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「自然を破壊しない都市建設シムを目指した」サンゴ礁育成シム『Life Below』プレイレポ&インタビュー【TGS2026】

美しいサンゴ礁が広がる海洋生物の楽園を守り育てる都市建設シミュレーション『Life Below』のプレイレポートと開発者へのインタビューをお届けします。

ゲーム Steam
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「自然を破壊しない都市建設シムを目指した」サンゴ礁育成シム『Life Below』プレイレポ&インタビュー【TGS2026】
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美しいサンゴ礁が広がる海の中を色とりどりの熱帯魚が泳ぎ回り、クリオネ風の妖精たちが舞い踊る。まるでおとぎ話に登場する竜宮城のような海洋生物の楽園を守り育てていく都市建設シミュレーション。それが今回ご紹介する『Life Below』です。

プレイヤーの使命は眼の前に広がる夢のように美しいサンゴ礁を守り育てていくこと。

本作『Life Below』は、PC(Steam)向けに2026年5月26日に発売された都市建設シミュレーションです。パブリッシャーはKasedo Games。開発を手がけるのはノルウェーのインディーデベロッパーMegapopです。

舞台となるのはサンゴ礁を中心とした海洋生物の生態系。プレイヤーは新人守護者として、サンゴ礁を広げ、海洋生物のすみかを作り、この生態系を繁栄に導きます。生態系をテーマにした作品だけあって、生物多様性やpHレベル(酸性やアルカリ性の度合いを表す数値)といった難しい言葉も登場しますが、本作を楽しむ上で専門知識は一切不要。都市建設ジャンルのプレイ経験があれば、システムを把握するのに時間はかからないでしょう。

本稿では、前半で実際のゲーム内容を伝えるプレイレポートを、後半で東京ゲームショウ2026のMegapopブースで実施した本作のゲームディレクター兼プロジェクトマネージャーLise Hagen Lie氏へのインタビューをお届けします。


『Life Below』Steamページはコチラ!
ゲームディレクター兼プロジェクトマネージャーのLise Hagen Lie氏。

サンゴ礁育成シム『Life Below』プレイレポート

『Life Below』の主人公はクリオネのような姿をした新人守護者です。その名はタラッサ。巨大サンゴに宿るガイアの意思からサンゴ礁の守護者に任命されたタラッサは、同じくクリオネ風の水妖精たちの助けを借りてサンゴ礁を繁栄させていきます。

新人守護者のタラッサ。仲間である水妖精の力を借りてサンゴ礁を繁栄に導く。

とはいえ、ゲーム開始時のサンゴ礁は殺風景で、中央の巨大サンゴとタラッサたちの他には生き物らしい生き物も住んでいません。これではサンゴ礁ではなく、ただの岩場です。さっそく、水妖精に指示を出してサンゴ礁を広げていきましょう。

開始直後は岩場が広がるだけ。画面中央はガイアの意思が宿る巨大サンゴ「リーフハート」。

水妖精は指示した場所にサンゴなどの構造物を建設してくれます。建設にはサンゴマターと呼ばれる資源が必要ですが、この資源は特定の地形に資源生産用のサンゴを建設することで獲得できます。森に製材所を建設して木材を生産するようなものだと考えれば分かりやすいでしょう。ただし、本作の場合は資源が枯渇することはないので、気軽にサンゴマターを生産しても大丈夫です。

同様に、お金に相当するパールも二枚貝を建設することで生産できます。ゲーム序盤の建設に必要な資源はサンゴマターとパールの2種類だけなので、資源の管理は非常にシンプル。初心者でも安心です。水妖精に頼めば、構造物を資源に戻して再利用することもできます。

画面下部のインターフェースで労働者に相当する水妖精へ指示を出していく。

サンゴなどの構造物を維持するには、ムーンサンゴと呼ばれる特殊なサンゴが産み出すエネルギーが必要です。エネルギーはムーンサンゴから一定の距離まで届きますが、その範囲外には何を建設しても役に立ちません。ムーンサンゴ同士も互いにエネルギーが届く距離に建設する必要があります。こちらは発電所と送電網のようなものだと考えれば分かりやすいでしょう。

