人生にゲームをプラスするメディア

『薔薇と椿』は“おビンタ”だけのゲームじゃない! 華族と庶民の戦いを描く「昼ドラ」感がたまらない─さあ始めよう、おビンタの嵐

“おビンタ”が注目されがちな『薔薇と椿』ですが、その物語も実に魅力的。ビンタの影に隠された素晴らしゐ世界も、ぜひご覧ください。

ゲーム 特集
『薔薇と椿』は“おビンタ”だけのゲームじゃない! 華族と庶民の戦いを描く「昼ドラ」感がたまらない─さあ始めよう、おビンタの嵐
  • 『薔薇と椿』は“おビンタ”だけのゲームじゃない! 華族と庶民の戦いを描く「昼ドラ」感がたまらない─さあ始めよう、おビンタの嵐
  • 『薔薇と椿』は“おビンタ”だけのゲームじゃない! 華族と庶民の戦いを描く「昼ドラ」感がたまらない─さあ始めよう、おビンタの嵐
  • 『薔薇と椿』は“おビンタ”だけのゲームじゃない! 華族と庶民の戦いを描く「昼ドラ」感がたまらない─さあ始めよう、おビンタの嵐
  • 『薔薇と椿』は“おビンタ”だけのゲームじゃない! 華族と庶民の戦いを描く「昼ドラ」感がたまらない─さあ始めよう、おビンタの嵐
  • 『薔薇と椿』は“おビンタ”だけのゲームじゃない! 華族と庶民の戦いを描く「昼ドラ」感がたまらない─さあ始めよう、おビンタの嵐
  • 『薔薇と椿』は“おビンタ”だけのゲームじゃない! 華族と庶民の戦いを描く「昼ドラ」感がたまらない─さあ始めよう、おビンタの嵐
  • 『薔薇と椿』は“おビンタ”だけのゲームじゃない! 華族と庶民の戦いを描く「昼ドラ」感がたまらない─さあ始めよう、おビンタの嵐
  • 『薔薇と椿』は“おビンタ”だけのゲームじゃない! 華族と庶民の戦いを描く「昼ドラ」感がたまらない─さあ始めよう、おビンタの嵐

華族は“おビンタ”で戦う──何を言っているのか一瞬理解できず、しかしこれ以上の説明はいらないほどパワフルなアクションゲーム『薔薇と椿 ~お豪華絢爛版~』(以下、薔薇と椿)がニンテンドースイッチ向けに発売され、一部ユーザーの間で熱のこもった盛り上がりを見せました。

実際に遊んだ一般ユーザーの評判はもちろんのこと、VTuberによるゲーム実況もたびたび行われ、“おビンタ”で繰り広げるバトルの模様がSNS界隈に大きく広がります。

非常に力強く、そしてセンシティブな“おビンタ”による対決。問答無用のやりとりに多くのゲームファンが注目しましたが、特に話題になりやすいのは、一見しただけでも分かる“おビンタ”の要素。確かにそれも大きな特徴ですが、しかし“おビンタ”だけが本作の魅力ではありません。

もうひとつ注目して欲しいのは、高貴な家柄である華族「椿小路家」を舞台とした、誇りと下剋上がぶつかり合う人間ドラマ──そう、「昼ドラ」を彷彿とさせるような女同士の戦いと、その顛末です。一周回って突き抜けている世界観の完成度、そして徹底具合が素晴らしく、見逃すには実に惜しいポイントです。

そこで今回は、本作を一通りクリアした筆者が、『薔薇と椿』で待つ魅惑的な物語を紹介します。“おビンタ”だけで終わらない本作の魅力に触れ、ぜひ本作のプレイをご検討ください。

なお、取り扱う内容の関係上、物語面についてのネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。

■『薔薇と椿』プレイの前にまず見たい、世界観を雄弁に描くOP映像

早速、その物語の魅力について迫ります……と言いたいところですが、まずは世界観をこれでもかと表現したオープニングから紹介します。

『薔薇と椿』は、椿小路家の子息・俊介と結ばれ、華族に名を連ねた女性「玲子」の反攻をきっかけに、物語が動き始めます。俊介の死を境に“下民の女”と蔑まれた不当な扱いに立ち上がり、華族と庶民の誇りをかけた“おビンタ”バトルが始まるのです。

