
アーケードの傑作タイトルを詰め込み、収録した作品のすべてにトレーニングモードやネットワーク機能を搭載した格闘ゲームファン必携の作品『カプコン ファイティング コレクション2(以下、ファイコレ2)』の発売が2025年5月16日に迫っています。
今回の記事では収録作品から3タイトルを紹介し、魅力に迫ります。
◆違いが分かると嬉しい!『CAPCOM VS. SNK MILLENNIUM FIGHT 2000 PRO』

『CAPCOM VS. SNK MILLENNIUM FIGHT 2000 PRO』(以下、カプエスPRO)は、2001年に稼働した、初代『CAPCOM VS. SNK MILLENNIUM FIGHT 2000』のバージョンアップ作品。ダンやジョー・ヒガシなどプレイアブルキャラクターが追加された他、演出面での強化が行われた最終バージョンです。
続編の『CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001(以下、カプエス2)』が大会での採用実績が長いため、後年の格闘ゲーマーにはあまり知られていないのですが、本作は『カプエス2』の下地ではありつつも独自の魅力が多くあります。

まず、使用するボタン数すら『カプエス2』とは異なります。弱パンチ・強パンチ、弱キック・強キックの4ボタン制です。従来のストリートファイターシリーズと操作感はかなり異なりますが、SNKタイトルや『スト6』のモダン操作で6ボタン以外の操作に馴染んだ方はすんなり入れるかもしれませんね。

『カプエス2』では6グルーヴに発展したグルーヴ選択システムですが、『カプエスPRO』ではCAPCOMグルーヴ・SNKグルーヴの2種類。強みは大きく異なりますが、筆者は立ち回り重視で選択しています。
例えば使用キャラのステップ性能が良ければCAPCOMグルーヴ、ラン性能が良いか超必殺技を遠距離で使える性能ならSNKグルーヴを選択、といった具合です。
特に気に入っているのはCAPCOMグルーヴの春麗! CAPCOMグルーヴを使用すると、続編『カプエス2』や他の登場作品にはない高性能なステップが使用できるからです。また、天昇脚に派手なエフェクトが発生しているのも本作ならではの味です。
【グルーヴの主な特徴】
・CAPCOMグルーヴ

・与ダメージ、被ダメージでグルーヴゲージが上昇する。一定量のグルーヴゲージを消費すると、レベル1~3の超必殺技を使うことができる(ストリートファイターZEROシリーズに近いプレイ感)
・前入力を二回行うとステップができる
・SNKグルーヴ

・被ダメージと「パワー溜め(強P+強K)」行動によってグルーヴゲージが上昇。最大値に達すると一定時間攻撃力がアップし、効果時間中は一回超必殺技が使用できる
・体力30%以下の状態では、超必殺技が使い放題
・体力30%かつグルーヴゲージが最大の場合、MAX超必殺技(レベル3超必殺技)が使用できる
・前入力を二回行うとランができる
◆「チル」なビジュアル。「あの頃の新しさ」を感じてリラックス

インターフェースに、昔のオーディオ機器やMVのような懐かしい感じの作り込みを感じられます。定番のBGMも独特のアレンジをされており、「チル」な感じを楽しめます。昨今ではなかなか感じられない2000年代初頭ならではの雰囲気ですね。
◆実はキャラ数が多い!?EXで細かい違いを遊べ!

今作で使用できるキャラは35キャラですが、多くのキャラに「EXTRA」バージョン(以下、EX)が用意されています。スタートボタンを押しながらキャラクターを選択することで使用できるのですが、EXキャラは技構成が大きく変わっています。
長い格闘ゲームの歴史の中で、技構成が大きく変わっていったキャラは多いのですが、その中でよりこだわりのあるバージョンを選択できるというのはファンにとって嬉しい点で、『カプエス2』にはない魅力です。そのため、『カプエスPRO』では実質35キャラの倍近いキャラがプレイ可能ということになります。
◆ハチャメチャだけどやりこめる4人対戦!『パワーストーン2』

『パワーストーン2』は『パワーストーン』の続編作品(2000年稼働)。アイテムやギミックを利用したアクションの自由度、フィールドのパワーストーンを3個集めると超強力なモードへ変身できるという逆転要素はそのままに、4人対戦となったことでパワーストーンの奪い合いはよりハチャメチャになっています。

いわゆる「格ゲー」が収録されている本作『カプコン ファイティングコレクション2』ですが、本作はいわゆる「コマンド技」がないシンプルな操作です。ボタンも3つに絞られており、攻撃用のアタックボタン、移動用のジャンプボタン、ギミックやアイテム利用やキャラごとの固有操作を行うアクションボタンがあります。

