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パワーアップしてかえってきた『タツノコVS. CAPCOM』新妻プロデューサーインタビュー

タツノコのヒーローたちと、カプコンの人気キャラクターという異色コラボが話題となった『タツノコVS. CAPCOM CROSS GENERATION OF HEROES』。その「逆輸入版」ともいえるのが、今回発売された『TATSUNOKO VS. CAPCOM ULTIMATE ALL-STARS』です。

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TATSUNOKO VS. CAPCOM ULTIMATE ALL-STARS
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「科学忍者隊ガッチャマン」「ヤッターマン」など、時代を超えて愛されるタツノコ・プロダクションのヒーローたちと、カプコンの人気キャラクターという異色コラボが話題となった『タツノコVS. CAPCOM CROSS GENERATION OF HEROES』。その「逆輸入版」ともいえるのが、今回発売された『TATSUNOKO VS. CAPCOM ULTIMATE ALL-STARS』です。プロデューサーの新妻良太氏に開発の経緯や、本シリーズにかける熱意などを伺いました。

タツノコとカプコンのキャラクターがオールスターで豪華な戦いを繰り広げる


―――はじめて『タツノコVS. CAPCOM CROSS GENERATION OF HEROES』(以下「タツカプ」)のニュースを聞いたときは、耳を疑いました。まさかタツノコとカプコンのキャラクターが共演するとは思いませんでした。

新妻:ありがとうございます。もともとタツノコさんから「うちのキャラクターを使って、何かゲームを作りませんか?」というオファーがありまして、一方で弊社でも新作の格闘ゲームを作る企画が上がっていました。であればカプコンキャラとタツノコキャラが戦うという設定で、格闘ゲームの「VS.」シリーズの新作を作ったらどうだ、ということになりました。

―――とはいえ、あまりにも世界観が違いますから。なんといっても「ドロンジョ」 に「ゴールドライタン」ですよ。

新妻:ははは。ジャンルもテイストも普通に考えれば、かみ合わないですよね。ただ、技のかっこよさや、派手さを生かして、うまく対戦格闘に落とし込めればと。原作の良さをいかにゲームでかっこよく表現するか、そこに気をつけて作りました。

―――それで前作「タツカプ」が発売されて、大きな話題を集めましたよね。今作『TATSUNOKO VS. CAPCOM ULTIMATE ALL-STARS』は、もともと「タツカプ」の海外版として企画されていたものが、急遽国内でも発売されることになったそうですが?

新妻プロデューサー
新妻:いわゆる「逆輸入版」というイメージでしょうか。最初は海外オンリーという扱いだったんですが、Wi-Fi対戦ができたり、新キャラクターが追加されたりで、これだけ作り込んでいるのに国内で売らないのは、もったいないということになったんです。それで営業と相談しまして、米・欧にあわせて日本でも発売することになりました。本当にすべりこみで決定されたんですよ。

―――そうなんですか。

新妻:そのためテキスト周りなどは英語表記ですが、ボイスについては日本発売に配慮して、すべて日本語ボイスになっています。また海外ではこれが1作目になりますが、国内では「2作目」なので、価格でがんばりました。

―――驚きの3990円(税込)。

新妻:この辺りはかなり営業と調整しました。まず絶対にフルプライスでは売りたくなかったんです。その上で、どこまでがんばれるか。最初は4800円という案もありましたが、4桁目が「4」から「3」になるというのは、インパクトが違いますよね。だから国内的には新キャラが加わってWi-Fi対戦がついてと、かなり魅力的なスタイルに落ち着いたんじゃないかと思います。

―――前作は家庭用と業務用の同時リリースでしたが?

新妻:開発期間が短かったのと、業務用にも展開すると家庭用の価格に影響が出てしまうので、今回は家庭用のみです。ごめんなさい…。

―――まずはWi-Fi対戦が特徴ですよね。

新妻:格闘ゲームのネットワークモードでよくある、「フレンド対戦」「ライバル対戦」「ランキング」といった要素は一通りあります。なおWiiは有線でプレイする方よりも無線で遊んでいる方のほうが多いと思いますので、この辺りも考慮して、いかにラグを減らせるか、かなりがんばりました。WiiのWi-Fiで格闘ゲームというのは、これが初めてですが、思ったより問題はないかなと。もちろん海外ユーザーとも対戦できますよ。

―――フレームレートはどれくらいですか?