なぜ“おビンタ”で決着をつけるのかは、「華族なので」という一言に尽きます。作中の説明によれば、「おビンタは華族の女性がお相手を許せない時にだけ許される、由緒正しき競技」とのこと。それ以上の詮索は、華族らしからぬ振る舞いに違いありません。

このように強烈な世界観を持つ『薔薇と椿』ですが、椿小路家との確執・おビンタによる決着・女たちのプライドといった重要なポイントを、わずか1分強のオープニング映像と主題歌だけで雄弁に語ってくれます。

まず映像の冒頭でいきなり、「つぼみにくるまれたままの やわらかな おさつい」と、なかなかのフレーズが放たれます。「やわらかな おさつい」、いつか使ってみたいと思わせる言い回しです。

ばらのそので きずついても ひけない きせつがある」は、まさに今の玲子そのもの。“おビンタ”で(かなり物理的に)傷つく目に遭うとしても、一人の人間としての誇りのため、そして俊介と過ごした居場所を守るため、立ち上がる。本作の展開を的確に示している一文です。

そんな玲子の振る舞いを、椿小路家の女傑たちが素直に受け入れるはずもありません。ぶつかり合うしかないこの状況を、「ことばじゃ もうおさまらない はじめましょ おビンタのあらし」と表現。「おビンタのあらし」で厳しい戦いを予感させる一方で、お互いに譲らぬ意気込みがこもった「はじめましょ」という言葉が、非常に力強さを感じさせます。

そして飛び出す「てのひらのシビレは たけきおんなのあかし」。筆者もそれなりの年月を生きてきましたが、ビンタによる攻撃をこれほど気高く綴った表現を見たのは、生まれて初めてかもしれません。

主題歌の一部だけを見ても、優れた言葉のチョイスとテキストセンスの良さが光ります。本編の物語も、いい意味で始終この調子なので、注目して欲しいと願う気持ちもお分かりいただけることでしょう。

ちなみにオープニング映像は、本作を開発した「NIGORO」の公式YouTubeチャンネルで公開中なので、興味が沸いた方は一度ご覧になってください。



《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

+ 続きを読む
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

ゲーム アクセスランキング

  1. 『モンハンワイルズ』ハンターが最も選んだ“メイン&サブ武器”結果発表! βテスト時との比較で、大きく躍進した武器種も【アンケ結果】

    『モンハンワイルズ』ハンターが最も選んだ“メイン&サブ武器”結果発表! βテスト時との比較で、大きく躍進した武器種も【アンケ結果】

  2. 『ゼンゼロ』Ver.2.0の情報がもう公開―新キャラ「儀玄」やアイドル陣営「妄想エンジェル」参戦、初期エージェントたちの強化も検討中

    『ゼンゼロ』Ver.2.0の情報がもう公開―新キャラ「儀玄」やアイドル陣営「妄想エンジェル」参戦、初期エージェントたちの強化も検討中

  3. 6日間限定でヒメンカが初登場!激レア色違いも出現する「春イベント2025」重要ポイントまとめ【ポケモンGO 秋田局】

    6日間限定でヒメンカが初登場!激レア色違いも出現する「春イベント2025」重要ポイントまとめ【ポケモンGO 秋田局】

  4. 『モンハンワイルズ』大集会所に隠れる「巨大フワフワクイナ」にもう会った?可愛らしい仕草にキュン―時々アイテムもくれる

  5. 最大75%OFF!『サイバーパンク2077』や『GTA5』、『ホグワーツ・レガシー』などオープンワールドを遊びつくせ【eショップ・PS Storeのお勧めセール】

  6. 元KURO GAMES社員のスタートアップが贈る『Black Beacon』が配信間近―次なるヒット作を探せ!日本未上陸の注目ゲームアプリ3選【2025年4月6日】

  7. 「1億5,000万人の関心を維持したい」―米任天堂社長、スイッチ2発売後もスイッチ新作ソフトをサポートしていくと表明

  8. 美少女ゲーム販売大手「FANZA」購入済みタイトル遊べなくなるときは「原則告知」。規約追加で不安の声上がるも、直近の心配はなし

  9. 『モンハンワイルズ』で愛用している武器はどれ?「メイン」と「サブ」の厳選理由や、満足&不満点も大募集!【アンケート】

  10. 「スイッチ2」受付完了メールが届かないときは「注文履歴」をチェック!任天堂サポートがアナウンス

アクセスランキングをもっと見る