送電ロスのような複雑な仕組みはないので、サンゴ礁の成長とともにムーンサンゴの数を徐々に増やしていけば問題ありません。このジャンルに不慣れな人でも迷わずプレイできるでしょう。

エネルギーの届く範囲はひと目で分かるので、プレイ中に迷うことはほとんどない。

プレイを進め、最初は殺風景だった岩場にサンゴの姿がぽつりぽつりと増えてきた頃、先代の守護者ポントスが物語に登場しました。このポントスは頼もしい先輩として新人のタラッサにアドバイスすることもあれば、時にはタラッサを冷たく突き放すこともあります。2人の軽妙な掛け合いは見ていて微笑ましく、つい建設に没頭しがちなプレイに彩りを添えてくれます。

巨大サンゴを挟んで挨拶を交わすタラッサ(左)とポントス(右)。

さて、岩場にサンゴや二枚貝が増えてきたものの、これではまだ豊かな生態系とは言えません。次は魚を呼び寄せたいところです。

サンゴ礁に魚を住まわせるためには下準備が必要です。まずは、魚のすみかとなるイソギンチャクと、食料となる藻類サンゴを用意しなければなりません。そのために重要となるのが研究です。本作の研究は資源を消費して技術ツリーを進めていくオーソドックスなスタイル。研究には「生物多様性」が要求される場合もあり、生物多様性はサンゴ礁に様々な種類の生き物を住まわせることで獲得できます。

本作の技術ツリー。研究が進むにつれてツリー全体が広がっていく。

本作にはクラフト要素もあります。海底に生えている海藻を素材にクラフトできるルアーは、サンゴ礁に魚を呼び寄せるための道具です。また、妖精の卵をクラフトすれば、タラッサの手伝いをしてくれる水妖精を増やすことも可能です。

ルアーを使うと、さっそくクマノミなどの小魚がサンゴ礁に集まり、イソギンチャクに住み着いて気ままに泳ぎ回りはじめました。魚が住み着いたことで生物多様性が増加。この生物多様性を利用して研究を進め、ついにサンゴ礁の中央にある巨大サンゴが次の段階に進化します。

クマノミなどの魚が住み着き、ようやくサンゴ礁らしくなってきた。

巨大サンゴの進化により、ゾーンと呼ばれる他の海域に進出できるようになりました。ゲーム開始時のゾーンは水温やpHレベルがサンゴの生育に適した環境でしたが、その周辺には極寒のフィヨルドや、高温の海底火山など様々な環境条件のゾーンが存在します。新しいゾーンに進出するには生物多様性が必要で、さらに新たな環境に適応するための研究もしていかなければなりません。

巨大サンゴの周囲には環境条件の異なる様々なゾーンが広がっている。

筆者が次の進出先に選んだのはフィヨルドのゾーン。このゾーンは水温が低く、エネルギーを届けるために建設したムーンサンゴは次々とストレスを受けて機能を停止してしまいました。エネルギーなしでは他のサンゴを育てることもままなりません。

そこで、まずはゾーンの水温を上げる効果を持つヒートサンゴを研究します。ぎりぎりエネルギーが届く岩場にこのヒートサンゴを建設し、ゾーン内の環境を改善してから改めてムーンサンゴを進出させて足がかりを築きました。

中央の赤いサンゴがヒートサンゴ。ゾーン全体の水温を上げ、サンゴが住める環境にしてくれる。

進出直後こそ苦労したものの、その後は順調にサンゴ礁を拡大させていたその時、突然画面に警告が現れました。まもなく最初のゾーンに熱波が到来するというのです。カウントダウンが始まり、それが終わると徐々に水温が上昇していきます。水温はさらに急上昇を続け、あっという間にサンゴの生育に適した範囲を超えてしまいました。

突如として巨大サンゴ周辺を襲った熱波。ストレスを受けたサンゴは次々と機能を低下させていく。

各所でサンゴが悲鳴を上げる中、筆者は将来海底火山に進出するつもりで研究を済ませていた「ひんやりサンゴ」のことを思い出しました。ひんやりサンゴはその名の通り、ゾーンの水温を下げる効果を持っています。突貫工事で建設したひんやりサンゴはその力をいかんなく発揮し、サンゴ礁を熱波の脅威から守ってくれました。

