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大流行になった『ストリートファイター6』―その濃密な一年を振り返る【UPDATE】

時代はゲームセンターからオンラインへ!

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大流行になった『ストリートファイター6』―その濃密な一年を振り返る【UPDATE】
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1991年……『ストリートファイターII』がアーケードにて稼働を開始し、大人から子どもまであらゆる人を熱狂の渦に巻き込んで「対戦格闘ゲーム」が大ブームになりました。

しかし、ゲーム文化の多様化と、格ゲー自体の複雑化により、少しずつ格ゲー業界は狭く深くなっていきます。近年はeスポーツシーンこそ存在していましたが、一般人にとってはなかなか敷居の高いジャンルになっていたのは事実でした。

そんななかで、新規層を多く取り込むことに成功したタイトルが『ストリートファイター6』です。2023年6月2日に発売してからまもなく一年となるこの節目に、令和の格ゲーブーム勃興までの流れを追いかけていくことにしましょう。

◆体験版からオープンベータテストへ。少しずつ見えてきた「傑作」の期待

『ストリートファイター6』の体験版が配信されたのは、2023年4月21日のこと。体験版ではリュウとルークの2キャラクターしか使えませんでしたが、日本のプロゲーマーたちが100時間以上も遊び倒している姿を見て、海外のゲーマーが驚くという珍事が起きていました。体験版ではネット対戦ができなかったため、トッププロ同士がまるで小学生の夏休みのように、誰かの家に集まってオフライン対戦をする姿が配信されることもありましたね。

この時点で基本のシステムは完全に出来上がっており、ドライブインパクトの打ち合いや、ドライブラッシュを起点とする攻めっ気の強いデザインなどを堪能することができ、評価は上々でした。

その後、5月19日から22日にかけてオープンベータテストが開かれました。ルーク、ジェイミー、リュウ、春麗、ガイル、キンバリー、ジュリ、ケンの8キャラクターだけですが、ついにバトルハブで友達とオンライン対戦ができるようになったのです。

この時からプレイヤーのあいだで「これはかなりバランスが良いゲームなのでは?」という評判が立ち始めます。ちなみに、プロゲーマーのかずのこ氏が、OD武神旋風脚に無敵が付いていたキンバリーを使用して暴れまくっていました。

◆ついに発売……CRカップによってストリーマーたちがドハマリする!

6月2日、ついに『ストリートファイター6』が発売します。好調な滑り出しで、Steamの同時接続者数は6万人を超える盛況を博しました。ゲームとしての出来についても、もう今更語るまでもないことでしょう。

とはいえ、本作が格ゲーという枠を超えて流行を作り出した要因は、その完成度だけでなく、ストリーマーのあいだで流行ったことが大きいはずです。

6月26日に開催されたストリーマーイベント「CRカップ」で『スト6』が採用されたことで、多くのインフルエンサーやVTuberが楽しそうに格ゲーを遊んでいる模様が配信されます。モダン操作というワンボタンで必殺技が出る仕様により、初心者がいきなり格ゲーの醍醐味である読み合いのレベルまで達することができた……というのが大きいでしょう。

このストリーマーで起きたブームについて、『スト6』プロデューサーである松本脩平氏も「めちゃくちゃありがたいですね」とコメントしています。


◆プロゲーマーたちも負けてられない! 国内外で激戦が繰り広げられる

そして7月7日からはSFLこと「Street Fighter League」が始動。毎年行われているCAPCOM公式のチーム戦による大会です。半年間をかけてじっくりと予選が行われ、年末のGRAND FINALへの挑戦権を争うこの大会でも、多くの名勝負が観られました。

さらに忘れてはならないのが、7月20日から21日にかけて開催された格ゲー業界最大の祭典「EVO 2024」です。接戦を勝ち抜いたのはANGRY BIRD選手です。

さらにサウジアラビアで高額賞金大会「Gamers8」が開催され、若き日本のプロゲーマーである翔選手が優勝しました。ジャストパリィで相手の攻撃を取ることが「KAKERU」と呼ばれるミームまで生まれましたね。

◆ほぼ毎月なんらかのイベントが起きている『スト6』。ブームの灯を絶やさないコミュニティや運営の努力

発売から2ヶ月以内にこれだけのビッグイベントが重なっていること自体驚きですが、大事なのはここからです。筆者が見てきた限り『ストリートファイター6』に関係するイベントは、それからもほぼ毎月あるいは毎週のように行われてきました。

7月末には初の新キャラクター「ラシード」が、9月には「A.K.I」が実装されます。また10月にはSFLの2nd STAGEがスタートし、夕飯を食べながらYouTubeに釘付けになっていました。11月にはVTuberの葛葉氏が主催する「KZHCUP」が行われ、こちらも多数の視聴者を獲得しました。

年末にはSFLのプレイオフ、そして2024年の1月にはSFLのGRAND FINALが行われ、ほとんど『スト6』を観ながら年を越したような感じすらします。翌2月には優勝賞金100万ドルをかけた大型大会「CAPCOM CUP X」が開催され、眠い目をこすりながらカリフォルニア州ハリウッドからの中継を観ていました。

蓋を開けてみれば、この大型大会を制したのは、プロゲーミングチームに所属する選手ではなく、アマチュアであるUMA氏でした。『スト6』コミュニティの層の厚さと、何が起こるかわからない大会ゆえの番狂わせを同時に目の当たりにしましたね!

他にも、こくじん氏がまたしても売れかけた3月の「配信者ハイパーゲーム大会」や、4月末に行われた「EVOJAPAN 2024」の盛況ぶりなど、挙げたらキリがないほど大小様々なイベントが開かれた1年でした。


モダン操作の実装により、誰しもが遊べるようになった『スト6』。ただ、それだけでは群雄割拠のオンラインゲーム業界で生き残れません。(ドライブラッシュキャンセルを66ではなく中強同時押しで出せるようにするといった)開発サイドによる細やかなアップデート、CAPCOMによる止め処ない宣伝、ストリーマーたちによるコミュニティの底上げ、プロゲーマーたちの激戦、そして何よりプレイヤーひとりひとりが心の底から楽しんでいなければ、この再ブームは成り立ちませんでした。

現在アナウンスされているゴウキが実装されれば、いよいよ『スト6』はYear 2を迎えることとなります。新キャラクターは誰なのか?今後、どんな大会が開催されるのか?新しいシステムや遊びは追加されるのか……? この盛り上がりを保ったままで、さらなる躍進を期待したいですね!

【UPDATE】本記事が一部、意図しないニュアンスで伝わってしまっており、タイトルと内容を調整致しました。誤解を招いたことをお詫びし、謹んで訂正致します。


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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
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《各務都心》

各務都心

マーダーミステリー『探偵シド・アップダイク』シリーズを制作しているシナリオライター。思い出の一本は『風のクロノア door to phantomile』。

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