
人気RPG『女神転生』シリーズで知られるゲームクリエイター・金子一馬氏のコロプラ移籍第1作目となる『神魔狩りのツクヨミ』が、スマートフォン/PC(Steam)で5月7日から配信開始となりました。生成AIを活用した、本作ならではの魅力とは?本記事では期待の新作のプレイレポートをお届けします。

◆悪魔ならぬ“神魔”を使役するツクヨミたちの物語
本作には異なる特性を持つ4人のプレイアブルキャラクターが用意されていますが、まずはツクヨミになったばかりの少年・十六夜月(いざよいづき)を選んでのプレイを楽しめました。

ゲームの流れは「ストーリー」「調査(ダンジョンの探索)」「バトル」の三つを軸に構成されており、探索は「THE HASHIRA」と呼ばれる超高層タワーマンションで行われます。3DダンジョンRPGのような画面構成ですが移動は自動で行われ、分かれ道にさしかかったときのみ左右どちらに進むかを選択可能。分かれ道の先にある部屋に入ると、ランダムでさまざまなイベントが発生します。
◆バトルはカードゲームで展開!
探索中に神魔と遭遇するとバトルに突入します。主人公は人ならざるもの「神魔」が封じられた神魔札を所持しており、ターンごとに札の山から3枚がドローされます。神魔札には攻撃力、防御力、特殊効果、消費オドが設定されており、与えるダメージは「自分の攻撃力-相手の防御力」というシンプルな計算式で決まります。
バトルは神魔札を使用するごとに主人公のオドが減少していき、札を使用できなくなったらターン終了。オドは次のターンになれば全快します。

スタート直後の手札は攻防にわたって使える「フィン・マックール」、攻撃力がある代わりに消費オドが2と高く、さらに防御はまったくできない「青龍」、攻撃ができない代わりに防御が高めの「モルモー」。どれも使いどころがハッキリしているので、戦闘にはすぐ慣れると思います。
◆「オオカミ」がプレイ内容に応じた手札を生成!
タワマンの中で戦闘やイベントを進めていくと、画面左上にある「あと●」という数字が徐々に減少。ゼロになるとツクヨミたちの戦いを見守っている「オオカミ」が現れ、新たな神魔札を創成(生成)してくれます。
オオカミには生成AIが用いられているので、絵柄は完全なランダム。同じ名称のカードができるとしても、絵柄はプレイヤーごとに異なるものになるようです。筆者の下に舞い降りた最初の創成神魔札は「プロメテウス」でした。

攻撃が0な代わりに防御が60と極めて高く、「使用するたびに(その戦闘の間だけ永続的に)防御力+10」、さらに敵の攻撃を受けるだけなら山札からなくならない「不退転」の効果を持っています。めちゃくちゃボス戦向きの札に見えますね。
手札を増やしながらさらにタワマンを奥に進んでいくと、最初のボス敵、土蜘蛛とエンカウント。「プロメテウス」の鉄壁の防御もあり、なんなく撃破できました。幸先がいい!

◆状況に合わせたデッキ構築が勝利へのカギ!
しかし、タワマンの10階で待ち受ける3番目のボス・バラムは大きな壁となりました。バトルでは特定の条件を満たすと敵の強い行動を阻止して1ターン行動不能にできる「BREAK」というシステムがあるのですが、バラムをBREAKする条件が「1ターン以内に5回攻撃する」というものだったのです。札を使うたびに消費されるオドが最大で4しかないのにどうしろと……!? 結局、なす術なく完敗しました。
そんなバラムへの対抗手段は、ツクヨミの協力者である「残月」たちがタワマン内で運営している神魔札ショップ「残月堂」にありました。1回の攻撃力は15と低めながら、消費オド1で3回まで連続攻撃してくれる「飯綱」の札をたくさん持っていけば、BREAKさせることができそうです。そうして何度か挑戦を繰り返し、やっとのことでバラムを撃破! 攻撃面では「飯綱」、防御面では「プロメテウス」が八面六臂の活躍をしてくれました。



◆創成神魔札を軸としたデッキ構築は自分で考える楽しみに満ちている
筆者のバラム戦で活躍してくれた「プロメテウス」は、オオカミによる創成神魔札です。もしAIがまったく効果の異なる札を作っていたら、どうなっていたでしょうか? バラムに勝つのにもっと時間がかかっていたかもしれませんし、反対に、もっと強い札ができて楽勝だったかもしれません。
本作は何らかの形で調査を終えると探索中に得た札がすべて失われますが、再び探索を始めるときに「手持ちの創成神魔札のうち1枚」を選んでデッキに入れられます。つまり、創成神魔札を活かした戦い方は、他の人の戦法をマネするのは難しいかもしれませんが、自分自身で作った札を軸にした戦法であれば再現するのは難しくないということです。

誰かの攻略情報に頼るよりも、自分なりの戦い方を構築するのがストーリーを進めるコツになりそうだと感じました。
本作は『女神転生』シリーズで知られる金子一馬氏が深く関わっているだけあり、キャラクターデザインやイベントに独特のドライさがあります。また、生成AIをゲームの根幹といえる部分に活用していたり、基本無料である割にはいわゆるガチャがなかったりと、今日のスマホゲームとしてはかなり異質であるといえます。

ガチャがないということは、いわゆる“課金圧”も強くはないということです。前述したようなさまざまな異質さとは裏腹に、「歯ごたえがありつつも遊びやすい」ゲームになりそうだと感じました。そういったちょっと変わったゲームが好きな人は要チェックです!

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※記事で使用している画面写真はSteamでの先行体験版のものです。