2025年8月、ストーリー・シーズン2開幕から、早2ヵ月が経った『ゼンレスゾーンゼロ（ゼンゼロ）』。新たな舞台「衛非地区」で主人公らが過ごす「澄輝坪」は中華風の活気あふれる街な一方、その深夜には美しくも不気味な「白いワンピースの女」が出没します。
Game*Sparkではこの女性について、同年6月に“「八尺様」っぽいNPCとして海外ユーザー間で話題になっている”旨を報じましたが、このたび筆者はその正体を探るべく追跡調査を実施しました。
本記事ではVer.2.0とVer.2.1の2バージョンにまたがり判明した事実や脇道で見えてきた住民のちょっとしたドラマなどをご紹介します。
なお、記事中ではゲームの隠しアチーブメントに言及しているほか、スクリーンショット撮影時期の関係で翻訳が修正されたり、今後のアップデートなどにより内容が変更されたりする可能性もあるのでご了承ください。
あらすじ―「白いワンピースの女」についてこれまで分かっている点
本題に入る前に「白いワンピースの女」について、6月の報道の時点で分かっている点を整理しましょう。
「白いワンピースの女」とはゲーム内時間の深夜、「澄輝坪」にランダムで出没するNPCです。身長が判明しているキャラクターと比較すると、162cmの「ビビアン」とおよそ同程度であり、八尺よりは“5.4尺”（※公式wikiの身長表記をハイヒール込みで解釈した場合）。
ゲーム内の正式名称はそのまま「白いワンピースの女」で本名は不明のため、本記事では便宜上“5.4尺様”と呼ぶことにします。
当時の筆者が確認した限り、会話パターンは合計で3つあり、うち2つは「うらめしや…」と付近の住人を“5.4尺様”が怖がらせるもの、残り1つは怪奇現象好きの少女が正にその張本人である“5.4尺様”に話しかける…というものです。
そこで筆者は現段階の情報を元に以下の2つの説を提唱します。
・“そういう人”説
「澄輝坪」が実装されたのは現実で6月、つまり夏頃です。夏は熱さのせいか、“一般常識から外れた人が湧く季節”という見方もあり、5.4尺様もその1人かもしれません。
一連の会話イベントがゲーム内におけるどの季節の出来事かは不明なものの、街のNPC達が団扇をあおいでいたり、主人公の自室で扇風機が回っていたりすることから、少なくとも“熱い時期”であることは考えられます。
・“本当に幽霊”説
安直ですが、一番無難なのは“本当に幽霊”であるという説です。『ゼンゼロ』の世界においても幽霊の概念は存在し、メインストーリー中でもそれらしい存在が登場しています。
また、ストーリー・シーズン1で活動の中心となる街「六分街」では深夜にて、“公衆電話から不気味なメッセージが届く”というホラーイベントが存在するため、今回も同様のイベントを実装した可能性は十分ありえるでしょう。
以上、早い話が人間によるイタズラか、本物による怪奇現象かが今回の焦点となります。より深く掘り下げるため、これより5.4尺様が話しかけた、話しかけられたNPC達を追って調査を進めていきましょう！
怪奇現象好きの少女「ジョーイ」について
「ジョーイ」とは、5.4尺様に自ら話しかけたどころか、彼女に対し「このあたりにすごく怖い女の幽霊が出るらしい」と警告までしてしまう、ある意味豪胆な女の子です。この時の彼女は怪奇現象の噂を聞きつけてやってきた様子。その足取りを追って5.4尺様の正体に繋がるヒントがないか探ってみます。
まず見つかったのは5.4尺様が出没する深夜帯、「澄輝坪」の門前に露店を開く糖水屋での会話です。「ジョーイ」はどうやらアイスクリームを求めてきたものの、糖水屋では扱っていなかった…というだけの内容ですが、“どうやら彼女は「衛非地区」には詳しくなく、別の地域から来たらしい”ことが察せられます。
そして重要なのは次のイベント、日中に「正林」なる道士風の男性との会話です。この時「ジョーイ」は自らが“他の人には見えないもの”が見えると告白。これが本当であれば、5.4尺様とのどこか滑稽な会話も“実は怪異だったが、見慣れていた故に区別がつかなかった”とも解釈でき、“本当に幽霊”説に軍配が上がります。
ちなみに「正林」はこの際、「君も自分に背後霊が憑いているって知っているんですか」と話しており、「ジョーイ」か「正林」か、“自分”の見方次第で変わるものの、どちらかに“背後霊が憑いている”ことを語っています。
生き別れの姉妹「青雲」と「蒼海」について
「青雲」とは、5.4尺様に対してアドバイスを送ろうとするも、「うらめしや…」と驚かされる女性です。そして「蒼海」は探し人の情報を求めている少女ですが、こちらもまた建物の陰に潜む5.4尺様に「うらめしや…」と驚かされます。
どうやら「青雲」は鉱山で働く地元民であり、「蒼海」は他の地域から「澄輝坪」に訪ねてきた様子。一見接点の無さそうな両者ですが、日中の行動を追うと“おや…？”と思わされる点があります。
例えば、「蒼海」は探し人のことを一貫して“お姉ちゃん”と呼んでおり、該当の人物は12年ほど前に「衛非地区」へやってきたそうです。
一方、「青雲」の方は“妹”がいたものの、現在は一緒におらず、大災害「旧都陥落」の頃にはぐれたことがうかがえるほか、“妹を見つけたら一緒に住むのにいかが”と格安の（幽霊）物件を不動産屋「向律」に売りつけられそうになっている場面もあります。
