■ターン制RPGと繋がる物語、なのに「2D対戦格闘アクション」!
『真・女神転生II』(1994年)から『真・女神転生III NOCTURNE』(2003年)まで、約9年ほど間隔が空きました。その間を埋めるかのように、『女神異聞録ペルソナ』(1996年)や『ペルソナ2 罪/罰』(1999年/2000年)が展開し、『真・女神転生』から派生した『ペルソナ』シリーズの礎を築きます。
“異聞録”として始まった『ペルソナ』シリーズは、同時に独自の道を歩み始めました。特に、3作目の『ペルソナ3』を起点にジュブナイル要素が特に強まり、ビジュアルイメージも刷新。このテイストは、ナンバリング最新作『ペルソナ5』まで受け継がれています。
また、『ペルソナ』シリーズが見せた変化は、ビジュアルや物語の方向性だけではありません。『ペルソナ』のナンバリング作はターン制RPGを基本としつつも、『ペルソナ』関連作ではリズムゲーム(『ダンシング』シリーズ)やパズルゲーム『女神転生CHAINING SOUL PERSONA3』など、RPGに限らずジャンルを広げていきます。
その中でも特に印象的なのが、『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』(2012年)と、その続編『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』(アーケード版:2013年/PS3版:2014年)です。
この2作品のジャンルは、『ペルソナ』はもちろん『真・女神転生』関連作にもなかった2D対戦格闘アクション。これまでターン制の中で行われていたバトルが、コンボにガード、ダッシュに投げ、そしてペルソナによる攻撃を交えて、リアルタイムに展開します。
『ペルソナ4』の主人公(本作では鳴上悠)や花村陽介、里中千枝に天城雪子といった主要な面々を、直接操作してアクションを繰り出す感覚は、本作ならではの新たな刺激でした。当時の興奮と感動を今も覚えている『ペルソナ4』ファンも多いことでしょう。
しかも、物語は『ペルソナ4』の“その後の物語”とはっきり明言されており、ジャンルは全く違うものの、ストーリー面では続編の役割をしっかりと担っています。また、桐条美鶴やアイギス、真田明彦といった『ペルソナ3』キャラクターも参戦するなど、特徴が多すぎて語り尽くせないほどです。
これだけ盛り盛りだった『ペルソナ4』の対戦格闘アクションは、しかし前述の2作品で一区切りを迎えました。しかし、『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』のリマスター版が2022年に登場しており、現行機でも遊ぶことが可能です。
リマスター版には1作目のストーリーも収録されているため、この作品だけで彼らがどんな事件に遭遇したのか、一部始終が分かります。未プレイの人は、この機会にいかがでしょうか。