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韓国でニンテンドーDSがブーム、だそうです。

KRN・SJC韓国ニュースは11月2日、韓国任天堂が1月に発売したニンテンドーDS Liteの売り上げが、9月末までに本体58万台、ソフト120万本に達したと報じました。10万本以上売れたソフトも5本存在し、『脳トレ』韓国版の『毎日毎日DS頭脳トレーニング』(約20万)、『NEWスーパーマリオブラザーズ』(約20万)、『聞いて書いて親しくなるDS英語三昧境』(約14万)、『ニンテンドックス』(約14万)、『マリオカートDS』(約11万)と報じています。

任天堂 DS
KRN・SJC韓国ニュースは11月2日、韓国任天堂が1月に発売したニンテンドーDS Liteの売り上げが、9月末までに本体58万台、ソフト120万本に達したと報じました。10万本以上売れたソフトも5本存在し、『脳トレ』韓国版の『毎日毎日DS頭脳トレーニング』(約20万)、『NEWスーパーマリオブラザーズ』(約20万)、『聞いて書いて親しくなるDS英語三昧境』(約14万)、『ニンテンドックス』(約14万)、『マリオカートDS』(約11万)と報じています。

*関連URL
http://www.sjchp.co.kr/koreanews/koreatis_view.htm?num=5576&date=2007年11月02日(金)

韓国の市場規模を考えると、これはかなりの数字です。韓国メーカーでもネクソンが『メイプルストーリーDS』を開発しています。

そもそもPCオンラインゲーム大国である韓国で、日本のコンソールゲーム機は苦戦を強いられてきました。その背景として言われてきたのが、海賊版の存在です。記事でもDSの売れ行きが好調なため、韓国任天堂はWiiの発売をクリスマスから来春に延期したとしています。本当にDSは、この定説を覆しつつあるのでしょうか?

一方でG-STAR取材では、ホテルと会場の往復に地下鉄を利用したのですが、車内でDSを遊んでいるビジネスマンや女性、子供の姿を見かけることができました。DSだけでなくPSPを遊んでいる人もおり、韓国でも携帯ゲーム機が確実に根付いていることが感じられました。

ホテルのフロントで聞いてみると、アルバイト学生の一人がDSを所有していました。女性や子供に人気があり、やはり『ニンテンドックス』や『NEWスーパーマリオブラザーズ』などが売れているそうです。日本語学習向けに漢字検定ソフトなども(公式には発売されていませんが)隠れた人気があるそうです。

また、別件で韓国の出版エージェンシーの女性と話をする機会があり、そこでも尋ねてみました。彼女は「私の周りでは若い女性しかDSを買っていない」と話してくれ、一種の「ファッションアイテム」になっていると教えてくれました。ますますもって驚くべきことです。「単純だから、つい遊んでしまう」のだそうです。

これは、一度市場を自分の目で見てみなければなりません。そこで日曜日の午後に、韓国の秋葉原と言われるヨンサン地区に足を延ばしてみました。

ソウル駅から地下鉄で2駅の場所に、ヨンサン駅があります。以前はソウル駅で韓国鉄道に乗り換える必要がありましたが、地下鉄の1号線が新たに乗り入れて、とても便利になりました。複合型の大型ショッピングモールも完成して、駅ビルが一大商業施設になっています。

最上階の9階にはeスポーツの会場があり、『スタークラフト』リーグ戦のテレビ収録が行われていました。会場には10代の観客が100名程度いて、ゲームの展開に応じて歓声を上げています。このあたりはPCオンラインゲーム大国の韓国ならではの光景です。少し安心しました。

そこでテレビゲーム売場を覗いてみると、ありました。どのテナントでもDSが一番目立つところに配置されています。しかも3〜4組の親子連れがDSを購入している姿を見かけることができました。子供たちがDSを買ってもらって、大喜びしています。ある子供は買ってもらったばかりの『星のカービィ 参上!ドロッチェ団』を夢中で遊んでいました。またPSPを購入している若い男性も見られました。

次にモールを出て、ヨンサンの電気街の方に足を延ばしてみました。細長いビルの地下にぎっしりとテナントが並ぶ、昔ながらのゲーム売場です。ここでもDS人気は本物のようで、親子連れや若いカップルがDSを買い求めている姿が見かけられました。ゲームソフトも韓国版の正規商品が大半でしたが、日本からの並行輸入品も2〜3割ほど存在していました。

おもしろいのは、DSやPSPを買うとお店がサービスで液晶の保護フィルムを張ってくれることです。たいてい筆者は失敗してしまうので、これはなかなか嬉しい特典です。

その夜、韓国のゲーム開発者と飲む機会があったので、昼間の光景について聞いてみました。彼は大手ゲームメーカーから独立して、新たに開発会社を起こしたばかりで、現在は横スクロール型のカジュアル・アクションゲームをPCゲームポータル向けに開発しています。投資ファンドから資金を引き出し、自らドット絵を打つ毎日だそうです。

彼は韓国でもDSがブームを巻き起こしていると話した上で、「若い女性の中には、流行っているからDSを買って、『NEWスーパーマリオブラザーズ』などを遊んでみたものの、難しくて止めてしまうことも多い」などと話してくれました。その上で「任天堂は非ゲームを多く発売しているが、これではゲームらしいゲームが売れなくなって、自分たちの首を絞めているようなものではないか?」などと質問してきました。この矛盾した反応が、いかにもゲーム好きという感じです。

彼は兵役時(日本と異なり韓国には徴兵制度があります)にもゲームボーイと『風来のシレン』を隠し持って入隊したほどの筋金入りのゲーマーで、ゲームらしいゲームが好きとのことです。ただし、そんな彼も最近ではPCオンラインゲームは仕事で遊ぶ時間がとれず、家庭用ゲーム機は起動するのが億劫で、もっぱらDSやPSPばかり遊んでいるとのことでした。自称「ゲームを遊んで日本語を覚えた」最後の世代だそうで、最近の『リネージュ』世代はゲームのおもしろさを理解していない、とぼやいています。

ただし、ゲーマーの中にはインターネット上でゲームROMのデータをダウンロードして、遊んでいる人もいるとのことです。今回は残念ながら確認できませんでしたが、いわゆるDSの「マジコン」がネット通販などで広がっているとのこと。「100in1」などの海賊版は店頭から消えたものの、問題は依然として顕在です。

ホテルのアルバイト学生も「中国製のマジコンがネットで買える。日本でもあるのか?」と聞いてきました。もちろん日本でも一部のユーザーの間で行われており、批判ばかりしてはいられません。

ヨンサン駅の駅前では、当たり前のようにワゴンがならび、大量の海賊版DVDが売られていました。このような状況で、韓国のコンソールビジネスが今後どのように推移していくのか、これからも注目していきたいところです。
《小野憲史》
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