■非常に設置が簡単な「YSP-2200」
場所はRBB TODAY編集部のあるオフィスの応接室。広さは12畳ほどで、大型テレビとBlu-rayプレーヤーがすでに設置してあった。ここにホームシアター「YSP-2200」を設置することにした。なお、テレビはソニー製46型の「46LX900」、Blu-rayプレーヤーは薄型・コンパクトなソニー製「BDP-S470」。どちらも3D映像に対応する最新モデルだ。
前回のレポートの通り「YSP-2200」は、テレビの前方スペースに設置するタイプだ。本体の幅は944mm、奥行きは145mmと非常に細長く、底面には丸い脚部がついており、高さが79~89mmまで調整できるようになっている。脚部どうしの間隔は714mmと広めに取ってあり、テレビの台座を「またぐような」感じで配置することが可能だ。ボディは黒いシックなデザインと相まって、部屋にしっくりと調和。4.3kgとさして重くはないため、女性でも簡単に置けるだろう。サブウーファーは縦横自由に置けることから、好みに応じて設置すればよい。
スピーカーの設置が終わったところで、次は配線へ。テレビ、Blu-rayプレーヤー、「YSP-2200」の間はHDMIケーブルを動脈とする。「YSP-2200」の背面にはHDMI入力が3系統、HDMI出力(ARC)が1系統用意されている。この「YSP-2200」の入力・出力を中継地点として、テレビ、Blu-rayのサラウンド音声が構築されることとなる。まずBlu-rayプレーヤーはHDMI出力から、「YSP-2200」の任意のHDMI入力端子へ接続。そして「YSP-2200」のHDMI出力(ARC)から、テレビのHDMI入力(ARC)へ接続。これで3者間の接続は完了する。加えて今回は、ビーム音の設定を行なう際にテレビでのモニタリングが必要なことから、コンポジットでテレビと「YSP-2200」とをつないだ。それでも出ているケーブルはわずか3本。非常にスッキリとした見た目である。
今回使用した「YSP-2200」「46LX900」ともに、昨年から施行されたHDMIの新規格、HDMI1.4に対応。テレビ側の音声をホームシアター側に逆転送する「ARC(Audio Return Channel)」の恩恵を受けることから、これまでのようにテレビ側からホームシアター側へ必要としていた光デジタル音声ケーブルが不要。この新技術対応も配線の少なさに寄与しているわけだ。
ちなみに注意点として、「YSP-2200」による音の反射を考慮すると、なるべく反射方向の障害物は取り除いておく。「YSP-2200」はフロントスピーカーが内包する16個の小スピーカーから“音のビーム”を放出し、壁面反射をもって7.1chサラウンドを構築する画期的なシステム。より効果的なサラウンドを実現するためには、できる限り反射方向に音を遮るものがない方が望ましい。
■映像の3D化に伴い、今後は「奥行き感」のある音が必須に
「YSP-2200」は、3Dの音と映像もHDMIケーブル1本で伝送する。今回はせっかくテレビもBlu-rayプレーヤーも3Dに対応しているということで、2D映像に加えて3Dのサンプル映像も楽しんでみた。なおテレビの「46LX900」は、3D再生に右目用・左目用の映像を交互に表示する「フレームシーケンシャル表示」を採用し、視聴には同梱される「アクティブシャッターメガネ」を用いる。
今はまだ、3DコンテンツはBlu-rayディスクや放送を含めて黎明期だ。しかしこれから、3D対応テレビの市場投入活性化が予想される中、まずは音の足固めとして、しっかりしたホームシアターを今からそろえておくのも悪くはない。とかく映像ばかりに話題が集中しがちな家庭における3Dではあるが、実は「奥行き感」を伴った音作りが普遍的なものになってこそ、その魅力は倍増するはずだ。逆に、映像ばかりが立体感をもち、音が平面であっては非常にさびしいものとなる。特に、この点は今回の視聴で実感したところだ。
まずサラウンド環境調整は、付属の「インテリビームマイク」(高性能測定用マイク)を用いて行なう。自分が聴きたいポジションにマイクを置き、自動で部屋の形状を読み取りながらサラウンド視聴環境を整えてくれる。わずか3分程度でこの作業は済んでしまう(インテリビームマイクについては、第1回目のレポートを参考にしていただきたい)。
視聴にはBlu-rayコンテンツを用いた。まずは2D作品の「アリス・イン・ワンダーランド」から行ない、数本を視聴した。「アリス・イン・ワンダーランド」は、登場人物のセリフがその人物のいる方向から聞こえ、立体感を伴って画面から迫ってくる。BGMや効果音だけで推移するようなシーンでも、前面からだけではなく、四方八方から音が聞こえてくる印象だ。細かいところだが、勢いよくトビラを開け放つシーンなども「ブワッ」とした音がパンチのように伝わってくる。ためしに、オフィスの一般社員たちにも視聴してもらったところ、同じような感想を抱いていた。怪鳥がどこからともなく飛んできて、登場人物をさらって飛び去るシーンがあるのだが、その場面などは大型の怪鳥の風圧まで感じられるような迫力。その後、テレビのみの音で聞いてみたが、どうしても平面的に聞こえてくる印象はぬぐえなかった。「YSP-2200」にはサブウーファーによる低音強調効果もあるため、低音のニュアンスを存分に表現できることも迫力を感じる一因だろう。
続いて3Dのサンプルは旭山動物園の動物たちの姿、沖縄美ら海水族館の魚たちの姿を鑑賞した。「YSP-2200」を経由することで、やはり音はふくよかに増幅され、映像とともに「奥行き感」があった。3D版の「アリス・イン・ワンダーランド」の紹介映像(サンプル)は、映像が立体を伴うことから、よりリアルにサラウンド音声を体感。「YSP-2200」を接続して全編を3Dテレビで鑑賞したなら、相当の感動が得られるのではないだろうか。
映画ばかりでなく、今後は3D映像に対応したゲームもコンテンツの鍵になってくる。3D立体視が可能なPS3用のレースゲーム「グランツーリスモ5」が25日に発売になったが、これを機に3Dテレビとの連動が加速するはずだ。
さらに「PlayStation Move」や「Kinect」などを用いた、PS3やXbox 360におけるモーションゲームが3Dに対応していくことも十分に考えられる。こうしたフィジカルなゲームにおいて、映像と音が3D化した場合、自宅のリビングでよりリアルな音声サラウンド効果は必須となってくるだろう。たとえばテニスゲームで空中を行きかうラリーの音や、ボウリングゲームでピンが遠くで倒れる音などがサラウンドで聞こえたなら、奥行きや臨場感はますます「実体」に近くなるはずだ。
ホームシアターの世界は「YSP-2200」のように、コンテンツ提供に先んじて、映像・音の伝送に磐石の態勢を整えている。あとは映画やゲームのキラーコンテンツの登場を待つだけだ。
【変わるテレビライフ(Vol.4)】3Dテレビに足りないのは音の奥行き感
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