登壇者は福岡市長の高島宗一郎さんと、レベルファイブ社長の日野晃博さんです。昨年の当イベントでも予定されていたトークですが、東日本大震災の影響によって中止を余儀なくされていました。トーク全体としては、福岡がゲーム都市としてどのような未来を迎えることが出来るのか、その実現に向けての具体的な話がなされました。
まずGFFの軌跡について述べられました。「サイバーコネクトツーの松山洋社長、ガンバリオンの山倉千賀子社長と飲むことがあって、それぞれでイベントをやったり会社説明会をやったりしたと情報交換をしていた」と日野社長は切り出しました。「一番問題なのは、ゲーム業界というかゲームの会社が福岡にあることをみんな知らないんじゃないかと。会社説明会をしても人の集まりが緩かった。あまり人が来ないし、優秀な人を集めるのは大変だよね、という話をしてた時に、だったらゲーム業界ここにありってことをちゃんと言おうかって話になって、最初は3社で共同でゲーム会社が福岡にありますって主張するためのイベントをやろうと。それが最初のGFF」。
GFFは2004年からコンシューマーやゲームクリエイター志望者を対象としたイベントを年1回開催してきました。これまで『ドラゴンクエスト』シリーズのシナリオでも知られる堀井雄二さん、『.hack』シリーズでもキャラクターデザインをしている貞本義行さんなども招いています。『ドラゴンクエスト』はVIIIとIXをレベルファイブが、『.hack』はサイバーコネクトツーが開発している縁です。
「それから次々にGFFとイベントをやりたいと会社も現れてきまして、福岡の産
業の1つとしてのゲームビジネスというものが、だんだんと発展してきてるんだ
なというのは感じました」。正式に産学官となってからは、リクルーティング
にも力を入れ始めています。「情報交換が出来るというのもあるんですけど、
心の支えになります。お酒を飲みながら他の人の苦労話を聞き、お互い苦労話
をし合うことによって勇気づけられるというか、こちらも頑張んなきゃってい
う、その効果は大きいですね」。
高島市長は「ロールプレイングをする時間がなくてですね、レース的なものが
多いんですけど。現実がロールプレイングより色々大変だったりするんですよ。でも今みたいなイメージを変えていく、これからのコンテンツとか、未来を拓いていく上で、例えば会社の社長室にお邪魔するとですね、そりゃあもう、ここはどこっていうくらいにお洒落。福岡にもこんなお洒落なカフェとかないよねっていうくらい、凄くお洒落な空間があって凄くこだわりがある」。軽く笑いを取ったところで、まずは会社の環境に触れました。
そして「色んな取材が日野社長のとこにくるなかで、ゲーム業界というものが、いわゆるオタクがパソコンに向かってカチカチやっているわけじゃなくて、凄くカッコいいんだというような部分ってのをしっかり発信していくという責任感の中で、凄くお洒落な空間に仕上がっている。切り開いていく人ってそういう細部に神は宿って、こういう細かいとこにまで真剣に取り組んでいる人が業界自体を変えていく。そのパワーがレベルファイブ・日野社長にあると思いますね」と環境を評価しました。
それを受けて「イメージ作りは凄く大事にしてて、福岡にレベルファイブという会社があって、日本中に発信してますとかゲーム業界のイメージはこんなに楽しいとこですとか、そういうのを代表的な立場になって、ちゃんと発信していこうと。市長が言われたように、そういう意思を持てているということは上手くいってるんだなあと思います」と日野社長。
その一方で「正直な話を言うと、まだまだ感じきれていない。連携によって大きな効果が出てるかというと、そこまで出てないと思う。これからやっぱり連携したことによる効果を出さないとならない。今回色々と高島市長の方に準備をして頂いてるようなので、僕はそれに凄く期待している状態ですかね」と今後を見据えました。
それから産学官連携について高島市長。
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