KDDIの内藤幹徳氏(商品開発統括本部 au商品開発部長)は、携帯電話のマーケットについて「2010年の段階で、国内における携帯電話の総契約数は1億1,700万回線を突破しているが、このうちスマートフォンの契約数が伸びており、数年後には50%を突破する見込み」と説明する。KDDIでは、いまau製品のラインナップとして3つの大きな柱を持っている。
1つ目の柱は前述のスマートフォンだ。ワンセグ・赤外線やFeliCaといった日本ならではの機能を持つ「IS03」「REGZA Phone IS04」、さらにWiMAXやWiFiルータ機能(テザリング)を備える「htc EVO」などのAndroid端末を用意している。2番目の柱はマルチデバイスだ。マルチデバイス市場では、ネットに接続できる家電(テレビ端末、カーナビ)や、通信モジュールが組み込まれた製品(デジタルフォトフレーム・電子書籍端末)が増加している。同社でもこの分野に注目しており、3Gで通信するデジタルフォトフレーム「Photo U」、3GとWiFiをサポートする電子書籍端末「biblio Leaf」、WiFiタブレットとして 「SMT-i9100」や、最新のAndroid3.0を搭載した「XOOM」を順次マーケットに投入してきた。また3番目の柱としてデータ通信専用端末もある。WiMAXとCDMAをデュアルサポートするUSB端末「Data01/02」および、IEEE802.1b/gとCDMAを利用できるWiFiルータ「WiFiWalker」がある。
今後大きな伸びが予測されるスマートフォンと、従来の携帯電話との違いとは何だろうか? ハードの視点で見ると、両者は複数のアンテナ・インターフェイスが混在しているが、スマートフォンではでディスプレイの大型化や電池の高容量化が進んでいる。そして携帯がキーパネル入力であるのに対し、スマートフォンがタッチパネルであるという違いも大きい。実際にディスプレイの大型化については、ここ10年間で画面サイズが2インチから3.5インチへ、解像度は132×176ドットから640×960ドットになった。カメラの性能も35万画素から957万画素と大幅にアップしているし、電池容量も1,020mAhまで性能を上げている。また、メインCPUのマルチコア化、液晶やカメラなどのデバイスも進化し、それが携帯端末のスペックに大きく貢献しているという。
さて、今後のデバイス関連の注目分野はどのように変化していくのだろう? 内藤氏は「ディスプレイ」「入力デバイス」「省電力」「小型化・薄型化」という4つの基本機能についての改善点を挙げた。
まず液晶ディスプレイに着目してみると、携帯電話では3インチ程度、スマートフォンでは3~4インチで落ち着くものとみているが、タブレットPCでは5~12インチになると予測している。KDDIでは最近もう1つの注目分野として、電子書籍端末にも力を入れているところだ。そして「電子ペーパー」も省電力化という意味で大きなポイントになってくる。すでに同社では、モノクロ電子ペーパーを採用し、読みやすさを追求した電子書籍端末「biblio Leaf」を発売しているが、「写真や挿絵を含む雑誌に対応するためには、カラー化された電子ペーパーが必要だ」(内藤氏)という。
そして今後のディスプレイに求められるキーワードは「裸眼3D化」「HD化」といった高機能化や、省電力化、高視認性・広視野角、低コスト化だという。また入力タッチデバイスでは、精度を上げるためにデバイスのノイズ耐性を上げ、タッチイベントを多く認識するチューニングが容易に行える環境も重要だ。特に内藤氏は「ぬめり感(滑らか)のある描画を実現したい。そのためにLCDのハードの処理速度を上げたり、ドライバやファームウェアでソフト的に処理速度を上げる工夫も行いたいところだ」という。
一方、バッテリに関しては過去の改善案として、省電力モードの追加、低消費デバイスの採用、太陽電池などの補助バッテリの実装、省電力に対応した無線プロトコルの積極採用などを挙げた。省電力のポイントとしては、「電池は容量を増やすだけでなく、電力消費をどのように引き下げていくのかという点がカギとなる」(内藤氏)と語る。たとえば、かつて携帯電話ではメール・通話機能しかなかったが、音楽やゲーム、ワンセグなどの機能が実装され、さらにスマートフォンになってから液晶の大型化に加え、Skypeやマルチ放送、WiMAX通信、テザリングといった機能も追加されるようになってきたからだ。とはいえ、機能が増えてくるとバッテリの大容量化だけでは対応できなくなるかもしれない。そこで内藤氏は「まだまだ課題はあるものの、出先などで充電の機会を増やすような仕組み、たとえばワイヤレス充電が可能となるようなスポットをつくることも考えていくべきだ」と語る。
4番目の改善点としてユーザーから聞かれるのが、小型化・薄型化への要請だ。これには、内蔵部品やインターフェイスの小型化・削減に加え、部品点数を削減するためのモジュール化なども効果的だという。このほかにも、メイン基盤の集積・小型化、液晶パネルのバックライトをメイン/サブ系統で共用なども効いてくる。まだまだ、スマートフォンとしての課題は多くの残されているのだ。
【FINETECH JAPAN 2011(Vol.9)】今後のスマートフォンに求められるもの……KDDI 内藤幹徳氏
《井上猛雄@RBB TODAY》編集部おすすめの記事
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