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高難易度ACTで知られるフロム・ソフトウェア、実は“優しい”!?『エルデンリング ナイトレイン』ソロプレイを発売3日後に素早く改善

わずか3日で実施された『エルデンリング ナイトレイン』ソロプレイ緩和。この素早い行動の理由は、フロム・ソフトウェアの“優しさ”なのかもしれません。

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高難易度ACTで知られるフロム・ソフトウェア、実は“優しい”!?『エルデンリング ナイトレイン』ソロプレイを発売3日後に素早く改善
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■『SEKIRO』が垣間見せる、敢えての“隙”

フロム・ソフトウェアのゲームは、“死にゲー”に限らず、高めの難易度でバランスを取っているものが多数あります。その難易度に抗って立ち向かい、時には心が折れて立ち止まるものの、挑戦を繰り返して乗り越える達成感は格別の味わいです。

“難しい”と頻繁に言われるゲームを作るフロム・ソフトウェアに向けて、“優しい”といった表現を当てはめることに違和感を覚える人もいるはず。しかし同社の作風には、明確に“優しさ”を感じさせる一面があります。

例えば、“死にゲー”の中でも特に手ごわいと話題になるゲームのひとつに『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』があります。本作は全般的に厳しい戦いが続きますが、その中でも指折りの強敵として立ちはだかる「葦名弦一郎」に、多くのプレイヤーが膝を屈しました。

しかし何度も戦ううちに、意外と対処が分かりやすく、本作独自のシステムに慣れれば慣れるほど、弦一郎はあしらいやすくなっていきます。そのため、彼に勝ったプレイヤーは、戦う前と比べてシステムの理解度が深まる傾向にあり、弦一郎はいわゆる先生役のような立ち位置のボスなのかもしれません。

また、『SEKIRO』のラスボス(ネタバレ回避のため名前は伏せます)は非常に手ごわく、その強さは弦一郎の比ではありません。本作独自のシステムである「弾き」からの「体幹崩し」を狙わなければ、とても勝機を見出せそうにありません。

ですが、とある連撃の後には明確な硬直(といっても、攻撃をぎりぎり避けてダッシュで近づき、通常攻撃を数発を入れられるかどうかの短い隙)があり、そのわずかな隙だけを突き続ければ、「弾き」をしなくとも勝利を手にすることができます。

この戦い方だと非常に時間がかかるため、攻略法としてはまったくお勧めしませんが、「弾き」が苦手なプレイヤーでも『SEKIRO』のクリアは可能です。

絶対に「弾き」を使わないと勝てないよう、ラスボスの強さを調整することも出来たはずですが、フロム・ソフトウェアはその隙を残す選択肢を選んでいます。そして、弦一郎を絶妙な強さに設定することで、適したタイミングで『SEKIRO』のシステムを理解できるよう誘導している節も見受けられます。

■手ごわいけど逃げ道もある『エルデンリング』

世界的なヒット作となった『エルデンリング』にも、心が折れそうな体験がしっかりと用意されています。特に、ボスのひとり「マレニア」の強さは驚異的で、最難関とも囁かれました。

「マレニア」のようなボスが立ちはだかる『エルデンリング』ですが、この作品はオープンフィールドなので、そのボスに勝てなくとも行き詰まることは滅多にありません。一旦切り替えて他の場所を探索すれば、そこで新たな武器屋アイテムが手に入りますし、自然とレベルも上がります。

寄り道が豊富なので、「そこで戦力を高めてから強敵と再戦する」というのも、『エルデンリング』らしい遊び方のひとつです。また、「マレニア」も含めてボスの多くはゲームクリアとは直接関係なく、倒さずともエンディングを迎えられます。

「マレニア」に立ち向かうか、それともスルーするか。『エルデンリング』には、どちらも選べる選択肢の自由があります。『SEKIRO』の「弾き」を必須としない調整と同じように、難しさだけにこだわるのではないフロム・ソフトウェアの配慮が窺えます。

同社の高難易度ゲームは、決して「易しい」とは言えません。しかし、「高難易度」のみに固執せず、上級者以外のプレイヤーでも楽しめるような「ゆとり」や「隙」があるのも確か。こうした調整に、そこはかとない“優しさ”を感じるのです。

『エルデンリング ナイトレイン』のソロプレイ緩和が、これほど迅速に行われたのも、上級者だけに視点を合わせるのではなく、中級者や初心者に向ける意識を忘れることなく、敏感に動く態勢を持ち続けているためかもしれません。

プレイヤー層を広く見つめるフロム・ソフトウェアの“優しい”視線は、『エルデンリング ナイトレイン』でも健在なのでしょう。



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《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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