7月4日は、恒例のオープニングセレモニーからスタートした。MCは海外の日本カルチャーファンに人気のダニー・チューさんが務めた。ダニー・チューさんが、日本からのゲストを次々に紹介するたびに大きな歓声があがった。アーティストからはPorno Graffitti、声優からは潘めぐみさん、井上和彦さん、そしてアニメ演出の古橋一浩さん、演出・アニメーターの黄瀬和哉さん、湯浅政明さん、アニメーターの佐々木啓吾さんほか、プロデューサーまで多彩なゲスト陣はイベントの幅広さも感じさせた。
イベントの組み方やスケジュールなどは老舗らしく、例年までの実績を踏まえた手堅いものとなっている。複数の会場で同時開催されるパネルイベント、コンサートやコスプレ、カラオケ、AMVなどのステージイベント、ワークショップ、上映会などが効率よく続く。また、目玉のひとつ、企業出展や物販が並ぶエキビジョンホールもある。ただし、10数個の企画が同時並行しているので、全てを見るのは難しい。
パネルイベントでは、日本からのゲスト出演や企業ごとの発表、テーマ別トークなどが行われる。初日には、早速、ファニメーション、NISアメリカ、センタイフィルムワークス、アニプレックス・オブ・アメリカ、などが新作紹介や新たな米国発売作品の決定発表などをした。こうした企業は展示会場にも、自社ブースをだし、自社を大きくアピールする。
4日は、日本からイラストレーターhukeさんやグッドスマイルカンパニー安藝貴範社長、ウルトラスーパーピクチャーズ松浦裕暁社長、MAX渡辺氏らがゲスト参加したトークパネルが大きな人気を博した。
従来の現地の日本アニメ・マンガ関連企業に加えて、こうした日本企業が日本から直接アニメエキスポに参加するのは、新たなトレンドになっているようだ。グッドスマイルカンパニーは会場に企業ブースを設けたほか、米国法人もあるブシロードやアニプレックスなども見られた。日本のアニメ会社が共同設立した海外向けアニメ配信会社DAISUKIが新たに大型ブースを設けたのは大きなトピックだろう。
パネルトークでも、サンライズやバンダイナムコゲームス、プロダクション I.G、コミックス・ウェーブ・フィルム、トリガー、講談社コミックス(USA)などの名前がある。近年、米国市場からの撤退が目立った日本企業だが、新たな動きを感じさせる。
そうした明るい雰囲気は会場にも見られた会場は、多くのコスプレイヤーで賑わい、企業ブースや物販が行われる展示会場の盛況も印象的だった。米国で不振を伝えられる日本のアニメ・マンガだが、ここだけを見るとそうしたムードはあまり感じられない。
それは米国のエンタテイメント市場の構造が大きく変わりつつあることも理由かもしれない。特に印象的だったのは、ビジネスとしてのDVD/BD、マンガ単行本(グラフィックノベル)の後退だ。
各社発表でも、新作ライセンスの獲得は配信リリースが映像ソフトのリリースと同等に扱われている感じだ。マンガ出版の大手VIZメディアもマンガアプリやネット配信のプロモーションに力を入れる。展示会場でも、DVDやマンガの販売は以前に比べて随分と減少した印象だ。ファンの作品への接触は、デジタルに大きくシフトしつつあるようだ。日本のアニメ、マンガビジネスの変化が、アニメエキスポには先鋭的に表れているのかもしれない。
[数土直志]
アニメエキスポ2013(Anime Expo 2013)
http://www.anime-expo.org/
米国最大!アニメエキスポ2013始まる 日本企業の積極的な参加もトレンドに
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