これだけでは偶然の一致に思えますが、「蒼海」が最後に姉と会ったのはちょうど「旧都陥落」の時だったり、彼女と姉しか持っていない「双蝶玉佩」なる貴重品を「青雲」が持っていたりと、名前の“青”と“蒼”という共通点や2人の髪色が似ているのも相まって、両者が“生き別れの姉妹”である可能性は非常に高いと言えるでしょう。
「蒼海」の方は調査が進展せず心が折れそうになる場面もあり、筆者としては2人の行く末が気になります！そして1時間ほどかけて会話イベントを探していくと、何と両者がついに対面！
感動的な姉妹の再会シーン…と思いきや、“お互いに好きなものが共通している”という話をした程度で何も気づかず、隠しアチーブメントとして「すれ違い」がアンロック。アチーブメント説明文には、“澄輝坪で、青雲と蒼海が互いを探しながらもすれ違ってしまった話を聞く”とあるため、2人がすれ違い続けるのは避けられない運命なのかもしれません…。
悩める不動産屋「向律」と怪しい？道士風の男「正林」について
…と本題から逸れたものの、5.4尺様自体の調査は行き詰ってしまいました。しかしこれまでに興味深い人物として、霊に造詣が深そうな道士風の男性「正林」、そして幽霊物件を抱える不動産屋「向律」が登場。ここからは新たに彼らの行動を追ってみましょう！
「正林」はどうやら悪霊払いを生業としているらしく、日中には子供に“悪霊に憑りつかれている”と簡易的な儀式を実行している様子が確認できます。
片や「向律」の方は物件を売り込もうとするも、客にその安さから事故物件と看破され、除霊サービスで何とか引き留めようとする苦労の一幕が展開されます。
そんな彼らですが、深夜帯には一堂に会する場面も。何と「向律」は物件の案内を台無しにしたという「白いワンピースの女」、つまり5.4尺様を祓うために「正林」を雇ったようです。
まさかのダイレクトな展開ですが「正林」は「心霊現象が起きているようには見えません」と語っていたものの、5.4尺様の出没地点の手前で一転、記憶をなくして除霊に失敗してしまいます。
念のため本会話イベントを繰り返してみましたが、同じく「正林」が記憶をなくして除霊に失敗。しかし「正林」が除霊道具を集めていくイベントを見ると、どうやら既視感を覚えているようです。そして5.4尺様の出没地点にたどり着くと彼女がぽつり、「はぁ、また来たのね…」と呟いて隠しアチーブメント「今のはノーカン！もう一回だ！」がアンロックされました。
アチーブメント説明文には“正林が「白いワンピースの女」と何度も手合わせしたものの、決着かつかなかったという話を聞く。”と書かれており、これはこれでラブコメの始まりのようにも見えますが、盛大に何も始まらず一連のイベントはこれが最後のようです。
今回の調査のまとめとして、5.4尺様こと「白いワンピースの女」は本当に幽霊で、他者の記憶を飛ばすほどの力を持つものの、目的は分からないが人を驚かしている。一方、生き別れの姉妹「青雲」と「蒼海」はすれ違い続ける…という結論になりました。
後日談―Ver.2.1での彼ら
ここで本題は終わりですが、実はVer.2.1で追加された「澄輝坪」下層にある街区「泅瓏囲」でも今回のNPCたちは登場します。
その一部を紹介すると、「ジョーイ」と「正林」は相変わらず背後霊について語り合っており、「正林」単体で見ると各所で除霊能力を買われて忙しくしているようです。
また、「青雲」と「蒼海」も変わらずお互いを探している様子。特に、「蒼海」が屋台で「衛非腸粉」（腸粉＝中華料理）を食べた際、「お姉ちゃんにも食べさせてあげたい…」と感想を呟き、店主も「お姉さんがここに来たら、きっと腸粉のとりこになるぞ。」と返しています。
そして別日のイベントで当の姉である「青雲」は実際に屋台の常連と判明するため、もどかしいすれ違いはまだまだ続きそうです。
最後に不動産屋の「向律」は「泅瓏囲」でも売り込みを続けているようですが、子供連れの女性が条件なしで物件の相談をした際は、「幽霊物件を売りつけるベストタイミングだ！」と喜びます。
しかし、“子供にはもっと健やかな環境で育って欲しい”と踏みとどまり、悪い噂の無い物件を案内し始めるため、彼なりに譲れない一線があることがうかがえます。
筆者が確認した限り、残念ながら5.4尺様は「泅瓏囲」に登場しませんが、少なくとも関わった住人たちのその後が描かれており、今後追加される地域でのイベントにも注目です。
おわりに
これにて本特集は以上となります。5.4尺様自体の正体はそこまで意外性のあるものではありませんでしたが、その周囲のNPCの人間模様は、非常に興味深く、メインストーリー外にも関わらず非常に作り込まれていました。
ちなみにマップ上で取得できる隠しアチーブメントには今回紹介した以外のホラーネタやユーザー間のネタを取り入れたものも存在します。興味のある方は『ゼンゼロ』のNPC達にも目を向けてみてはいかがでしょうか？
￥3,680
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