新妻:60フレームで制作しています。キャラクターの動きなどはきれいに表現したかったので、この選択をしました。30フレームだとほんの少しですが、カクカク見えてしまうので、出来たものを見ても、これはいい選択だったと思います。そしてこれを活かして、ネットワーク越しでも快適なプレイができるよう取り組みました。みなさんが思っている以上に遊べると思いますよ。

―――新キャラクターは何体ですか?

新妻:「テッカマンブレード(宇宙の騎士テッカマンブレード)」「コンドルのジョー(科学忍者隊ガッチャマン)」「ZERO(ロックマンXシリーズ)「フランク・ウエスト(デッドライジング)」「ヤッターマン2号(ヤッターマン)」の5体です。今回はこの5体を追加しましたが、もっと時間があれば、他の候補もあったんです。ナンバリング的には“1.5”想定なので、スケジュールとも相談してこのぐらいの数で落ち着かせた感じです。

ヤッターマン2号コンドルのジョーテッカマンブレード


―――いろいろと楽しみですね。どのような理由で選ばれましたか?

新妻:前作の段階でユーザーさんからの追加要望が、まずありました。それから海外向けと意味で、海外で人気のあるキャラクターから選ぼう、という2点です。最初に取りかかったのが、国内外で要望が高かった「テッカマンブレード」でした。これはタツノコプロさんにお願いして、版権元の創通さんにご挨拶にいって、許諾をいただきました。

―――カプコンキャラクターでは「ZERO」が参戦します。

新妻:ロックマンシリーズの中でも非常に人気が高かったので、ぜひ出したいなと。もっとも最初は既存の素材を用いた、いわゆる「コンパチ枠」という扱いでした。ただ、途中で人気の高さもふまえて、一からやりなおしました。実は発表して一番反響が高かったのがZEROだったんです。なので、ちゃんと作ってよかったです(笑)。

ZEROも参戦


―――前作から手を入れた部分はありますか?

新妻:まずゲームバランスは非常にきっちりと調整しています。またユーザーからの要望や、システム面で粗かったところも修正しています。だから大きな変更点はありませんが、前作をやり込んだ人は、ちょっと変わったなと思われるかもしれません。

―――要望として多かったのは?

新妻:キャラクターや技によって、強すぎたり、弱すぎたりする、という意見が大きかったのでその辺りを重点的に修正しました。またシリーズならではの「デカキャラ」がいます。基本は2人タッグのゲームなんですが、1人で2人分という扱いの大きなキャラクターですね。それは結構手を入れたので、わりと違うなという感じはしますね。

―――キャラクターの動きは、モーションキャプチャーを使われていますか?

新妻:いや、すべて手打ちです。モーションキャプチャーを使うと、動きが人間っぽくなってしまうんです。やっぱり、みんな「超人」ですからね。あまり人間っぽくしないように配慮しました。そのかわり原作アニメを何度も見て、動きや雰囲気の再現に力を入れました。だからよく見ると、ちょっとした小ネタや動きなどで、にやっとする要素やネタなどが入っていたりするんです。たとえば大ジャンプの時に、「キャシャーン」だけは腰のジェット噴射を使っていたり。

―――それは芸が細かい(笑)

新妻:こっちが指示をしていないのに、いつの間にか入ってるんですよ。それも社内の重鎮デザイナーの方などが勝手に(笑)。うちのベテラン開発者って世代的に“どストライク”なんですよね。それで業務外の時間に「ちょっとモーションをさわらせてよ」「ちょっと絵を修正させてよ」なんて、妙な協力体制がありました(笑)。本当にみんなで楽しんで作った印象はありますね。タツノコさんにキッチリ監修もいただきましたし、開発に協力していただいたエイティングさんのスタッフも、みんなでがんばって。

―――スタッフが作品を研究するための資料などもありましたか?

新妻:タツノコさんから映像資料を全話分お借りしました。ホントに見るだけで大変でしたね。今のアニメって1~2クールで終わるものが大半ですけど、たとえば「ガッチャマン」なら「1」だけで100話以上もある。「ガッチャマン」の次に「キャシャーン」を見ようと思ったら、今度は35話。「ヤッターマン」「テッカマン」など、まだまだ残ってる。

―――それはうれしい悲鳴。

新妻:それだけでだいぶ時間も必要だし、その中で「これは使える」という要素を切り出すには、じっくり見ないといけないし。でも、逆にどれも今見てもすごくおもしろいので、ネタ探しが目的なのに、思わずストーリーに熱中してしまって、我に返ったりすることがよくありました(笑)。そういう原作の魅力を、いかにゲームに落とし込むかに力が入りましたね。



―――カプコンの格闘ゲームとして、ゆずれないポイントはありますか?

