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本作から初めても大丈夫『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2』プレイレポート

この冬イチバンの期待作『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2』を前知識なしで遊んでみました

ソニー PS3
コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2
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この冬イチバンの期待作『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2』を前知識なしで遊んでみました

FPSタイトルがなかなか流行らない日本で、珍しく『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2』が話題になっています。その理由をいくつか挙げると、前作『コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア』が世界合計1,400万本の大ヒット作となったから。動画サイトなどでクオリティの高さが明らかになったから。壮大な規模でテロリストvs特殊部隊が総力戦を繰り広げられるから。シナリオやグラフィック、音楽が映画を観ているようで、ゲームを越えた上質なエンターテイメント作品だと噂されているから、というところでしょうか。



「好評だったシリーズ作品の最新作」であれば、おもしろさは保証されたようなもの。ただし「シリーズ全作品を遊んでいないと面白くないのではないか」という懸念もあります。確かに、同シリーズはシングルプレイの骨太のシナリオも高く評価されているので、シリーズ未体験の人にとって手を出しにくいかもしれません。

しかし、結論から書くと、そんな心配はまったくありません。この作品から始めても充分に楽しめます。同シリーズは『3』までは第二次世界大戦が舞台で、『4』からは現代が舞台になっています。そして本作は前作の5年後が舞台となっており、物語も続編的です。本作のオープニングムービーは前作の物語を題材にしています。とはいえ、主人公が異なるため、まったく新しい気持ちでプレイできます。

ちなみに筆者はPC版の『コール オブ デューティ』『コール オブ デューティ2』を経験しましたが、前作『コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア』は未経験です。会話では前作を想起する言葉やキメ台詞も出るとのことです。その意味では前作をプレイしたほうがより楽しめると思います。しかし、逆の楽しみ方もあります。前作を知らない人は、逆に本作をプレイした後で前作を遊べば、本作の印象的な場面や登場人物の過去を謎解きのように楽しめるでしょう。ちなみに前作『コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア』はBEST版が発売中です。お求めやすい価格なので、両方とも買って順番に遊んでもいいでしょう。

■進化したオートAIMでサクサク楽しめる

今回はPS3でプレイしてみました。テレビゲーム機のFPSといえば、スティックコントローラによる照準が難しく、初心者にとって近寄りがたい分野でした。しかし、本作は前作でも採用したという「オートエイム」を搭載しています。これは、銃を構えて照準器を覗くと、もっとも近い敵に自動的に合わせてくれるという機能です。照準器から目を離し、手持ちの状態では、オートAIMは無効となり、自分で照準を定める必要があります。「構えればピタリと合う」という部分に違和感はありません。いつでも自動で照準が合うと、なんだかズルをしている気分になりますが「構えたときだけ照準が合う」としたことでリアリティが増しています。筆者はスティックの操作が苦手のため、この機能には助けられました。

ゲームを開始するとチュートリアルステージがあり、ここで基本的な操作方法を練習します。プレイヤーのキャラクターはある程度経験を積んだ兵士という設定で、新兵に手本を見せるという役回り。これはFPSファンには嬉しい仕掛けです。たいていのゲームでは新兵という設定で始まるので食傷気味でした。このチュートリアルでは、前述のオートエイムの仕組みと基本動作のほかに「敵を判別して撃つ」「制限時間内に達成する」という練習もします。「敵を判別して撃つ」はこのゲームの大原則で、民間人を撃てば即ゲームオーバーです。また、戦場をスピーディに駆けることは戦いの基本です。このチュートリアルでゲームのテンポと緊張感を把握しておきましょう。

■撃つだけではない! ハラハラドキドキの展開

FPSと言えば、銃で敵を倒すというシンプルなシステムです。最近は乗り物を扱える作品も増えています。本作ではさらに、氷の壁面を上ったり、クレバスをジャンプで飛び越したり、ロープを使って高いところから下りたりと、アクション映画さながらのシーンが散りばめられています。緻密なグラフィックスと合わさって、高いところは下を見ると足が震えそうになりますし、飛び越えて向こう側にたどり着けたときは達成感と恐怖で震えてきました。ゲームであることを忘れそうになります。スノーモービルのチェイスシーンは特にスピード感の大きな場面です。アクションスターになった気分です。

