:東京都千代田区

事業内容:
出版事業、映像事業、版権事業、デジタルコンテンツ事業、ネットワーク・エンタテインメント・サービス及びコンテンツの企画・開発・運営、動画コミュニティサービスの運営等を行う会社の経営管理及びそれに付帯又は関連する事業等

資本金:200億円
決算期:3月末日
純資産:現時点で未確定
総資産:現時点で未確定

■代表者及び役員の就任予定(敬称略)
代表取締役会長:川上量生(現:ドワンゴ 代表取締役会長、KADOKAWA 取締役)
代表取締役社長:佐藤辰男(現:KADOKAWA 取締役相談役、ドワンゴ 社外取締役)
取締役相談役:角川歴彦(現:KADOKAWA 取締役会長)
取締役:荒木隆司(現:ドワンゴ 代表取締役社長)
取締役:松原眞樹(現:KADOKAWA 代表取締役社長)
取締役:浜村弘一(現:KADOKAWA 常務取締役)
取締役:夏野剛(現:ドワンゴ 取締役)
取締役:小松百合弥(現:ドワンゴ 執行役員)
社外取締役:船津康次(現:KADOKAWA 社外取締役)
社外取締役:星野康二(現:ドワンゴ 社外取締役)
社外取締役:麻生巌(現:ドワンゴ 社外取締役)
監査役(常勤):高山康明(現:KADOKAWA 監査役)
監査役(常勤):初本正彦(現:ドワンゴ 内部監査室室長)
監査役(非常勤):渡邊顯(現:KADOKAWA 社外監査役)
監査役(非常勤):鈴木祐一(現:ドワンゴ 社外監査役)

※浜村弘一氏の「浜」の字は正しくは旧字体、高山康明氏の「高」の字は正しくは異字体です。ウェブサイト表記の都合上、新字体及び常用漢字にて掲載しております。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

経営方針、計画及び業績見通し等については、今後両社で検討していき、確定次第発表となる模様です。

インターネットにおけるメディア展開に強いドワンゴと、豊富なIPを持ちリアルでのメディア展開に強いKADOKAWAの経営が統合されることで、これまでの両社の事業の拡大や、新たなメディアの創出は成されるのでしょうか。今後の動向に注目です。
《津久井箇人 a.k.a. そそそ》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

ゲームビジネス アクセスランキング

  1. 【GDC 2009】とりあえず行列速報・・・岩田社長キーノート(2)

    【GDC 2009】とりあえず行列速報・・・岩田社長キーノート(2)

  2. 【GDC 2009】任天堂・岩田聡社長 基調講演 速報(3)

    【GDC 2009】任天堂・岩田聡社長 基調講演 速報(3)

  3. 【GTMF2013】ヤマハによるアミューズメント向け次世代 GPU と開発環境

    【GTMF2013】ヤマハによるアミューズメント向け次世代 GPU と開発環境

  4. 【GDC 2015】2人で作って10億円を稼いだ『クロッシーロード』のサクセスストーリー

  5. 任天堂、ロゴを変更?

  6. 任天堂との決裂、イノベーションでなし得た初代プレイステーション立ち上げ秘話(1)

  7. NESTAGE、「wanpaku」「TVパニック」など14店舗を閉鎖

アクセスランキングをもっと見る