『Life Below』にはこのような環境変動の他にも、海中をさまよう「迷える魂」から依頼されるクエストなど多数のイベントが用意されています。

フィヨルドを襲った酸性化の脅威も「アルカリサンゴ」の力で切り抜けた。

また、時として忙しくなりがちなプレイの気分転換にぴったりなのが「野生生物ビュー」です。自分が育てたサンゴ礁を海洋生物の視点からじっくり眺めることができるこのモードは、プレイ中の好きなタイミングでいつでも切り替え可能です。切り替え中はゲームの進行が一時停止するため、急かされることなく、ゆったりくつろいだ気分でアクアリウムのような美しい世界に浸れます。

野生生物ビューでは、自由にカメラを移動させることも、特定の生き物を追跡することもできる。

その後も三角州、海底火山、荒れ地と多彩な環境に適応して見違えるように美しく成長していった筆者のサンゴ礁は、ついに「最初の本当の試練」に直面しました。先輩守護者のポントスは「何が出てきても対応できるように」と言い残して姿を消してしまいます。アドバイスをくれる人はもういません。

果たして、本当の試練とは何なのか、試練をくぐり抜けた先には何が待っているのか。ここからは、ぜひ実際に『Life Below』をプレイしてお確かめください。

サンゴが枯れ、海洋生物の死骸が横たわるこの海域にはいったい何が待つのか?

『Life Below』Steamページはコチラ!

『Life Below』ゲームディレクターインタビュー

ここからは、東京ゲームショウ2026のMegapopブースで実施した『Life Below』のゲームディレクター兼プロジェクトマネージャーLise Hagen Lie氏へのインタビューの様子をお届けします。

Megapopが出展していたのは東京ゲームショウ2026会場のホール8。ノルウェーに本拠を置くデベロッパーが一堂に会したエリアの一角です。ところ狭しと並んだディスプレイには『Life Below』の美しい映像が映し出されていました。

Megapopブースでインタビューと写真撮影に応じてくれたLise Hagen Lie氏。

――まず初めに、開発スタジオMegapopをご紹介ください。

Lise Hagen Lie氏(以下、敬称略)Megapopはノルウェーのオスロに本拠を置くスタジオで、設立してから14年になります。これまでに数々のゲームを制作してきました。最初はモバイルゲームが中心でしたが、6年前からはSteamや家庭用ゲーム機向けに開発を進め、地球に優しい都市建設シミュレーションを目指しています。

――『Life Below』の開発プロジェクトの規模を教えてください。

Lise開発に携わった人間は社内だけで12名、物語や音楽などの外部委託も含めると15名になります。ゲームの完成までには3年半の時間が掛かりました。

――本作の開発はどのようなきっかけで始まりましたか?

Lise都市建設シミュレーションのジャンルは以前から個人的に好きでした。ティーンエイジャーの頃は『StarCraft』をプレイしていましたし、最近では『フロストパンク』をプレイしました。また、海のそばで育ったこともあって自然が好きなので、自然の観点から何か作りたいとの思いもありました。そうした自分の好きなものをすべて混ぜてユニークな作品を作りたいと思ったのがきっかけです。

――『StarCraft』は一般にRTS(リアルタイムストラテジー)として知られていますが、都市建設シミュレーションである本作は『StarCraft』からどのような影響を受けたのでしょうか?

LiseRTSとしての『StarCraft』はもちろん好きですが、特に好きなのは拠点を作り、拡張していく要素です。何もない状態から世界が広がっていくところが一番好きで、そこから大きなインスピレーションを受けて本作が生まれました。

――その他に影響を受けた作品はありますか?

Lise最も影響を受けたのは『フロストパンク』ですが、その他に『The Wandering Village』、『IXION』、『Terra Nil』からもインスピレーションを受けました。

――本作のテーマはサンゴ礁を中心とした海洋生物の生態系です。このテーマを選んだ理由を教えてください。

Liseやはり海とともに育ったことが大きいですね。私の祖父は造船の仕事をしていましたが、家庭用にも船を造っていました。毎年夏になるとその船で海に出て、島で過ごしたものです。その時の経験が本作に大きく影響しています。もし、この作品に携わっていなかったら、私は海洋生物学者になっていたかもしれません。

また、ノルウェーには寒冷な海としては世界最大のサンゴ礁がありますが、あまり知られていないので、より多くの人に伝えたいと思いました。

――都市建設シミュレーションのゲーム性と生態系という概念のバランスをどのように取っていますか?

