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任天堂開発技術部 喜友名毅氏が語る次世代GBディスプレイ

東京ビッグサイトにて開催されている「フラットパネルディスプレイ製造技術展」の技術セミナーにおいて、任天堂開発技術部所属の喜友名毅氏が、同社における携帯ゲーム機(ゲームボーイ)向けFPDの採用基準と、その次世代機に求めるFPDの性能について語ったそうです。その内容は以下の通り。

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東京ビッグサイトにて開催されている「フラットパネルディスプレイ製造技術展」の技術セミナーにおいて、任天堂開発技術部所属の喜友名毅氏が、同社における携帯ゲーム機(ゲームボーイ)向けFPDの採用基準と、その次世代機に求めるFPDの性能について語ったそうです。その内容は以下の通り。

喜友名氏は、携帯ゲーム機向けFPDへの要求事項として「表示性能(明るくきれいに)」「電気的性能」「信頼性(壊れにくい)」「柔軟な生産対応」「価格」の5項目を挙げています。

ゲーム機は子供にとって精密機器としてではなく、あくまでもオモチャとして扱うため、PDAなどでは考えられない状態になっていることが多い。例えば信頼性では、大人が立った高さからコンクリート上のプラスチックタイルに合計10回落とす耐落下衝撃テストや、大人が誤って踏みつけたケースを想定した耐荷重テストを実施。また、85度前後の場所に24時間放置しても動作に異常がないこと、自転車の前カゴや荷台に置いて砂利道や段差を走行しても支障がないことなどをがその性能試験として行われるそうな。

ここ数ヶ月の間にメガピクセル型のCCD素子とQVGA(320x240ドット)以上の解像度を持つ液晶ディスプレイを装備したケータイ電話が相次いでリリースされる中、同社携帯ゲーム機の画面解像度は、初代ゲームボーイシリーズが160×144ピクセル、ゲームボーイアドバンス(GBA)が240×160ピクセルと、あまり高解像度なパネルを採用していません。その理由としては「数値上のスペックよりも、携帯ゲーム機の表示デバイスとしての“見た目”を重視し、その上現行機種(GBA)の解像度は、携帯ゲーム機としてのサイズとコスト面を考慮した上での最適解」であると語っています。

子供の手で持てる携帯性を考えると、FPDサイズは2.5〜3インチ前後にしなければいけない。このサイズでQVGA(320×200ピクセル)などの高解像度パネルはコスト高につながってしまう。GBAでは表示ドライバも専用設計ではなく汎用品を使用してコスト削減を行っている。喜友名氏によると、GBAの240×160ピクセルという解像度は、家庭用TVゲームとのデータ互換性を考慮しただけでなく、入手しやすかった表示ドライバが88ドット対応だったために、解像度も80の倍数になったという。また、解像度についてはフォントの問題もあり、闇雲に解像度を上げてもサイズを大きくしなければ文字が小さくなってしまい見づらくなる他、グラフィックエンジンに求められる性能の上昇や消費電力のアップなどデメリットも多い、とのこと。


また、実際にディスプレイを選定するにあたっては要求仕様上の数値は参考程度であり、携帯ゲーム機向けのFPDは“見た目”がすべてであるとしています。数値よりも、むしろ“黒がしっかり沈んだ”コントラストとか“鮮やかな”色再現性といった、人間の目で実際に見た状態を重視しているそうです。例えるなら「履歴書より面接重視」ってとこでしょうか。

画面の輝度に関しても、さまざまな明るさの環境下でも暗いと感じないことが重視され、導光板の輝度むらなども気にならない範囲であれば採用していくなど、あくまでも見た目を重視。現行機種でも、トーンカーブは人間の視覚特性上でリニアに感じるようにセッティングされており、実際の数値上ではリニアになっていないという。

このような判断基準から、次期ゲームボーイに求める表示性能を以下のように定義しているそうです。

次期ゲームボーイFPD

画面解像度 300×(RGB)×200(18万画素)程度
色数 カラー26万色以上
コントラスト 20以上
色再現性 NTSC比20%以上
ライティング輝度(フロントライト型) 20カンデラ/平方メートル以上
ライティング輝度(バックライト型) 30カンデラ/平方メートル以上
FPD消費電力 typ.70mW前後

だが、この数値も「あくまで参考程度」で、見た目重視という方針は、次世代機のFPDでも変わらないという。

また、新しいFPDの種類として注目を浴び、いくつかのモデルの携帯電話に実装されている他以前これを装備したモデルが出品された「有機EL」については、コスト面から当面は液晶ディスプレイが採用される見込みではあるものの、次世代ディスプレイとしてその動向には注目しているようです。 そのメリットとして自ら光を発するためライティングの必要が無く、高画質、さらに薄型且つ軽量であるという点が上げられていまし。しかし外光に弱く、それを克服しようとすると消費電力と生産性に不安が残るそうです。
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