人生にゲームをプラスするメディア

【FGS5】Flashゲームを「Unity 3D」を介してスマートフォン対応を実現する

Berzerk Studioの共同創業者であるSmon Lachance氏は「Flash Gaming Summit 5」で講演し、同社が取り組んできたFlashからゲームエンジン「Unity 3D」を介したスマートフォンへの移植手法について語りました。

モバイル・スマートフォン iPhone
Berzerk StudioのSmon Lachance氏
  • Berzerk StudioのSmon Lachance氏
  • Berzerk Studioは2008年設立のゲームスタジオ
  • なぜUnityを選んだのか
  • どのように実現したのか
  • 3つの問題点
  • アセットを移植する際の問題点
  • コードを変換する際の問題点
  • 実際のゲームのコードから
Berzerk Studioの共同創業者であるSmon Lachance氏は「Flash Gaming Summit 5」で講演し、同社が取り組んできたFlashからゲームエンジン「Unity 3D」を介したスマートフォンへの移植手法について語りました。

Berzerk StudioはFlashで開発された数多くのカジュアルゲームを提供している会社で、『Berzerk Ball』『Delivery Man』『PeaceKeeper』『Sands of the Coliseum』『Berzerk Battle』などのタイトルがあります。ゲームは同社のウェブサイトで遊ぶ事ができ、広告がメインの収益源となっています。そんな同社は近年スマートフォンにも力を入れています。

スマートフォンを視野に入れるようになった同社は、ちょうど認知度を上げてきたゲームエンジンのUnityを用いてFlashからスマートフォンへの移植を実現しています。Unityを選択した理由としては一度制作すればiOSとAndroidの両方で展開できる事、搭載されているスクリプト言語「Unity Script」がFlashのActionScriptと非常に良く似ている事が挙げられました。

異なる開発環境に移植する際には問題もあります。Lachance氏は「(1)イラスト素材の変換」「(2)アニメーションデータの変換」「(3)コードの変換」の3つが課題だったと言いいます。素材ではベクターデータからテクスチャマップに変換して利用する必要があり、コードについては定型的に変更を加える必要があったようです。置換で対応できる箇所は強引にやりつつ、もちろん、それでは不可能な部分も出てきたようです。また、単に置換だけではパフォーマンスは充分ではなく「Unity Profiler」を使いながらドローコールの削減などに取り組んだとのこと。特に「==null」の処理には時間がかかる事が分かったそうです。

移植に要した日数は『Berzerk Ball』で80日だったのが、『Delivery Man』では15日、『PeaceKeeper』では10日、『Frantic Frigate』では4日間と現在では非常に短く抑えられています。Unity TechnologiesではUnity→Flashの生成には対応していますが、逆もまた有りなのかもしれません。

最後にLachance氏はこの手法の利点、不利な点を語り、大きいポイントとしては移植にかかる時間とコストがかなり削減できる点を挙げ、難しい点としては2つのソースコードとアセットを管理することによるメンテナンスの困難さを挙げていました。

「それなら最初からUnityで作ればいいじゃん?」というツッコミもありそうですが、アーティストがFlashのワークフローに慣れてしまっている点や、ブラウザ版を作る際にUnityは素材でベクターデータを使えないので容量が大きくなってしまうという点が指摘されていました。
《土本学》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

モバイル・スマートフォン アクセスランキング

  1. 『ウマ娘』マヤノトップガンの勝負服デザイン調整―国旗風ワッペンが差し替えに

    『ウマ娘』マヤノトップガンの勝負服デザイン調整―国旗風ワッペンが差し替えに

  2. 全メガネ好きに見てほしい『アリス・ギア・アイギス』のメガネー「鼻パッドの質感を調整」ってどういうこと?

    全メガネ好きに見てほしい『アリス・ギア・アイギス』のメガネー「鼻パッドの質感を調整」ってどういうこと?

  3. 箱庭アプリ『ようこそ!ムーミン谷へ』事前登録開始…自分だけの“ムーミン谷”が楽しめる

    箱庭アプリ『ようこそ!ムーミン谷へ』事前登録開始…自分だけの“ムーミン谷”が楽しめる

  4. 「アニメ「AKIRA」LINEスタンプ配信開始、「さんをつけろよデコ助野郎!!」など

  5. 『ウマ娘』で一番“大食い”なイメージがあるのは?得票率91%で絶対王者が誕生!【アンケ結果発表】

  6. 【特集】『FGO』主人公って「マスター」以外になんて呼ばれてる?子ジカにオタクに黒騎士まで!

  7. 『FGO』第2部の前にストーリーを振り返ろう~第六特異点キャメロットの巻~【特集】

  8. 『ウマ娘』ついに言った!スペシャルウィーク本人の「あげません!」が正式実装

  9. ゲームで走るのも『激突トマラルク』以来約20年ぶり―ソロ活動20周年を飾る、HYDEさん全面監修のスマホゲーム『HYDE RUN』が2021年7月中旬配信

  10. ガチャの偏りって、本当にあるの? 約28万円課金した二人組の装備ボックスを見比べて思うこと【ドラクエウォーク 秋田局】

アクセスランキングをもっと見る