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【GDC08】日米ゲーム産業のギャップはより大きく〜 GDC報告会

IGDA日本は、先日サンフランシスコで開催されたゲームデベロッパーズカンファレンス2008(GDC08)についてのセミナー「GDC報告会」を東京大学で開催しました。

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IGDA日本は、先日サンフランシスコで開催されたゲームデベロッパーズカンファレンス2008(GDC08)についてのセミナー「GDC報告会」を東京大学で開催しました。


IGDA日本 新清士氏
IGDA日本の新清士氏はGDC08のトレンドについて、参加者が18000人以上と過去最大になったことや、日本からの参加者数も過去最多になったことをあげてゲーム業界におけるGDCの存在感が大きくなってきていることを指摘。Expoブースの充実など商談目的の参加者も増えており、E3の縮小をGDCが吸収しているとのことです。

また、今年のGDCではオンラインゲームや仮想世界を扱う「World in Motion Summit」が開催され、欧米での「ソーシャルゲーミング」の流行を反映したセッションで、ブラウザゲームや、Facebook(SNSサービス)のアドオンゲームを作るといった話で盛り上がっていたとのことや、北米の携帯電話向けゲームは儲からないらしい(レベニューシェアでキャリアが約50%をとるなど)、といった話から違うカルチャーが形成されつつある状況を紹介しました。

PCオンラインゲームについては、北米でも『メイプルストーリー』が大成功を収めている状況を紹介。ネクソンは全米20000店舗でプリペイドカードを販売しており、日本市場よりも売上が大きいとのことです。アイテム課金のショックは大きかったようで、旧来のオンラインゲーム事業者はアイテム課金が一般化することに対して大きな危惧を抱いているようです(日本市場の変化を見ているとこの危惧は妥当なものでしょう)。

コンソール機向け開発については、大手スタジオについてはPS3,360向けの開発手法の定式化が完了している、と指摘。「スターウォーズ」の新作は40〜50億円のプロジェクトとのことで、巨大化は日本からは想像を絶する領域に入りつつあるようです。ただ、「PS3の次」「Xbox360の次」をすぐに求めるような状況ではなく、今のところは技術向上に現場の効率化が追いついてない状況だとも述べています。プロジェクトが大型化するにつれてプログラマの報酬もアップしていて、プログラマの年収は1000万円を超えるようになってきており、特に「PS3のプログラマが足りないらしい」とのことでした。

新氏が冗談めかして言った「日本は(ゲームの)質が高くて安い国と思われている。欧米からの外注が増えるかも」との言葉に、会場のゲーム開発者からは苦笑が漏れていましたが、北米ゲーム市場の勢いを考えると、外注の打診だけでなく、「勤務地・アメリカ合衆国」の求人広告が大量に出回る日も来るかもしれません。
《伊藤雅俊》
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