Lise良い質問ですね。私たちは海洋生物学者の方々に話を訊き、都市建設シミュレーションに不可欠なメカニズムを現実世界の生態系に置き換えていきました。面白さを損なわずにです。例えば、サンゴ礁は岩場がないと育たないので、ゲームの中でもサンゴは岩場にしか作れないようになっています。

また、都市建設シミュレーションのジャンルでは拡張する際に自然を破壊するのが一般的ですが、本作では自然を破壊しないことを目指しました。

――都市建設シミュレーションとして、他の作品とは異なる本作ならではの特徴を教えてください。

Lise自然に対抗するのではなく、自然と共存するアプローチが他作品とは本質的に異なる点です。

本作には「生物多様性」という概念がありますが、これがまさにゲームの核心となっています。新しい研究を進めたり、新しい海域に進出したりするためには、様々な種類の海洋生物を集めて生物多様性を獲得しなければなりません。そのような意味でも自然に優しい作品です。

また、本作には人間がまったく登場しません。外部からの危機が人間ではなく自然の脅威によってもたらされるように、本作のシステムは自然を中心に機能するようになっています。

――プレイ中は、あたかもアクアリウムを眺めているような穏やかな気分になれました。そのような雰囲気を醸し出す上で工夫した点を教えてください。

Lise戦略的な手ごたえを残しつつ、自分の作った世界を庭のような感覚で見て回れるようにするのは非常に苦労しました。両者のバランスを取るため、本作には複数の難易度を用意しています。また、多くの人は実際に美しいサンゴ礁に行く機会がなかなかないので、その美しさをゲームの中で体験できるように注力しました。

――グラフィックに関してはどんな工夫をしていますか?

Lise海の色といって真っ先に思い浮かべるのは青ですから、ゲームに登場する要素には青に合う色を選ぶ必要がありました。同時に、ゲーム内で何が起きているのかを視覚的に見分けられる色の選択も重要です。それらすべてが上手く機能するよう工夫して色彩を調整しました。

――日本語に対応する上で苦労した点があれば教えてください。

Lise翻訳者と協力して良い翻訳を目指しました。たくさんの方に本作を体験していただきたかったからです。翻訳者はキャラクターの性格や雰囲気を見事に翻訳してくれました。また、翻訳者からフォントが読みにくいとのフィードバックを受けたため、私自身もフォント選びに携わって読みやすいものへと変更しました。

――日本語への対応は開発のどの段階から計画していましたか?

Liseゲーム内には多くのテキストが登場するため、開発1年目の早い段階から翻訳用のシステム導入を視野に入れていました。その時点で、日本語は対応予定言語の上位に入っていました。

――プレイヤーが海やサンゴ礁について「調べてみよう」と思ってくれることを期待していますか?

Lise何かを調べて欲しいとは思っていません。教育用のゲームにはしたくなかったのです。むしろ「こんな世界があるんだ」という驚きや好奇心をお届けしたいと思っています。

――あなたのお気に入りの海洋生物は何ですか?

Lise一番のお気に入りはサンゴガニです。子供の頃によくカニを釣っていたので、愛着を持っています。それ以外ではシャチも大好きです。非常に賢いですから。シャチはゲームに登場しませんが、もしかしたらそのうち実装するかもしれませんね。

――最後に、これから本作をプレイするプレイヤーに向けて一言メッセージをお願いします。

Liseゲームを始めたら、まずはこの世界にどっぷり浸ってください。そして、焦らずに自分のペースで楽しんでください。穏やかな気分で楽しめるゲームをお探しなら、本作がぜひお薦めです。

――本日は貴重なお時間を割いていただきありがとうございました。


『Life Below』は、PC(Steam)向けに配信中です。


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《FUN》

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