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【ファミコン生誕30周年企画】全国キャラバンこそ俺たちのスタンド・バイ・ミー『スターソルジャー』

ファミコン発売30周年を記念して、INSIDEとGame*Sparkの編集者とライター陣が送る「ファミコン生誕30周年企画」1973年生まれファミコン世代ど真ん中と言っても過言ではない筆者の選んだ思い出の1本はハドソン(現コナミ)のシューティングゲーム『スターソルジャー』です。

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ファミコン発売30周年を記念して、INSIDEとGame*Sparkの編集者とライター陣が送る「ファミコン生誕30周年企画」1973年生まれファミコン世代ど真ん中と言っても過言ではない筆者の選んだ思い出の1本はハドソン(現コナミ)のシューティングゲーム『スターソルジャー』です。

■正統派連射命の縦シューティング
『スターソルジャー』は前年の1985年に発売されたアーケードからの移植作『スターフォース』の流れを汲む作品で、地上、空中の敵をショットのみで撃ち落とすというシンプルな縦スクロール型シューティングゲームです。自機は3段階パワーアップができ、当時流行していた隠しキャラやボーナス、画面いっぱいの巨大ボスキャラクターなどが盛り込まれ、スコアアタックがとても熱い作品でした。

■ファミコンブームと全国キャラバン
と、ゲームの内容だけを書くと、オールドスクールな良シューティングゲームなのですが、このゲームを取り巻く環境が当時のファミコンブームを象徴しており、当時の筆者もこの熱気に当てられた内のひとりでした。『スターソルジャー』は前年から始まったハドソンの全国キャラバン第2回公式認定ソフトとして開発、発売されました。この全国キャラバンはその名の通り、日本全国を北、南に分け、夏休み期間中巡業スタイルでゲーム大会を開催し、各会場ワン・デイでのチャンピオンとキャラバン総合でのグランドチャンピオンを決める、ファミコンゲーム大会の最高峰として位置づけされる権威ある大会でした。

インターネットもなく、ファミコン情報誌も月刊の時代に得られる全国キャラバンの情報は、タイアップをしていた小学館のコロコロコミックが最速でした。当時四国の地方都市に住む中学生だった筆者は、弟が購読していたコロコロの『スターソルジャー』情報を読みあさり、同級生のゲーム仲間と大会に出よう!
と日々『スターソルジャー』の特訓を行ない、好不調の波はあるものの、予選通過ラインと言われる2分間で30万点のスコアが出せるようになったのです。

■ファミコン戦士の冒険
しかし、筆者たちが大会に出るのにはひとつ大きなハードルがありました。それは一番近い会場が50kmも離れた都市にあること。電車で行くとなると往復で1600円ほど必要となるが、中学2年生だった当時の筆者たちにとって交通費としての1600円は大金でした。そこで浮上した案が自転車で会場まで行くという案。会場のデパートは9時オープン、出場は先着順なので少なくとも開店1時間前ぐらいには会場に着かないと話しにならないのでは?
と予想し、早朝の4時に家にあった麦茶を水筒に詰め込み、置き手紙をして家を抜け出し、夜明け前で大型トラックが往来する国道を会場目指し自転車をひたすら漕ぎました。

■いざ決戦!
片道3時間ちょっとの道のりを経て、会場のデパートについた時は高橋名人に会える!
勉強も運動もダメだけど、ゲームなら人に認めてもらえる、今日はその第一歩だ。と興奮しながらデパートの開店を待ちました。開店後、猛ダッシュで屋上まで走り参加の整理券をゲット。会場で高橋名人を探すも、当時すでに有名人で多忙だった高橋名人は来場しておらずガッカリしましたが、本題はゲーム大会。予選では多少ミスをするも20万点台後半で決勝進出を果たしました。筆者と一緒に出場した友人は調子が悪く予選落ち。友の分まで!
と意気込んだ決勝戦でしたが、決勝の5分間モードはあまり練習をしておらず、全くお話にならないスコアで終戦したのでした。

■ファミコンが生んだひと夏の経験、それはPriceless!
それでも何百人という出場者の中からファイナリストになれたことや、親に内緒で見知らぬ都市まで自転車を漕いでその思いを成就させたことは筆者の生きる自信となりました。今でも『スターソルジャー』というソフトを見ると、この夏の記憶が鮮明によみがえります。そして何の因果か、こうやってファミコン30周年を祝うコラムを書いているわけですが、あの時の筆者からの声が聞こえた気がします。「書くネタに困ったらこのコトを書けばいいよ」と。

著者紹介
DOG COMIC
Game*Sparkのライター

(c)Konami Digital Entertainment
《Game*Spark》
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