
みなさんは、クチートというポケモンをご存知でしょうか?
“クチート
分類:あざむきポケモン
タイプ:はがね、フェアリー
高さ0.6m、重さ11.5kg
説明:おとなしい 顔で 相手を 油断 させてから おおあごで かぶり。噛みつくと 絶対に 放さない。”
クチートはいわゆる“第三世代”と呼ばれている『ポケットモンスター ルビー・サファイア』から登場していますが、現在はやや不遇な扱いを受けている印象があります。
『ポケットモンスターX・Y』ではメガシンカで猛威を奮ったものの、『ポケットモンスター ソード・シールド』ではメガシンカの廃止で弱体化されてしまいました。
さらに、最新作『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』ではついにリストラされてしまった挙げ句に、はがね×フェアリー枠を新ポケモンの『デカヌチャン』に奪われるという悲しい結末に……どうしてこうなった。

……だめだ、クチートの魅力をトレーナーの皆様に伝えて拡散しないと、その良さが伝わらないまま忘れ去られてしまう。
そんなクチート大好きな私が、「愛玩動物飼養管理士」という資格を活かし、「もしクチートを現実世界で育てることができたなら」という視点で、皆様にその魅力をお伝えしたいと思います。
願わくば、クチートを愛してくれるトレーナー様が一人でも増えますように。
◆クチートの飼育方法
・遺伝について
さてポケモンを語る上で外せない要素として、遺伝についておさらいしておきましょう。その形などの様々な特徴を形質と呼び、この形質を親から受け継ぐ現象のことを遺伝と呼びます。
賢明なトレーナー様のなかには、学生時代に習った『メンデルの遺伝法則』を思い出した方もおられるのではないでしょうか? メンデルの遺伝法則を簡単に説明すると、A(顕性)とa(潜性)の組み合わせによって、形質の伝わり方が変わるという性質です。例えば、AAとaaの両親から産まれた子どもは、AA、Aa、aaの組み合わせが1:2:1で現れます。
♂と♀のポケモンからタマゴが発見された時、その形質を受け継ぐときこの法則に従っていると思われます……が、実際は複雑で説明していくとキリがないので、予備知識として覚えておくと良いでしょう。
・繁殖生理
一般的な哺乳動物の場合、一定年齢で性成熟を迎え、繁殖が可能になります。例えば♂ビーグル犬なら10ヶ月齢、♀ビーグル犬なら6~12ヶ月齢で性成熟を迎えます。
性成熟を迎えた後、発情期が到来します。前期は♀動物が♂動物を許容する体勢を示し、後期は実際に♂動物を受け入れ、その後は発情休止期に入ります。だんだん生々しい話になってきましたね。
さて話を戻すと、クチートの繁殖については謎のままです。なにせ、公式が「タマゴは発見されるもの」としており、そもそも「ポケモンがタマゴを産んだとは証明されていない」とWikiに記載されているくらいです。
そのため、ポケモンの繁殖生理については謎が深まるばかりです。
・動物行動学
環境省により定められた動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)の第一章第二条には、以下の記載があります。
“動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。”
つまり、動物の行動や習性を考慮しない飼い方は虐待にあたる、と名言されています。
さて、ポケモンの行動は大きく分けて2種類に分けられます。
個体が環境との相互関係で見せる行動
求愛やなわばりなど同種の個体間における社会行動
前者は、飼育する環境に対しての配慮です。クチートは『あざむきポケモン』なので、誰かをあざむいても叱ってはいけません。習性なのですから仕方ありません。

後者は、同種の個体との関係性や距離感などを言います。集団生活では同じ種族との生活が非常に重要です。優しく見持って、過剰なときだけ介入しましょう。

お互いにおおあごをぶん回している姿はケンカしているようにも見えますが、こういったじゃれあいは成長に必要なことでもあります。優しく見守りましょう。もしケガしちゃったときはポケモンセンターへ。

・摂食及び飲水
摂食行動や飲水行動は、生命を維持するために必ず行われる行動です。家庭で飼育しているポケモンでも、獲物を捕まえる捕食行動や溜まった雨水を飲む飲水行動が本能的に残されている場合があります。
クチートの場合は、過去作で以下の説明がありました。
“2つの 口を 持つ。 後頭部の 大アゴには 味覚が ないため 苦手な ものは こちらで 食べる”
つまり、好き嫌いがあるようです。とはいえ、好き嫌いをそのままにしていると栄養が偏ります。バランスの良い食事を心がけましょう。
カレーは美味しいですが、それだけでは栄養が偏ります。

また、ポフィンばかりでもいけません。

◆クチート、メガシンカで復活なるか
以上、クチートの飼育法を通じて魅力をお伝えしてきました。
なお新作『Pokémon LEGENDS Z-A』が発表された時、「メガシンカ復活」と聞いて喜んだトレーナーは、私だけではないのではないのでしょうか? 猛威を奮ったメガクチートが復活することを心から祈っています。

最後に、『Z-A』の発売は本当に楽しみですが、ちょっと待ってください。ポケモンを捕獲するにあたり、知事の許可は得ていますか?
ポケモンをゲットしていると野生動物の乱獲にあたり、鳥獣保護管理法に違反するおそれがあります。皆さんも発売前に、知事の許可を得ておきましょう!
それでは皆さん、良いポケモンライフをお過ごしくださいね。
参考文献:愛玩動物飼養管理士1級第1巻(公益社団法人日本愛玩動物協会発行)