人生にゲームをプラスするメディア

『GUILTY GEAR』20周年! 個性を詰め込み2D格ゲーを再燃─石渡太輔氏も公式サイトで思いを語る

プレイヤー同士が熱い火花を散らす、対戦型格闘ゲーム。その歴史の節目には、様々なタイトルが登場し、時代ごとに大きな盛り上がりを見せました。高いシリーズ人気を獲得したものもあり、その中には現在も最前線で活躍するものもあります。

その他 特集
『GUILTY GEAR』20周年! 個性を詰め込み2D格ゲーを再燃─石渡太輔氏も公式サイトで思いを語る
  • 『GUILTY GEAR』20周年! 個性を詰め込み2D格ゲーを再燃─石渡太輔氏も公式サイトで思いを語る

プレイヤー同士が熱い火花を散らす、対戦型格闘ゲーム。その歴史の節目には、様々なタイトルが登場し、時代ごとに大きな盛り上がりを見せました。高いシリーズ人気を獲得したものもあり、その中には現在も最前線で活躍するものもあります。

そんな人気シリーズのひとつに数えられる『GUILTY GEAR』の記念すべき一作目が、今日からちょうど20年前となる1998年5月14日に発売されました。シリーズ2作目となる『GUILTY GEAR X』は、アーケードや様々なハードで展開されましたが、シリーズの幕開けを飾った『GUILTY GEAR』は、プレイステーションのみのリリースでした。(後に、復刻版がアーカイブス化))

本シリーズは、家庭用向けの対戦格闘ゲームとして登場し、後の作品でゲームセンターなどにも熱いバトルを提供。世界的な対戦型格闘ゲームの大会「Evolution Championship Series」(略称:EVO)のタイトルにも選出され、人気・知名度ともに格闘ゲーム史に残る人気シリーズへと成長しました。その原点となった『GUILTY GEAR』を、今回あらためて振り返ってみたいと思います。

◆2D対戦格闘ゲームに一石を投じた『GUILTY GEAR』


2D対戦格闘ゲームの歴史がどこから始まったのか、人によって解釈は様々かと思います。例えば、1vs1で戦う『イー・アル・カンフー』(1985年)は、しかし対人戦プレイが当時は用意されておらず、CPUとの対戦のみでした。『イー・アル・カンフー』は対戦格闘の先駆けではありますが、現在主流となっている対人戦の草分け的存在という意味では、『ギャラクティックウォーリアーズ』(1985年)の方が色濃いかもしれません。

しかし、『ストリートファイターII』(1991年)が2D対戦格闘ゲームの大きな転機となったのは、間違いありません。それまで、前作に当たる『ストリートファイター』を含め、格ゲーはいくつか出ていましたが、いずれも大ヒットには至らず。ですが、『ストII』が爆発的なヒットを遂げたことで、格ゲーというジャンル自体が大きなムーブメントとなりました。

その勢いを更に後押しするように、『餓狼伝説 宿命の闘い』や『龍虎の拳』、『サムライスピリッツ』に『ヴァンパイア The Night Warriors』、『ザ・キング・オブ・ファイターズ '94』などがゲーム業界を賑わせます。ですが、どんなブームも永続することはありません。それは格ゲーに関しても同様で、最盛期の勢いは少しずつ失われ、年間のリリース総数も減り始めていきます。

そんな、ブームの陰りが見え始めた1998年に、『GUILTY GEAR』がリリースされました。格ゲーブームが落ち着き始めた頃に登場しながらも、本作が埋もれることなく注目を集めたのは、グラフィック・ゲーム性・設定など、いずれも個性的だったためです。その際立った個性こそが、格ゲーに新たな可能性を提示し、後の2D対戦格闘ゲームに影響を与えました。

◆『GUILTY GEAR』が持つ個性と魅力


本作は家庭用向けだったため、『GUILTY GEAR』との出会いは雑誌が中心でした(当時はまだ、インターネットが普及しておらず)。『GUILTY GEAR』に登場するキャラクターの多くは非常にシャープでキレがあり、一見ユーモラスなキャラにも凄みを感じさせるデザイン。各キャラを初めて見たユーザーは、紙面に目を奪われるほどでした。

格ゲーが飽和していた当時においても、そのロックでヘビィなビジュアルはインパクトが十分あり、しかもそのデザインをゲーム上でしっかりと再現。この見た目だけでも、当時のユーザーは大きな衝撃を受け、完全新規の格ゲーながらも多くの方が手を出しました。そして、見た目だけのゲームでないことも、同時に思い知ります。

『GUILTY GEAR』が革新的だった点のひとつは、かつてないスピード感。これまでの格ゲーを上回るスピード感で繰り出すコンボの数々は、ユーザーに新たな刺激と爽快感を与えます。また、それぞれの技を描くグラフィックもパワフルかつ美麗で、格ゲーで得られる“手応え”をより増幅してくれます。