『パワーストーン』初代と同じく、ポールを使用したアクションは健在。ポールを使って回転し強烈なキックを叩き込み、パワーキャラはポールを引き抜いて近接武器にしてしまいます。インストカードの言う通り、「アクションボタンで何でもできる!」

ボタンは少ないですが、キャラの持っている通常攻撃やジャンプ攻撃は強い個性を持っています。そのため、キャラごとにやりこみの差が大きく出る作品といえるでしょう。

また、ステージギミックも強制スクロールやリングアウトなど強烈なものが多いので、ステージ自体のやりこみも対戦を有利にする大きな要素です。4人対戦というより、ほとんどPvEのような状況になるフェーズが発生するステージもあります。



初代『パワーストーン』同様、数多くのアイテムが登場します。さらにステージギミックや対戦相手の妨害が絡み合い、対戦の度に違った展開が起こりやすいです。またアイテムの有効射程やスピードもバリエーションが多く、アイテムごとに「使いこみ」によって対戦相手に差がつけられる深さを感じました。

◆アーケードモードのボス戦をクイックセーブでやりこもう

ステージによっては巨大なボスとのバトルが発生します。協力してボスの撃破を行うのですが、アーケード作品ということもありなかなかの難易度です。しっかりとパターン構築をしなければ撃破できません。
そこで、『カプコンファイティングコレクション2』に用意されたクイックセーブ機能の出番です。もちろんコンティニューを繰り返すことで攻略を深めるアプローチもありますが、クイックセーブを使用すれば状況を再現し、より細かく攻略パターンを検証することができます。
◆簡単操作で本格3D格闘『スターグラディエイター2』

1998年に製作された作品。初代『スターグラディエイター』にあったガードボタンは廃止し、操作感は2D格闘ゲームに近くなりました。
一方で、M(回り込み)ボタンが追加。Mボタンひとつで回り込みが発動できる他、方向キーと組み合わせることでダッシュが可能。キビキビと動けるだけでなく、軸を変えてより3D格闘らしい立体的な攻防ができるようにもなったのです。
・基本システム

A、B、K、Mの4ボタンによる操作です。
・Aは縦斬り。発生に優れ、『ヴァンパイア』シリーズのチェーンコンボのように、その後に攻撃を行うことで派生するルート(スターグラディエイターでは「プラズマコンボ」と言います)が最も多い、基本となる攻撃です。
・Bは横切り。リーチと威力に優れます。
・Kはキック。発生は早いものの威力は低め。プラズマコンボのルートも少ないですが、プラズマリフレクト(防御系の特殊行動)で跳ね返されない、下段属性が狙えるというトドメ向きの性能です。
・Mは回り込み、ダッシュなど移動系操作で使用します。
◆現代の格闘ゲーム水準の触りやすさ!ちょっとトレモしてすぐ戦おう!


ボタンを次々と押していくだけでプラズマコンボが発生し、簡単にコンボができます。プラズマコンボは暴れ潰しや中下段など、有用な組み合わせが多いです。これによって常に相手に防御中の選択を迫りつつ、ヒットしていればキャンセルして必殺技を繰り出すことができるのです。攻めが強い、アグレッシブなゲーム性と言えるでしょう。
基本はA(縦斬り)を二回派生させてヒット確認した後に必殺技に派生するのが無難ですが、その後も派生させることでさらなる読み合いに持ち込むことができます。

前述した通り操作は簡単ですが、キャラごとの能力の個性はなかなか強烈。攻撃判定が大きく伸びたり、巨大化したり、なんと小さくなるキャラまで。持っている技を一通り試せばすぐに試してみたい戦略が出てくるほどに、強くキャラ付けがされています。

プラズマリベンジ、プラズマリフレクト、プラズマストライク(技によって無敵がある)など、防御向けの行動が豊富です。攻撃が強烈な分、防御のシステムが整っており、一方的にやられてしまう状況を防いでいます。
このように、現代の格闘ゲームで採用されている視点のシステムの多くが搭載されており、最近格闘ゲームを始めたという方、本作から格闘ゲームを始めるという方もすんなり入っていける内容です。

余談ですが、本作のメインヒロイン「ジューン」のアクションには多くのお色気要素が含まれています。間違いなく、『ファイコレ2』のレーティングを引き上げているのはジューンです。是非本作を購入してご検証ください。もしジューンばかり上達しても、筆者が思うにジューンはかなり強力キャラですので、ランクマッチでも活躍間違いなしですよ!
『カプコンファイティングコレクション2』はニンテンドースイッチ/ PlayStation4/Xbox One/ PC(Steam)にて、2025年5月16日(金)予定です。
¥4,491
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)