世界各地のコスプレイヤーを追いかけて旅を続ける(取材をする)中、強く印象に残る美女を見つけました。
台湾在住の香港出身の「小楠(こなん)」さんは、台湾で活躍する新進気鋭のコスププレイヤーです。妖艶な表情からスタイリッシュなアクションポーズまでお手のもので、持ち前の美貌に加えて努力で培った高い表現力を備えています。
特に彼女を語る上では、『Fate/Grand Order』の「酒呑童子」のコスプレが外せません。この数年間取材した中でも、キャラ再現度の高さはトップクラスで、何よりキャラへの深い愛情から2年間にわたって何度もコスプレを追求している姿勢に感銘を受けました。
実は11月から小楠さんが2年間にわたって撮影してきた「酒呑童子」のコスプレ写真展が台湾で開催されました。多くの衣装や小道具なども自作して、これまで登場した酒呑童子の様々な衣装を撮影して来た集大成です。厳選された写真だけでなく、衣装や刀、ひょうたんなど撮影に使った衣装・造形も展示しています。開催前日に本院の案内の下、取材をさせて頂いたのでご紹介します。

会場では酒呑童子の同人写真集頒布もあり、その写真を実際に撮影した際に使用した衣装や造形も展示されていました。多くは自分で一から製作したり、既存の瓢箪やスニーカーなどを改造したりしたもので、自分で書いた設計図もありました。






コスプレは撮影の瞬間ばかりフォーカスされますが、事前準備がとても大切です。特に衣装造形のクオリティー次第で写真の見栄えが大きく変わってしまいます。一から造形・製作するのは大変な作業ではあるものの、自分の体にフィットしたサイズに調整もしやすくて、コスプレ完成度を大きく高めます。同時に、キャラへの熱量の高さが感じられました。


この2年間で撮影した衣装は公式だけでなく、同人のものもあるそうで、会場には厳選された写真が展示されていました。


また、小楠さんがこだわった点としては、「妖艶」さにフォーカスされがちな酒呑童子の、残酷、かっこいい面も写真で表現しています。例えば、酒呑童子は伝承だと肌の色が赤いので、背景に赤い丸を置いたり、誘拐した若い女性や貴族の姫を食べたという伝承から髑髏を積み重ねたりといった写真が印象的でした。彼女の酒呑童子コスプレを追求する道は、まだまだ続いていくそうで、酒呑童子のデザインを生み出したイラストレーターの「本庄雷太」氏への深い感謝を話していました。

実際の撮影は大変なことの方が多かったようで、海岸で撮影した際は、たくさんの蟻に足やお尻を噛まれてしまった状況でもシャッターが切られるまで動かない・・・といったエピソードも披露してくれました。近年は日本のイベントにも参加する機会が増えていて、日本語も勉強中です。また、日本人でも参加しやすい台湾最大級の同人イベント「Fancy Frontier(通称、台湾FF)」や「Petit Fancy(通称、台湾PF)」にも定期的に参加しており、見つけたら気軽に日本語で話しかけてほしいとのことでした。非常に強い個性を感じさせる小楠さんの活動をお見逃しなく。





モデル:小楠(Instagram:naaaaaaam_cos2023、X:@Naaamuumm)
撮影:乃木章(X:@Osefly)