新妻:ゲームバランスもそうですが、デザイン面でいうと対戦格闘ゲームって、キーワードがすごく少ないんです。キャラクターと、背景と、エフェクトと、あとはゲージのデザインくらいしかない。それだけに個々のクオリティを上げることが、すごく求められるんですね。だからゲーム中のモデルなども、まず人体の構造から深く理解した上で、ゲーム的な肉付けをしていく。そこはカプコンならではのレベルがあると思いますね。

―――深いですね。

新妻:そうした点ってパッと見ただけでは、なかなかわからないところなんです。でも、そういうのをちゃんと作っておかないと、いざ動かしてみたり、技を出したときに、ものすごく貧相に見えてしまうんです。たとえば同じマッチョでも、「キャシャーン」の細マッチョと、「大鷲の健」のナチュラルマッチョは違うよとか。

―――なるほど。

新妻:うちのデザイナーがいうには、同じマッチョでもブルースリーと、スタローンとシュワルツネッガーでは骨格や筋肉の付き方が違うと。この3パターンでキャラクターを分類していくとわかりやすいよね、っていう。そういうところを細かく作り込んでいきました。そうした積み重ねで、全体のクオリティがぐっと上がるんです。

―――遊びやすさと上達感のどちらが大切ですか?

新妻:「VS.」シリーズは「お祭り」なので、間口は広くしたいんです。だから「ストリートファイター」シリーズに比べて、コマンド技もできるだけ簡単にしています。ただ、その上でエリアルレイブやアシスト攻撃など、奥深い要素も入っています。だから最初はできるだけ遊びやすく、その上でどんどん上達していける、そんな風にしています。

―――「VS.」シリーズは、すごくガチャガチャした画面にもかかわらず、格闘ゲームの枠に収まっているところがすごいですね。特にボタンを押すリズム感が気持ちいいです。

新妻:とてもありがたい言葉です。「VS.」シリーズって、がっちりシステムを組むと「VS.」らしさがなくなってしまうんですね。そこは格闘ゲームとして「優等生」的な「ストリートファイター」と、ハチャメチャな「VS.」シリーズの色の違いだと思います。でも緩すぎるとゲームとして破綻する。そのギリギリ感が「VS.」シリーズの妙だと思っています。さらに今作では、前作で若干破綻していた部分が、さらに磨かれて完成度が高まりました。

―――海外のイベントにも多数参加されたそうですが、反響はどうでしたか?

新妻:北米では2000年に発売した『MARVEL VS. CAPCOM 2 New Age of Heroes』以来、久々に「VS.」シリーズの正当な続編がついに出たという点で、大きな反響がありました。欧州はタツノコアニメを放映している地域も多いので、キャラクター人気も高かったですよ。VS.シリーズの新作”という盛り上がり、“タツノコプロのキャラクターが登場”という盛り上がりの割合でいくと、北米では8:2だったのが、欧州では5:5という感じでしょうか。

―――「ストリートファイターIV」と同じで、北米には格闘ゲームを好むコアユーザーが、まだまだたくさんいるんですね。また、日本のヒーロー・キャラクターが海外でも通用するというのも、驚きです。

新妻:システムの細かい調整などは、日本人の繊細な部分が求められるんでしょうね。肌感覚ですが、格闘ゲームの海外需要は、まだまだあるなと思います。また「キャラクターの格好良さ」というのも、意外と世界共通の価値観かもしれませんね。

―――個人的には新旧テッカマンの並び立ちというのが、ササるポイントなんですが、そういったところは、ユーザーによっていろいろなんでしょうね。

新妻:そうですね。お祭りゲームなので、いろんなキャラがいて、人それぞれいろんなツボがあって、より多くの人に楽しんでいただければいいなあと。

―――では、楽しみにしているユーザーにひとことメッセージをお願いします。

新妻:長らくお待ちいただいた『TATSUNOKO VS. CAPCOM ULTIMATE ALL-STARS』ですが、いよいよ発売となりました。値段も安いので、お店で見かけたり、パソコンの画面でポチッと押すなり、何かのソフトのついででもいいので、お買い求めいただければと思います(笑)。Wi-Fiの対戦格闘ですが、毛嫌いせずに遊んでいただければ。みんなでわいわい遊べるゲームでもあります。という訳で、皆様、『TATSUNOKO VS. CAPCOM ULTIMATE ALL-STARS』をよろしくお願いします!。

ありがとうございました
《土本学》
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