AIキャラクターの動作もよく考えられています。味方の兵士は連携をとって索敵、侵入していきますし、互いにカバーする位置に立っていました。敵が投げてきた手榴弾を投げ返す、という技も披露してくれます。ただし、これは危険なのでまねをしない方がいいらしいです(笑)。味方が賢いので、自分の動きも常に味方の動きを意識しておく必要があります。自分が主人公だとばかりに先頭を突き進むと敵の総攻撃に逢います。味方が動かない場合は、動かない理由があるようです。連係プレイの大切さがよくわかります。

敵の動きも秀逸です。近づくと物陰に潜んだり、待ち伏せしてナイフで攻撃してきたりします。武器の使い分けもできています。AIを搭載しないゲームでは、シングルプレイの敵キャラクターは、あらかじめパターンが作られていて、プレイヤーが突破したり逃げたりする空間が確保されていました。しかし本作の敵AIは容赦ありません。敵が連携してこちらを追い込み、ハチの巣にされて終わりです。敵の動きを読んだり、味方の意思を理解したり。そんな洞察力が必要です。突撃型よりも冷静な兵士が生き残るようです。「いま、行動を起こしたらどうなるか」を考えて進みましょう。

AIキャラクターとドキドキの演出の両方が活きた場面は、序盤の吹雪の基地に潜入するミッションでした。吹雪のためこちらも敵も視界が悪く、ある程度の距離までは敵に近づいても気付かれません。しかし、ちょっとでも吹雪が収まって視界ができると、たちまち敵に見つかってしまいます。常に周囲を見回しつつ、走ったり隠れたりを繰り返します。敵に見つかりたくないという緊張感が続きます。

スリリングな体験


■吹き替えも字幕も秀逸。物語の規模はシリーズ最大

海外版が既に発売されており、感想なども見つけられます。しかし、物語に言及した声は少ないようです。ストーリーを楽しむには、そして、自分が戦う理由を理解して銃を持つためにも、やはり日本語版のほうが楽しめます。本作は上官や味方との会話が絶えず続いていきます。しかし、英語版ではよほど英語が得意な人でない限り、断片的に単語が認知できても、叱咤されているのか激励されているのか解りません。日本語版は台詞の吹き替えと字幕を表示できます。字幕の位置が照準のちょっと下で、戦闘中に認知しやすくなっていました。また、英語版では字幕化されていない部分も日本語版では吹き替えなので、ちゃんと聞くことができ、物語を理解しやすく作られています。そのことからも本作はストーリーを重視していると言えます。



ストーリーの全容を明らかにするために、何人かのプレイヤーキャラクターの視点で進行します。序盤はアメリカ陸軍のレンジャー部隊、ジョセフ・アレン上等兵。彼はアフガニスタンのフェニックス前線基地でテストに合格し、シェパード将軍直属の部下となり、あるミッションを遂行することになります。。次の場面ではゲイリー・ローチ・サンダーソンとなります。テロ対策部隊「タスクフォース141」に所属する軍曹で、カザフスタンでのミッションに参加します。前作の主人公、ソープ・マクタビッシュ大尉と共に基地に潜入します。

この後、ゲイリー・ローチ・サンダーソンの視点を主軸とし、アメリカ陸軍のジェームズ・ラミレスなどの視点が絡む形で物語は進行していくようです。トレイラームービーでは崩れかけたホワイトハウスが見える場所での戦闘シーンもあるようです。そして、前代未聞のアメリカ本土による局地戦。アメリカを守るために戦う戦士たちの運命は……。

シングルプレイの所要時間は早くて8時間程度。初めてFPSで遊ぶ人なら10数時間になるとのこと。ひとつのミッションが短いので、忙しい人でも「続きを楽しみにしながら毎日1時間」「週末に4時間ずつ」という遊び方ができます。海外アクションドラマのDVDを見るような感覚ですね。洋画ファンなら、作曲家ハンス・ジマーが担当した音楽も楽しみになることでしょう。ハンス・ジマーは『レインマン』、『パイレーツオブカリビアン』シリーズ、『ミッション・インポッシブル2』、『パールハーバー』、『ラストサムライ』など、日本でもヒットした数々の映画を担当しています。ゲーム音楽は初参加とのことです。

くどいようですが、照準がピタッと定まるので、いままでFPSが苦手だった人も遊びやすいです。射撃技術よりストーリーを重視したい人も没入できます。壮大なスケールと、メッセージ性の強いストーリーをじっくり楽しみましょう。シングルプレイが終わったら、マルチプレイに参加してください。そこではあなた自身が新しい経験と成長を重ね、あたかも新しい物語の主人公となったように楽しめるはずです。
《杉山淳一》
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