
2027年4月、東京・大阪・名古屋の3拠点にて同時開校予定の次世代eスポーツ人材育成校「ZETA DIVISION GAMING ACADEMY POWERED BY VANTAN」。
世界的な人気を誇るeスポーツチーム「ZETA DIVISION」と、クリエイティブ教育の老舗「バンタン」がタッグを組んだこのプロジェクトは、単なるプレイヤースキルの向上に留まらず、業界を裏から支えるビジネス人材の育成までをも見据えています。
インサイドでは、開校発表会直後のGANYMEDE株式会社 執行役員・千葉哲郎氏にインタビューを実施。開校の裏側にある危機感、そしてトッププロの知見を直接伝授するアカデミーの真意を詳しく伺いました。
◆急成長する市場の裏側で叫ばれる「人材不足」と、バンタンと共に歩む理由
――まずは改めて、なぜこのタイミングでZETA DIVISIONが教育事業に本格参入したのか、その背景をお聞かせてください。
千葉哲郎氏(以下、千葉):大きな理由は、eスポーツ業界全体がここ数年で、僕らの想像を上回るスピードで成長しているのを実感しているからです。

発表会でもお話ししましたが、日本のeスポーツ市場は2025年に200億円、ファン数は1,000万人を超えると予測されています。特にZETA DIVISIONについては、Twitchでのチーム年間総視聴時間が世界1位(約1億1,000万時間)を記録しました。
これは、日本という国が世界から見ても稀有な「ストリーマー・ゲーム配信大国」として発展を続けているという証拠だと思っています。
――まさに数字がその熱狂を証明していますよね。しかしその一方で、「人材」への強い危機感も語られていましたね。
千葉:そうなんです。市場規模や視聴時間といった「表側」の数字は華やかですが、その熱狂を動かしている「裏方」の人材が、あまりにも不足している。これが、シーンの中心にいる僕らが日々肌で感じている最大の課題です。
でも、人がいないことにはこのカルチャーは、文化として深く根付いていかない。人の人生を預かる、責任の重大な事業ですので長いこと検討はしましたが、今の自分たちのポジションだからこそできるものとして、やる決断をしました。
――数ある提携先の中で、なぜバンタンだったのでしょうか?
千葉:もともとうちの選手が講師として出ていたりと繋がりが深かったこともありますが、実はずっと前から「色んな取り組みができたらいいよね」という話を、雑談ベースで昔からしていたんです。「やっぱり教育をもっとガッツリやっていく必要があるよね」「本当に人材不足だよね」といった課題意識を共有していくなかで、少しずつ話が進んでいきました。
最大の決め手は、バンタンさんの「あえて学校法人化していない」ことによるカリキュラムの自由度の高さです。
eスポーツは、昨日までのトレンドが今日には古くなるようなスピード感で変化します。毎月、必要な技術も、求められる人材像も変わる。
その変化に即座に対応し、常に「今、現場で起きていること」を教えるには、バンタンさんのような機動力のある組織と、僕らの持つ最前線のノウハウを掛け合わせるのが、唯一無二の理想形だと考えました。
◆入学した瞬間に「ZETAのファミリー」になる
――バンタンには既存のeスポーツ学部がありますが、今回の「ZETA DIVISION GAMING ACADEMY」だけの強み、アドバンテージはなんでしょうか?
千葉:一言で言うと、入学した瞬間に「ZETAのファミリーになる」という距離感です。それぐらいの感覚を僕らは持っています。
今回、特別顧問のcrowをはじめ、Laz、ta1yoといったメンバー、さらにXQQやyukaFといった現場の第一人者の知見を直接学べる。そして、プロが日々活動しているこのオフィス(現場)そのものを活用した教育。これは他にはない強みですね。
――所属メンバーの方々からも、教育に対して非常に前向きな声が上がっているそうですね。
千葉:そうなんです。特別講師として「やるよ」と言ってくれた人たちも、本当に驚くほど前向きです。

例えば、あるストリーマーからは、自身がイベントを企画した時に様々な面で難しさに直面した経験から、現場をうまく回せる人材がいかに価値があるかを伝えたいと声を聞きました。
――現場での痛切な経験があるからこそですね。裏方の人材不足という点では、特にどのような職種が求められているのでしょうか。
千葉:そこは一概には言えなくて、各ロールの人が「うちが一番足りていない」って絶対言うと思うんですよね(笑)。発表会でのcrowの話だと動画編集が足りない、とか。
ただ、大会やイベント運営などについてはゲーム知識などの面で専門性が非常に高いので、出来る人や会社が限られてくる現状があります。
もっと多くの人が同じような仕事ができるようになってくると、より大会の数も増えるでしょうし、コミュニティ大会がやりやすくなれば、ゲームを楽しむ場が増えて最終的に産業も大きくなっていく。そういうエコシステムを作るためにも、イベントを作る人が増えることは、カルチャーを深めるうえで重要な課題の一つだと思っています。












