■農業だけじゃない! 畜産、狩猟、採掘までこなす万能児

野草を食べて湧き出てくるスタミナで、まるで機関車のように働き続けるアメですが、取り組める仕事は農業だけではありません。施設を整えていけば、畜産に醸造、作物の加工など、できることはどんどん増えていきます。一次産業だけでなく二次産業までこなしてしまうのですから、その能力は相当なものです。
しかも、アメのテリトリーは庭だけではありません。川に行けば魚を釣り、山に行けば弓や罠を使った狩りに励みます。獲物もイノシシやシカだけではなく、なんとクマすらも対象に含まれており、もはや猟師顔負けの働きぶりです。

さらに、石切り場へ向かえば、さまざまな鉱石を採掘できます。石切り場は複数層構造になっており、地下100階を優に超えるほど。そんな奥深くまで潜り、ひと季節だけで1000個の石を割って、さまざまな鉱石を掘り当てることすら可能です。
農作業をして、家畜を育て、作物を加工し、酒まで造り、川で魚を釣り、山で獲物を狩り、さらには地下深くまで潜って鉱石を掘る。こうして並べてみると、「働き者の子ども」という言葉ではもはや片付けられません。
■村人が恐れる怪異にも、深夜ひとりで立ち向かう童

しかし、どれほど働き者のアメでも、夜になればさすがに床につく――と思いきや、ここからがもうひとつの本番です。深夜の「彼ヶ津村」には、おばけや妖怪といった怪異がうろついており、ときには人間に襲いかかってきます。そのため村人たちは、夜11時以降は外出しないという掟に従い、家の中で静かに夜を過ごすのみ。
ところがアメは、そんな掟を破ることもいとわず、深夜になっても外へ出かけます。もちろん、アメにとっても怪異は脅威であり、出くわした際には驚いて尻もちをついてしまうこともあります。つまり、怪異を完全に恐れていないわけではありません。

しかし、改めて考えてみましょう。村人たちが恐れ、夜の外出まで避けている怪異と遭遇して、結果が「驚いて尻もちをつく」程度で済んでいるのです。普通なら、そのまま家に逃げ帰って二度と夜の村へ出たくなくなりそうなものですが、そうした忌避はアメにはありません。
襲いかかってくる怪異がいる中、懐中電灯を頼りに深夜の村を徘徊するアメ。ここから先はプレイヤーの操作次第ではありますが、怪異の攻撃をうまくかわし続ければ、なんと朝が来るまで活動し続けることすら可能なのです。村人が恐れている怪異を相手に、子どもが一晩中活動する――冷静に考えるまでもなく、とんでもない光景と言えるでしょう。

■20時間超の活動を終えたアメが、起きる時間は……

そして、本当に恐ろしいのはここからです。深夜を過ぎて早朝になると、アメもさすがに自宅へ戻ることになります。そこで休息を取ったあと、再び新しい一日を迎えるわけですが……その時間は、なんと朝7時です。
深夜の活動にはリミットも存在しますが、限界ぎりぎりまで粘れば、朝起きてから20時間を超える活動も不可能ではありません。ほぼ丸一日を働き続け、農業や畜産、狩猟、採掘、さらには深夜の怪異探索までこなすことができます。

それだけ働けば、翌日は疲れ果てて動けなくなって当たり前。しかし、アメは違います。一旦休んだあと、何事もなかったかのように朝7時から活動を再開し、また農作業などに励みます。
ほぼ丸一日働き詰めで、疲れれば野草をかじり、農業・畜産・狩猟・採掘などをエネルギッシュにこなす子ども。それが本作の主人公・アメです。大人でも音を上げそうな生活サイクルを淡々とこなす姿を見ていると、怪異以上にたくましいメンタルとフィジカルの持ち主なのではないかと、尊敬と畏怖の念すら湧いてきます。

もし彼ヶ津村を訪れる機会があれば、村外れにある家を訪ねてみてください。もしかするとそこにいるのは、「子どもの皮を被ったナニカ」なのかもしれません。












