
『軌跡』シリーズの原点となる『英雄伝説 空の軌跡FC』は、今から21年以上も前の2004年に発売されました。その後、PSP版やPS3版、PS Vita版などが作られたものの、こうした展開は2010年代で一区切りを迎え、『英雄伝説 空の軌跡FC』自体の展開は音沙汰のない状態がしばらく続きます。
その沈黙を破ったのが、2025年9月19日に発売された『空の軌跡 the 1st』です。本作は、『英雄伝説 空の軌跡FC』をベースにフルリメイクし、3Dで世界全体を描くビジュアルに一新。ゲーム性にもアクション要素を加えるなど、作品そのものが新たに生まれ変わりました。


特に大きな進化を見せたのは、主人公のエステルやヨシュアをはじめとする、登場人物たちの描写でしょう。マップ移動にバトルのモーション、イベントの立ち絵やアクションまで、頭身の高い3Dモデルで描かれており、美女・美男度も格段にアップしています。
すでにプレイしている人も多いかと思いますが、『英雄伝説 空の軌跡FC』で物語を既に知っているため、『空の軌跡 the 1st』にはまだ触れていないという人もいることでしょう。
しかし、本作で描写されたビジュアル面のパワーアップは、文字通り一見の価値があります。より美しく進化したエステルたちを、たっぷりのスクリーンショットと共にご覧あれ!


なお、本稿には『空の軌跡 the 1st』のネタバレが含まれています。閲覧の際にはご注意ください。
■幼少期もしっかりと3D化

本作の中心人物といえば、やはり主人公のエステルとヨシュアでしょう。本編を通して最も出番の多い2人が、グラフィックが進化した恩恵を最も受けていると言っても過言ではありません。


ふたりが出会った幼少期の場面も、しっかりと3Dで再現。
怪我したヨシュアを案じる様子、ヨシュアの不届きな発言に繰り出すエステルのドロップキック、そこから「な・ん・か・言・っ・た?」と迫りくるエステルの笑顔など、流れるように豊かな描写が続きます。特に、幼いエステルの圧のある笑顔には、思わず凄みを感じるほどです。



■3D化で、エステルの表情がより豊かに

3D化されたエステルは、彼女が持ち合わせる快活さがよく表現されており、そのビジュアルも見ていて飽きません。



寝起きのけだるそうな顔、シェラザードに“いぢめられ”た困り顔、図々しいオリビエに送るジト目など、表情変化が実に豊かです。


戦闘に臨めば勇ましく、驚いた時は呆気にとられたりと、日々の中でエステルは様々な面を見せてくれます。


また、ヨシュアの様子がおかしいと察した時には何気なく声をかけ、彼が欲しい言葉をズバリと口にすることも。こうした時の柔らかな表情変化も、見逃したくないポイントです。
■ヨシュアのクールさ、格好良さ、頼もしさも3Dに


ヨシュアは、エステルのサポート役に回ることが多いため、クールで冷静な振る舞いが目立ちます。そのため、エステルほど大きな表情変化を見せる機会は少なく、人当たりの良さそうな美男子顔をこれでもかと披露してくれます。

しかし、エステルのような身近な人物には、心の弱い一面を吐露する場面もあります。普段が冷静沈着な分、わずかな変化にも重みが感じられます。

また、エステルとは支え合う関係なので、彼女が弱っている時にはそっと寄り添うことも。父親であるカシウスが行方不明だと知らされ、不安に駆られるエステルの肩を抱き、安心させるように励ましました。

しかも「僕の胸でよかったら、いくらでも貸してあげるから」と美男子顔でそんな台詞を言われた日には、大抵の女子は心穏やかではいられないことでしょう。


もっともエステルは「大抵の女子」に収まらなかったため、あっさりと受け流してしまいますが。その不器用な関係性もまた、この2人らしいところ!


エステルの前ではペースを崩されがちなヨシュアですが、戦闘となれば一変し、鋭いまなざしで相手を射抜きます。決して敵には回したくありませんが、その時の顔つきもまた端正なので、拝みたくなるのも事実。実に罪作りなキャラクターです。