
アクションアドベンチャーの名作として知られている『ゼルダの伝説』と、一騎当千の爽快アクションが心地よい『無双』シリーズ。どちらもアクションという共通点を持ちながら、その方向性は大きく異なっています。
そんな両シリーズを大胆に融合させ、それぞれの魅力を組み合わせた『ゼルダ無双』シリーズの最新作『ゼルダ無双 封印戦記』の発売日となる、2025年11月6日が徐々に迫ってきました。
この話題作の発売に先駆け、先日開催された「東京ゲームショウ2025(TGS2025)」にて、魅力の一部に触れられる試遊出展が行われました。その体験を元に、本作のプレイ感や印象をお届けします。
■『ゼルダ無双』お馴染みの、多彩な操作キャラが嬉しい!

『ゼルダの伝説』シリーズではごく一部の例外を除き、操作するキャラクターは「リンク」が基本。他のキャラクターは物語上だけの活躍であったり、スポット的な操作で動かせる場合がほとんどです。
しかし『ゼルダ無双』シリーズは『無双』のシステムも踏襲しているため、使用可能なキャラクターが多いという特徴があります。今回の試遊プレイでは、本作の主要人物となる「ゼルダ姫」「ラウル」「ミネル」の3人が編成されており、切り替えることでいずれのキャラクターも操作可能でした。

ゼルダ姫は、エネルギーによって光輝く剣を使用します。使用といっても、手にもって振るうだけでなく、空中に飛ばして切り裂くといった、見た目も派手で範囲の広い攻撃も可能です。
また、光の弓矢で敵を射抜く特殊アクションも使えるため、遠近いずれも対処できる使い勝手の良さを感じました。物語上でも重要な立場にいるキャラクターだけに、製品版でも使いやすいと嬉しいばかりです。

光の槍を振り回すラウルは、そのリーチを活かした突きや、体格を活かした豪快な突進が印象的です。視覚的に派手な攻撃も多く、強さもさることながら使っていて楽しいキャラクターというイメージを抱きました。

今回使用できる3人の中で、最もユニークなのはミネルかもしれません。彼女は「ゾナウギア」で作られたゴーレムを使役し、様々な攻撃を繰り出します。ゴーレムの動きは多彩で、重みを感じさせてくれるアクションが独特でした。
今回の試遊では3キャラのみですが、「コログ」の参戦も先日明らかになっています。製品版では、より多くのキャラクターのアクションを楽しめることでしょう。
■プレイ感は前作超えか? スイッチ2の恩恵を試遊プレイで実感

3人の基本アクションに加え、試遊プレイでは「ゾナウギア」のひとつ「火龍の頭」を使った攻撃や、仲間たちと連携して繰り出す「シンクストライク」という必殺技のようなものも体験でき、短い時間ながら多彩な攻撃を楽しめました。
試遊の時間は短かったため、各要素を深く掘り下げる余裕はなかったものの、全体の手触りはいずれも良好で、アクションとバトルの楽しさにひたすら魅了されます。また、『ゼルダ無双』シリーズの前作にあたる『ゼルダ無双 厄災の黙示録』と比べて、プレイの手触りにも進化が見られました。
2020年に発売された『ゼルダ無双 厄災の黙示録』も、非常によくできた作品でしたが、スイッチ専用だったためハード側の性能に物足りなさがあったことは否めません。ゲームそのものの作りは良好でしたが、処理落ちが気になるといった声も少なからずありました。

一方、今回体験した『ゼルダ無双 封印戦記』では、処理に重さを感じたり、目立つようなカクつきなどは見当たりませんでした。あくまで試遊プレイの範囲で、負荷がかかるような場面だとどうなるかは不明ですが、プレイ環境の向上に期待できそうな手応えを覚えます。
改善が期待できる理由のひとつは、『ゼルダ無双 封印戦記』がスイッチ2専用という点です。スイッチ2のみの販売なので、最も適した形で開発が進んでいるはず。もちろん、性能自体も大きく進歩しているため、スイッチ向けだった『ゼルダ無双 厄災の黙示録』の時よりもプレイ環境は向上していることでしょう。
処理落ちが気になる度合いは人それぞれとはいえ、それが抑えられているのであれば何よりです。『ゼルダ無双 厄災の黙示録』で処理落ちが気になった人も、『ゼルダ無双 封印戦記』に期待する価値は十分アリ。今回の試遊プレイでは、その可能性を大いに感じることができました。