そして、ゲーム性とは少し離れますが、世界観やキャラクター設定の細かさも、これまでの格ゲーとは一線を画するものでした。その世界背景をしっかりと堪能するには、1戦ごとに料金がかかるアーケードよりも、家で遊び放題の家庭用の方が向いています。また、家庭用版なら、メインキャラ以外にも手を出しやすく、その結果、本作の世界を更に深く知ることになります。プレイステーション専用として登場したことで、『GUILTY GEAR』世界のベースを多くのユーザーが知り、この下地が後の展開に繋がるきっかけになったのかもしれません。

シリーズ1作目ということもあり、ゲームバランスやシステム的に荒い部分も存在しますが、その荒さも押し切る“熱意”がこめられた一作でした。現在の2D対戦格闘ゲームがよりスピーディとなった点を考えても、その“熱意”は新たな時代に向けた先駆けだったと言えるでしょう。もちろん、シリーズ作を重ねるにしたがって、その完成度は高まりました。それもすべて、1作目の『GUILTY GEAR』があってこそ、です。



この記念すべき日を迎え、総監督である石渡太輔氏が、20周年を迎えた所感を公式サイトで綴っています。既存の格闘ゲームに感銘を受けた数名の学生スタッフが生み出した、小さなタイトルとして出発した『GUILTY GEAR』。その歩みを振り返り、本シリーズが持つ魅力や、新たな挑戦への意欲を露わとしています。シリーズファンにとっては、感慨深い言葉も多いことでしょう。時間が許す方は、そちらも合わせてご覧ください。


■総監督 所感~GUILTY GEARシリーズ20周年を迎えて~
http://www.arcsystemworks.jp/portal/post-9937/

【関連記事】
『スーパーファミコンウォーズ』本日20周年! “母ちゃんたちには内緒にしたい”名作SLGを振り返り─今遊ぶ方法もチェック
『サクラ大戦2 ~君、死にたもうことなかれ~』が20周年! 続編への期待に堂々と応えた名作、ソレッタやレニも参戦
PS『パラサイト・イヴ』が20周年! アヤ・ブレアの数奇な運命はここから始まる
『星のカービィ3』、本日3月27日で20周年─そして懐かしの相棒“グーイ”が帰ってくる!
サウンドノベル第3弾『街 -machi-』が20周年! 実写を導入する英断で注目を集めた名作を繰り返る
20周年を迎えた『センチメンタルグラフティ』に想いを寄せる─発売前からファンディスクが高騰した注目作
『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』本日2月10日で30周年! その歩みや魅力的な特徴を振り返る
『ゼルダの伝説 BotW』3月3日で一周年! 歩んだ軌跡や発売後の展開を辿る
《臥待 弦》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

その他 アクセスランキング

  1. 世界最小クラスゲーム「Thumby」は、パズルからRPGまでできて感動のアイテムだった

    世界最小クラスゲーム「Thumby」は、パズルからRPGまでできて感動のアイテムだった

  2. 「アイマス」「ラブライブ」「バンドリ」の痛車が集結!キラキラした姿に注目【第九回 天下無双 東西最強痛車決戦 フォトレポ】

    「アイマス」「ラブライブ」「バンドリ」の痛車が集結!キラキラした姿に注目【第九回 天下無双 東西最強痛車決戦 フォトレポ】

  3. 「ウマ娘 プリティーダービー 6th EVENT The New Frontier 秋公演」2日目ライブレポ―ヒーローショーから歌謡曲まで、振り幅デカすぎな演出に痺れる

    「ウマ娘 プリティーダービー 6th EVENT The New Frontier 秋公演」2日目ライブレポ―ヒーローショーから歌謡曲まで、振り幅デカすぎな演出に痺れる

  4. 高野麻里佳さん、上坂すみれさんにインタビュー!「ウマ娘 プリティーダービー 6th EVENT The New Frontier 秋公演」出走後の2人を直撃

  5. 「ハッピーセット」問題で見送られた「ONE PIECEカードゲーム」配布方法が発表ーバンダイと協議の結果、マクドナルド店舗では実施せず

  6. 「ウマ娘 プリティーダービー 6th EVENT The New Frontier 秋公演」初日ライブレポ―コラボし、空飛び、涙する 熱演を振りかえる

  7. 【コスプレ】「チェンソーマン」レゼから『モンハンライズ』ヒノエ・ミノト姉妹まで盛りだくさん!“中国版コミケ・夏”美女レイヤー11選【写真56枚】

  8. 「ウマ娘 6th EVENT The New Frontier 春公演 」Day1ライブレポート すべてが新鮮な驚きを与えた一夜

  9. 期待されるアニメ『ウマ娘』4期の主人公を、15年以上の競馬好きがガチ予想!その鍵は「スピカ関係者」かつ「憧れの存在がいるかどうか」

  10. 『ポケモンレジェンズZ-A』に続け!おすすめのクリーチャーコレクター5選─大正ロマンからメトロイドヴァニアまでがっつり遊べる作品がズラリ

アクセスランキングをもっと見る